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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

殺人犯かもしれない

作者: 夢菜

私は、怪談話が好きでよく聞いたり読んだりしています。文章の書き方はまだまだですが、書くことは好きです。

これからも書いていきたいと思っています。

この話は数年前の出来事。


友達と学校の帰りに神社で遊ぶのが日課になっていた。


ランドセルをお賽銭箱のそばにおいて遊ぶ。


暗くなるまで遊んで家に帰るのだ。


親には1回帰ってきなさいとよく怒られるが知ったことでは無い。


この時の私は友達と遊ぶのが楽しくて仕方ないのだ。


この日も神社でいつも通りランドセルを乱暴に置き、あそび始めた。


今日は6人でかくれんぼをすることになった。


いつもすぐに見つかってしまうたけるくんにアドバイスをしてあげた。


たけるくんは素直にそこに隠れる。


私も良さそうな場所を見つけて隠れたけど、すぐに見つかってしまった。


たけるくんは、まだ見つかっていないようだ。


そして、次々に見つかり、残るはたけるくんだけとなった。


探しているうちに暗くなって行き、そろそろ帰らないと行けない時間に。


「たけるくん、もう帰る時間だから出てきていいよ」


声をかけたが返事もなく、出てくる気配もない。


私は、隠れた場所を知っているので呼びに行ったがいなかった。


みんなランドセルを持つとたけるくんのランドセルは残っていなかった。


「きっとあいつ、先に帰ったんだよ!腹立つなぁ、一言ぐらい言えばいいのに」


そう怒りながらみんなは帰っていく。


私も少し腹を立てていた。


家に帰って玄関を開けると母親が夕飯の支度をしていていい匂いがしている。


「宿題やっちゃいなさいよ。終わるまでご飯はないからね」


私はしぶしぶ、宿題をやり始める。


この頃には、たけるくんのことは、すっかり頭の中から消えていた。


ご飯を食べ終わり、寝る準備をしている時だった。


家の電話が鳴る。


母親が出て一言二言話すと顔色が変わり、私が呼ばれた。


何かあった事は母親の顔色と声でわかった。


「あんたさ、今日、たけるくんと遊んだ?」


母親が私に問いかける。


「うん、遊んだよ。でも帰る時にたけるくんのランドセル無かったから先に帰ったと思って私も帰ってきたんだよ。どうしたの?」


「たけるくん、まだ帰ってきてないんだって。お母さん、探しに行ってくるから鍵かけて布団に入っていなさいよ」


そう言い終わる前に、玄関がバタンッとしまった。


私は、鍵をかけ布団に入ると、たけるくんが心配になり、頭の中で色々考える。


いつもなら布団に入ると眠くなるのに今日は頭が冴えてしまっている。


日付けが変わる少し前に母親が帰ってきた、と同時に父親も帰宅。


母親から父親に事情を説明しているようだった。


親の話し声を聞きながら私は寝てしまっていた。


朝起きると外が騒がしかった。


たけるくんを捜索しているようだ。


とりあえず、学校に行けと追い出される。


学校では、たけるくんの話でもちきりだった。


そんな中、クラスの椎名ちゃんがこんな話をしてくれた。


「これね、おばあちゃんが、私が小さい頃に話してくれたからはっきり覚えてないんだけどね。たけるくんがいなくなったあの神社の話」


みんなは静かに話を聞いている。


「あそこでね、昔にもいなくなった子がいたんだって。今も見つかってないんだけどね」


誰も何も言わない。


「あの神社に、ある旅人が歩き疲れて寝泊まりしたらしいの。でもその旅人は、食べるものにも困ってお供え物や近くの民家の畑から盗んで食べていたんだって。それを見つけた人と喧嘩になって旅人は死んでしまったんだって。そして、あの神社の床下に埋めたって話」


そこまで話を聞くと私は聞いた。


「突然、いなくなったら誰かがおかしいって思うんじゃないの?」


「それがね、みんな旅人の事をよく思ってなかったし、また、旅にでたんじゃないか?って話にしたんだって。何人かの人は埋めるのを手伝っているから共犯なんだよね」


椎名は、そこまで話すとみんなが怯えているように見えたので、誤魔化した。


「まぁ、私があの神社に近寄らせないように作り話をしたんじゃないかな?あの神社で不審者がいたなんて話もあったから」


そういうと椎名は微笑んだ。


私はなんてことをしてしまったのか?


そう、私がたけるくんに隠れるように支持した場所は今の話に出てきた場所だった。


暗くてのぞいても簡単に見つかる場所ではなかったから。


私はどうしようか悩んだが、このまま黙っていたら後悔することになりそうなので、母親に話した。


母親は慌てて神社の管理人に電話で伝えた。


神社自体がもうボロボロでいつ倒壊してもおかしくない状態だったので、新しく建てることにした。


住人も少し寄付をして、見守った。


たけるくんがいるかもしれないということで、慎重に丁寧に壊していく。


遠くから見守る住人の目に黒いランドセルが飛び込んできた。


「あぁ・・・」


拾い上げて中を確認する。


中に入っていた教科書に名前が書いてある。


たけるの名前が。


しかし、肝心のたけるくんはいない。


管理人が土台をしっかりする為に少し深めに掘った。


すると骨のようなものが出てきたので、警察に連絡する。


鑑識が調べた結果、骨だということがわかった。


大人と子供の3体の骨だと断定された。


大人の方は身元不明だが、子供の方はおばあちゃんが話していた子供とたけるくんだと判明した。


不思議なのは、大人の骨が、話にでてきた子供とたけるくんをだき抱えるように埋まっていた。


それに、たけるくんはまだ、いなくなってから日も浅いのに骨になっているなんて・・・


しかも、何故、土に埋まってる?


子供に出来る事じゃないし、掘る道具も見当たらない。


この事があってから、神社は建つことはなかった。


椎名は、私の後ろで呟いた。


おばあちゃんの話、本当だったんだ・・・


殺人犯のいる町。


誰が殺して共犯は誰なのかは分からない。


私は、殺人犯の孫かもしれない・・・










後味の悪い事件でした。

旅人は誰なのか?

殺人事件は、町の人たちの手で行われたのか?

もしそうだとしたら旅人の復讐かもしれませんね。

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