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タナトス  作者: とも
ワンダーランド
13/29

魔術師 の 手品







「祕稀は…元気そうだったか?」


他に尋ねる事もなく、とりあえず当たり障りのないコメントを返す。


「ぎこちないな、関谷」


笑いながら紫苑が横槍を入れてくる。

黙れ、と睨むが気にした風もない。


「調子はまあまあなんじゃないかな。

エクリプスの園長は沢山の傭兵を雇ったみたいだけど、その指揮をとることになったみたいだ」


「珍しいな。集団行動は苦手だと思ってたが」


「ははは。私もそれは突っ込んじゃったよ。

そしたら本人もそういってた。でも、仕事だからって。」


「関谷に似ず、真面目な事だ」


紫苑がからかう。

俺もそう思う。


でも。


「てめぇに言われたくない」




「兄にも師匠にも似ず、だね」


冷静にイオが言った。


言い返す気も失せた。





「それで…祕稀の事はいいとして、紫苑、あんたは何できたんだ?」


滅多に外に出ないやつなのだ。

そのうえ人に会うのもうざいと嫌がるやつな筈だ。

それでもきたのだ。

しかも、俺の処に。

きっと何か用が有るに違いない。

それもまた格別に厄介な用だろう。




「別に。たいしたことじゃないさ」



嘘つけ。



「まあちょっとね」



早く吐け。



「会いに来たのさ」



バタンと扉の開く音がした。

この部屋に近づこうなんて人間なんて限られてる。



見ると…件のそれはもう久方ぶりに会う弟が立っていた。



「祕稀にね」



魔術師は手品を成功させたように微笑んだ。


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