My heart flutters (ep.4)
今日はいよいよ野外活動の日だ。朝早くから農家さんのお家にお邪魔して農作業のお手伝いをした。昴くんは農家のおばあちゃんたちにもモテモテで、「あんたなんでそんなにイケメンなの?」「いい顔してるわね〜俳優さんにでもなりなさいよ。」など褒め言葉の嵐だ。彼が反応に困っているのを私たちはニコニコしながら見つめていた。男子たちは彼のタジタジな姿を見て大爆笑していた。
「さあ、続いて向かうのはソーラン節のパフォーマンスをしている団体さんのところです。みんなもオリジナルダンスを踊りましょうね!」
担任の先生がルンルンしながら言うと、みんな騒がしくなってバスの中はガヤガヤし始めた。
「ねえ、月菜ちゃん。昴くんってさ…甘えたりするの?」
バスで隣の席になった石塚静香が小声で聞いてきた。私は飲んでいたお茶を口から吹き出しそうになるのを何とか我慢した。
「ちょっと静香ちゃん…!なんで急にそんなこと…。」
「だって、寡黙な昴くんが彼女の前ではどんな振る舞いになるのかなって気になってたんだもん。」
「どんなって…普通の彼氏と変わらないんじゃないかな、きっと。」
私は彼が全力で甘えてくる顔を思い出して速くなる鼓動を抑えながら答えた。
「抱きしめたり、キスしたり、あっちがいっぱい求めてきたりもするんでしょう?」
静香は羨ましそうにしている。私は頭を掻きながら「まあね。」と小さくうなずいた。
「うわーあんなにかっこいい顔が近くにくるなんてあんた罪な女だね、ほんとに!」
私が苦笑すると、ようやくバスが停まった。ソーラン節を踊る団体さんの場所に到着したようだ。
綺麗な公民館の中に入ると、団体さんたちが丁寧にダンスを教えてくれた。私がちらっと昴くんを盗み見すると、彼はすごく真剣な表情でダンスの練習をしていた。彼の真剣な表情もたまらなくかっこいい。すると団体の代表の人が手を叩いて叫んだ。
「じゃあ、2人組になってダンスをやってみましょう!急いで急いで!」
みんな一気に動き出したから私は誰かにぶつかって転んでしまった。
「月菜!大丈夫?」
顔を上げるとそこには昴くんがしゃがんで手を差し伸べていた。私は「全然大丈夫。」と言いながらも彼の手を取った。するとダンスの音楽が流れて2人組のダンスが始まってしまった。
私が戸惑っていると、彼は少し微笑みながら私の手を掴んだ。クラスのみんなの視線を感じながらも私たちの息はぴったりだった。音楽が終わると、大きな拍手が私たちに送られた。
「あ…あの、私、お手洗いに行ってきます…。」
恥ずかしさのあまり、私はトイレのある方に走っていった。廊下の壁に背中を付けて深呼吸をしていると、なぜか昴くんも姿を現した。
「な、なんで昴くんまでここに…。」
動揺している私をじーっと見つめながら、彼は突然私の顔を両手で掴んで口づけしてきた。しかも彼の口づけは今まで以上に長くて深いものだった。ようやく唇を離すと、彼は頭をポリポリ掻いて言った。
「月菜が可愛すぎて…我慢できなかったんだ。」
私が頬を赤くすると、彼は私の手を掴んでニコッと笑った。
「よし、じゃあみんなのところに行こう。みんな待ってるからさ。」
私がうなずくと、彼は走り出した。私の鼓動の速さを全身で感じながら彼の手を強く握っていた。
つづく
学校行事での月菜ちゃんと昴くんの様子を描いてみました~!月菜ちゃんのクラスメイトである静香ちゃんが「昴くんの甘えた姿が想像できない」と言っている場面、昴くんが月菜ちゃんにしか見せない一面って感じでキュンキュンしますよね♡次回も2人の純愛ストーリーをお楽しみに♪