拝啓　我が師である魔王様へ、俺は旅に出ます

　自身の持つスキルのせいで、故郷の村を帝国に滅ぼされた青年、ケイト。そんな彼が生きる気力を無くし、死に際に巡り会ったのは、自身と同じスキルを持つ魔王であった。
　時は経ち、魔王の元で力をつけた彼は魔王に一通の手紙を残し、姿を消す。
「拝啓　我が師である魔王様へ、俺は旅に出ます。貴方のお陰で全てを失った自分の人生を、精一杯生きて足掻こうと思えました。その為に僕はこの世界をもっと見てみたいと思います」
　目的は無い彼の旅が始まる。