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10-3 モフドラ、空のダンジョンへ行く

ジェット噴射によって空高く打ち上げられたマトとルチカは風の渦の中にそのまま飛び込んだ。


渦の中は風の流れが激しく、二人は渦状に流される。


「うわっっっーーーーーー‼」


マトは態勢を整えようとする事させできず、されるがままになる。


ルチカはなんとかドラゴンに変身して翼を羽ばたかせ、風魔法で対抗しようとするもまったく歯が立たない。


渦の流れに乗ったままでは延々と同じところを回り続けることになる。


マトは渦の外側に逃げようと考えたが、渦は中心地へ引っ張るような力が働いており、外へ行くのは不可能だと判断した。


それにより、マトは渦の中心地へ目を向ける。


渦の中心地は荒れた風が吹いているようには見えなかった。


マトは言う。


「ルチカ! 渦の中心地へ向かうぞ!」


暴風による爆音の中、ルチカは微かにマトの声を聞き取った。


人間の姿に戻ったルチカは、渦の中心地を見る。


「なるほど! でもどうやって行くの! 流れに身を任せても行けないよ!」


マトは考える。


(風自体は俺達が内側に行くことを邪魔しているわけではない! むしろ内側に投げつけようとしているようにも感じる)


マトは言う。


「ルチカ! 合図をしたら渦の外側に向かって風を放ってくれ!」


「わかった!」


マトは流されながら、ルチカに近付くタイミングを見計らった。


マトが手を伸ばすとルチカも手を伸ばしてお互い掴みあった。


「今だ!」


ルチカは外側に向かって風魔法を全力で放った。


すると二人は中心地に吸い込まれるように進んで行く。


「うっひょー! 楽しいね! マトォ!」


楽しむルチカとは裏腹にマトは少し涙を流して縮み上がっていた。









渦の中心地に着くと一気に急上昇して渦の天辺に押し上げられる。


天辺では下から風が上ってきてフワフワと浮いた状態になる。


「きっもちいい!」


ルチカがフワフワする気持ち良さを楽しんでいる隣でマトは疲れた表情で「ぜぇ・・・ぜぇ・・・ぜぇ・・・」と息切れをしていた。


「マトォ大丈夫?」


「ああ、なんとか・・・」


渦の天辺は雲の上にあって少し遠くに分厚い雲が見える。


「ここは空のダンジョンの中なのか?」


「そうでしょ! こんなにフワフワしてんだから!」


「ここからどうすればいいんだ」


マトは近くの雲を掴もうするが掴めない。


「雲の上に行けるわけじゃないのか・・・」


「でもあそこの分厚いところには行きたい!」


ルチカがそう言って指さした分厚い雲の方を見たマトはあるものを目にする。


分厚い雲の方から何かがこちらへ向かって走って来るのだ。


次第に近付いて来て姿がハッキリする。


「『ストローター』だ!」


ストローターはダチョウの見た目をした魔物で空の上を風の影響も受けずに走ることが出来る。


ストローターは二人に向かって走って来たと思うと、そのまま通り過ぎて行ってしまった。


「なんだったんだ?」


するとルチカが「マトォ! また来るよ!」と言って指をさす。


分厚い雲から再び別のストローターが二人の方へ向かって走って来た。


「うわ! また来た!」


と反応しているとストローターは通り過ぎて行く。


「うわ! また通り過ぎてった!」









魔物の謎の行動の理由をマトが考えていると、ルチカが袖を掴んで言う。


「ねぇ、マトォ。あれに捕まってみない?」


「・・・あれに?」


「うん! 乗ったら楽しいかもよ!」


「楽しいって・・・・・・あんなんに乗ったら振り落とされるだろ・・・・・・」


「いいじゃん!」


「ルチカは飛べるからいいけどよぉ・・・俺は・・・」とマトが言いかけたところでルチカが「来たよ!」と言ってマトを無理矢理引っ張って、走って来たストローターの上に乗る。


ルチカはしっかりとストローターの背中に乗れたがマトは宙ぶらりんになって慌てふためいた。


「うっ、うわっ!」


「よっこいしょっ!」


ルチカがマトを持ち上げて自分の後ろに乗せる。


「はぁはぁ・・・危なかった・・・」


ストローターはそのまま二人を乗せて走り、スピードを落とさずUターンをして、まるで螺旋階段を駆け上がるように空を登っていく。


ストローターは分厚い雲の上に到着すると二人を背中からぶん投げ、すぐに走り去って行った。


マトは雲の上に投げ出されると


「うわわわっ! 落ちる落ちる落ちるぅ!」と言って雲に接する瞬間恐怖で目を閉じた。


しかし、マトの予想に反して雲は柔らかな毛布のようにマトを優しく出迎える。


「えっ⁉ なんだこれ! 落ちてない! そして柔らかい!」


マトが驚愕している隣でルチカは「ひゃっほー‼」とはしゃいで飛び回っていた。


「元気だなぁ・・・」









マトは気を取り直して言う。


「ここからは、まあ、本当に空のダンジョンと行って良いだろうな」


「だろうね!」


「ルチカは楽しんでいるようだが、ここはあくまでもダンジョンだ。おそらくストローターの他にも魔物がいるはずだ」


「何がいるんだろうね」


「何種類かは予想がつく。例えば『ミュクル』『ミニス』『長髪鳥』そして『デカドリ』だ」


「ほーほー」


「デカドリにだけは気を付けろよ。気性が荒く縄張り意識が強い。見つけたら戦わずにその場から逃げた方がいいかもな」


「へーい」


「それじゃあ、探索開始するか!」


「おー!」

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