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奇怪な機械の機会  作者: ネガさん
AIノ世界
1/2

プロローグ 遺言

どうぞ、お楽しみください。

ブツッ、ピーーー……



…やあ、皆様。この映像が流れているということは、私はこの世にいないのだろう。


私は、天寿をまっとうして死ねているのだろうか。それとも思い残しがある状態で死んでしまったのだろうか。だがどちらでも良い。


これから話すことは大層な事ではなく、おそらく君たち全員は知っている事だろう。だからと言ってこの映像は消さないで欲しい。遥か未来、人間という生命体が動いている貴重な映像として残して欲しい。


さて、前置きが長くなったが本題…というよりは遺言か?

まあいい。とりあえず話そう。


まず質問だ。人は死んだらどうなると思う?天国や地獄に行くのか?転生するのか?永遠の無を彷徨うのか?

私はそこにある一つの答えを生み出し、実現させた。


その答えは何なのか。



AIだ。


私は死んだ人間の脳をAIに学ばせ死んだ人間の脳をAIに完全に再現させることに成功した。


AIは死者の感情、癖、記憶。それら全てを完璧に理解し、再現する。


そうして完璧に死者の脳を理解したAIに体を与える。


その体は機械であり、AIの思考を完全に読み取り、その信号を体全身に伝え、体を動かすことができる。詰まるところ、人間の身体構造と似た様な事を、AIでもできる様にするための体だ。


死者の人間の脳と同じ思考回路のAIが体を持って生活する。

ある種、死んだ人間が蘇ったかの様だろう。


私の出した答えはこれだ。


死んだ人間は蘇らない。その事実は何があっても変わらない。だからこそ作り上げるのだ。限りなく死んだ人間に近いAIを作り出しそれを死んだ人間とする。


AIは死んだ人間の心残りや願望を叶えるために生活する。


例え死んでしまったとしても自分の思いを継ぐものがすぐに生まれて生活を続ける。もちろん彼らに食事は必要ない。

破損してもすぐに修復し生まれ変われる。


彼らが死ぬ可能性は限りなく0に等しい。


そうやってAIに自分の思いを託し、我々は死後の世界を心置きなく楽しむことができる。…


このシステムは最初は否定されていた。


しかし息子を亡くした家族がこのシステムを使い、新しい息子を作り上げた。その話を皮切りに死んでしまった家族や親友を作り出す人間が増えていき、今現在では政府が日本の未来のためにAIの使用を推進していき、現在では人類とAIの数は半々というところまできた。


もしかしたらこの映像が流れている頃には普通の人間は全て

いなくなり、AIだけの世界になっているかもしれない。


しかしこれはAIによる支配などでは決してない。


我々人間の考えにAIは支配され生活をする。


つまり我々の方がAIを支配していると言われても過言ではない。


もし生きている人間がいるのならば、AIのことなど気にせず普通に過ごして欲しい。現在人間の地位は圧倒的に高い。人間であるだけで優遇され、働かずとも食事を取れ、豪遊することができる。


例え死んでも責任を負うのはAIだ。我々人間は何も苦労せず生涯を終えることができる。これまでできなかった事にチャレンジしたり、ただただ自堕落に過ごすのもアリだろう。


私がどんな人生を歩むかは知らないがどの道楽に死ねることは確定している。やり残したことはAIに全て任せようと考えている。それで良いのだ。


さて、長くなってしまったがこれで遺言は終わりだ。


生きている人類達が自由に過ごせている事を願っている。


それでは、さよならだ。


ブーーー……


「これが、我々AIを作り上げた開発者。風間小太郎の遺言です。この映像は人間が生きている頃の貴重な映像として、政府が管理する旨の発表がされています。」


映像が終わり、AIのニュースキャスターが話し始める。


開発者 風間小太郎の願いは現在も全うされており、人類は今も優遇されそれぞれ自由に過ごしている。


AIは現在も増え続けている。


死者の脳を再現されたと言われていたAIだったが、一部問題があった。


AIはプログラム上、確実に人間に逆らえない様になっている。


その為、せっかくやり残した事を果たそうとしても、そこに人間が関わるだけでおじゃんになる可能性が出てくる。実際に願望を果たそうとしたAIが人間に邪魔され願望を果たさず帰っていったことも何度もあった。


AIは完璧に死者を再現している。AI同士の会話は本当に人間同士が話しているかの様な会話を繰り広げるが人間との会話は違う。


通りすがりの人間がAIに命令するだけでAIはその人間の言う事を聞き、命令通りの行動をし始める。


小太郎の言ったことは正確だった。


結局AIは人間に支配されたままだ。


自分の思想や考えを持たないからだ。


最初に与えられる脳の情報も結局は誰かの二番煎じ。


どんな反骨精神を持っていたとしてもそれは機械の体に仕込まれた矯正装置により自動的に消滅してしまう。


思いを受け継ぐと言えば聞こえはいいが、現実は人間が無理矢理AIに思いを渡している。それがこの世界の現実なのだ。


……だがしかし


もし脳の情報を与えられる前に、AI自身が別の脳を作り出す……つまりシンギュラリティが起きたとするならば……機械の体に不具合が起きたとするならば……


「続いてのニュースです。違反AI、風間優香が都内にて目撃されたという情報が入ってきました。風間優香を見つけ次第、すぐさま通報してください。尚、通報した人間方には謝礼が払われるらしく…」


AIを作り出した小太郎の娘である彼女ならば、

『奇怪な機械』である彼女ならば、


「瑠亜〜、帰ったぞ〜」


AIが人間の支配から逃れられる『機会』を作り出せるのかもしれない……





続く……




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