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9-2 魔物討伐開始

マトとルチカ、ブリンジャー、パーンの四人もダンジョンに入る。


ルチカは怒りの籠った声で言う。


「ねぇ。マト。さっきおっさん、魔物を全員殺せって言ってなかった?」


「ああ。言っていた」


「なんで? 外に逃すとかでもいいじゃん」


「演説内容的に逃がしても魔物の脅威は消えないからだろう」


「まさか、マトは納得してんの?」


「しているわけがない。だが、あのガウト隊長の様子で逃がす選択が許されるのか・・・」


ブリンジャーが口を開く。


「ダンジョン攻略に魔物の駆逐は必要ないはずです!」


ルチカが反応する。


「お! いいこと言うじゃん!」


ブリンジャーは鬼気迫る表情で言う。


「『魔物は動物や昆虫などの生物と同じようにこの世界の生き物として扱う』これが魔物に対するスタンスだったはずです! 


それは魔物がいることでダンジョンができ、冒険者という職業ができたこと、それに魔法を会得したこと。


ダンジョンに魔物が資源を集めることによって無理な遠征などをせずとも回収できるようになったことも大きい。


別の地域の領主内の資源を間接的に得ることができるからです」


マトが言う。


「『魔物所有権の法則』ですね。魔物が盗んでダンジョンに持ち帰った物は誰のものでもなくなる。


俺達、人間の生活はここ百年でダンジョンと魔物の出現により変わりました」


「そう! だからおかしいのです! 急に魔物を目の敵にするのは。魔物や魔法の力によって圧倒的な力を持った脅威が現れたわけでもないのに、です!」


「ガウト隊長の狙いはなんなのでしょうか」








そう話しているとルチカとパーンは隅にいるフラァイを発見する。


フラァイは能力で引っ張ってきたリンゴをムシャムシャと呑気に食べている。


この殺気が立ち込める場所でそんなフラァイを見たルチカは微笑んだ。


「ふふ。こいつに害はなさそうだね」


「殺伐とした中で、呑気で癒されるなぁ」


と二人が和んでいるその時だった。


ルチカの背後から騎士団の男が現れ、フラァイを切りつけ殺してしまった。


その光景を見てルチカは抑えていた怒りが限界値に達する。


しかし、それよりも早くパーンが口を開く。


「ちょっとやりすぎじゃないか! 見廻隊の意義に背くぞ!」


抗議をされた騎士団は凄まじい怒号で言う。


「あん? テメェ、パーン! 命令を聞いてなかったのか! 全員殺すんだよ! 魔物は!」


いくら騎士団が見廻隊に横柄な態度を普段から取っているとはいえ、この怒り方は異常だと四人は思う。


「パーン来い! テメェはこっちで一から魔物の殺し方を教えてやるよ!」


と言って騎士団の男はパーンの襟を引っ張って連れて行ってしまった。


ルチカが騎士団に手を出そうとするとマトが静止する。


「それは駄目だ。ルチカ」


「でも!」


「パーンは大丈夫だ。あいつならうまくやる」


ルチカは握り拳の力を弱める。


ある騎士団がガウトに報告する。


「一階の部屋、制圧完了」


「よし。階段を上がり、二階へ向かうぞ!」


合同部隊は返事をして階段を駆け上がる。









三人も後ろから階段を上る。


その途中、ルチカが何かに服を引っ張られる。


「うお! なんだぁ⁉」


マトはそれを見ると短剣を取り出してルチカの背後に切りかかる。


すると「ぐぎゃー!」と叫び声を上げながら透明になっていた人食い花が姿を現す。


人食い花から解放されたルチカが態勢を整えているうちに、マトは炎の魔力でサーチを発動してサーチ範囲にいる人食い花に炎を浴びさせる。


「ルチカ! 襲ってくる魔物はどうにもならない。諦めて倒せ!」


「わかってる!」


二階に行くと大勢の魔物が部隊を待ち受けていた。


好戦的な魔物に部隊が苦戦する中、ブリンジャーが手助けに入る。


マトとルチカも魔物との対戦を余儀なくされる。









二人の前にはビシュリオン二体が現れた。


ビシュリオンの鬣は火薬と同じ成分が混じっている。


ビシュリオンは首を振り、鬣を動かして鬣同士を擦らせ、摩擦を起こす。


ビシュリオンの鬣に火が起こり、輪っかの炎をルチカへ飛ばす。


ルチカは口から制御された炎を吐きだす。


お互いの炎はぶつかり合い消える。


「こいつ! ルチの熱き炎を相殺しやがった!」


燃えてなくなったビシュリオンの鬣が生えそろっている。


「なるほど。いくらでも撃てるってことか!」


ビシュリオンが再び鬣を揺らし始める。


「やってやらぁ! ルチの方が強いんだぁ!」


ルチカは炎を吐きだす。


そしてビシュリオンの炎とぶつかると消滅した。


「こんのぉ!」


ルチカとビシュリオンとの炎の強さ比べは十数回続きながらも決着はつかない。


「ムキィー! ルチの炎の方が本当はすごいのにぃ~!」


そんなルチカに気付いたマトは言う。


「ルチカ! むきになるな! 冷静に対処しろ!」


「だってぇ~!」


「ルチカの本気の炎が凄いのは俺が一番わかっている! だが、本気をださなくてもこいつを余裕で倒せるぐらいルチカが強いって俺は知っているぞ!」


マトの褒め言葉にまんまとその気になったルチカは言う。


「ドラゴンの知性が疼くぜぇ!」


ルチカのやる気にビシュリオンも首を振って警戒する。


「ルチの超知的大作戦を見るがいい!」


ルチカは口に炎を含ませる。


それを見たビシュリオンが炎の輪っかをルチカに向けて放った。


ルチカはビシュリオンが技を放ったのを見ると炎を口に含んだまま、前に飛び出す。


そして、炎の輪っかの穴の部分に飛び込みくぐると、ビシュリオンの前に着地して口に含んでいる炎をビシュリオンへ吐き出した。


ビシュリオンは焼かれて倒れる。


マトは言う。


「よくやった!」

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