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タナトス  作者: とも
ワンダーランド
20/29

15

私が今日エクリプスにきたのは父様の代わりにアトラクションの最終点検をするためだ。


名前については結構揉めてなかなか決まらなかったが、漸く『カシオペア』という事で落ち着いた。


昔空に輝いていたという美しい星座の名前。


幾度となく繰り返す点検。


システムには全く問題ない。


不安があるとすれば、というかその不安の為に点検を重ねているのだけど、ここの土地が不安定だという事。


何がどうと言えるようなものではなく、漠然とした印象。


なかなか払拭されず、仕方ないから解決には為らないけどとりあえず点検する。


小一時間で終了。


終わり。


帰ろう。


そう思い外に出た。


何度も通った道。


開園に向けて少しずつ華やかに成っていく。


店には品が並び飾り付けがなされ、路上には街灯がともされる。


滅多に外に出ない私には充分人が多いのだけど。




暫く歩くと広い通りにでる。


か露店が出ていて、遠目に見るだけでも満足出来る。


ここの関係者だろう、若い人達が楽しげに話している。


活気が在って、なかなか。




ゆっくり歩いていると、いきなり空気が歪んだ






ぐにゃり。






そんな音がしたと思った。




そして悲鳴。


若い男性の叫び声とそれに続く女性の高い声。


見回すと通りで会話していたグループの中の一人が闇に呑まれそうになっていた。


少し離れた回りに仲間らしい若者がどうしようもなく立ち尽くしている。


なんだ、あれ?


ぐにゃりと捩曲げられた空間に鎮座する真っ暗な大きな闇。


凄く、タナトスと近いものを感じる。


それは、どうしようもない力で若者のタナトスを引きずりだそうとしている。


…行くか。


一息吸って、駆け寄った。




闇は待っていたかのように若者から離れ、私に向かってきた。


そして、歪んだ空間からそれまでとは比べものにならない程魔力をました。




やっぱり罠?




独り呟いて見ても事態は変わらない。




仕方ない。




力を開放した。



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