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私がこうなるのも仕方ない

 はい、どうもダメ人間です。

 今ダメ人間は森の中をフィオとルーファと歩いて、シューアーと言う街に向かっている最中です。

 一応デネーデの近くの森の所にワープポイントは配置したよ。ダメ人間ではあるけど、そこら辺はちゃんとしてますよ。

 

「……フィオはシューアーってどんな街か知ってる?」

「行ったこと、ない」

「じゃあ、ほんとに着くまでのお楽しみだ」


 シューアー……珍しい食べ物とかあったらいいなぁ。

 はぁ……そろそろ現実逃避をやめよう。

 私は街を出てから閉じていたマップを開くと、私たちを付けている赤い点が三つ。やだなぁ……街からだから人間……少なくても人種であることは間違いないよね。ちなみにフィオとルーファはいつもと変わった様子はない。まぁ、二人とも気づいててこの余裕なんだろうから、私も現実逃避出来たわけだけどね。


 ワープで逃げる手段ももちろん考えたよ? でもルーファとフィオが私の手をがっちり握ってて操作出来なかった。いや口で説明すればいい話なんだけどさ、そもそも複数人でワープとかまだ試したことないから、もしものことを考えたら、二人とも余裕そうだし、いいかなって。


 そして赤い点の三人が私たちに追いつき、声をかけてくる。


「大人しくしろ! そうすれば痛い思いはしなくて済むぜ」


 な、なんてお決まりなセリフなんだ! 

 一人の男が喋ってる間に、他の二人の男が……って、片方はこの前の人当たりが良さそうな青年だ。なんか……この人が手下なの釈然としないな。

 この前は怖かったけど、二人がいるから、私は無敵だよ。

 え? 私は何もしないのかって? ……何かできるかな……魔法は……殺傷能力が高すぎる。じゃあ、まだ一応持ってるロングソードで戦う? 身体能力とかは上がってるけど、素人なのは間違いないし、下手したら殺しちゃう。ロングソードでそんなことすれば、感触が私の手に残るだろうし、それだったら魔法の方がいい。いや、人を殺す勇気ないんですけどね。私だってほんとに殺らなきゃやばい! って時は出来る……と思う。


「それはこっちのセリフです。今なら痛い思いだけで済みますよ」


 ルーファがそう言うと、横でフィオが、うんうん、と頷く。えぇ、痛い思いするんじゃん、と思った私だけど、こいつらは痛い思いをした方がいいと思うので、同情はしない。


「えっと……私、一応魔法使え――」

「ユアさんはいてくれるだけで大丈夫です」

「何もしなくていい」


 ……これは心配してくれてるんだよ、ね? 戦力外通告ってわけでは……いや、そうだとしてもゴブリンに負ける女だからいいけどさ。

 でも、魔法ってイメージなんでしょ? だったら落とし穴ぐらい作れそうだけど……それで私にヘイトが向いたら怖いしやめとこ。二人ともピンチって訳じゃないし。

 なんかほんとに私ってダメだなって思うね。


「お、おい! お前ら女二人に何やってんだよ!」


 あ、私が考え事してる間に最初に声をかけてきたやつ以外倒れてるんだけど。血は……出てない。私がいるから気を遣わせたのかな。お荷物でしかないじゃん私。しかもなんか考え方がメンヘラ女みたいになってきてるし。


「く、くそっ! へぶっ」

「これで終わりですね」

「ん」


 呆気なく終わった。私は棒立ちで。


「大丈夫ですか?」

「平気?」

「いやいや、二人の方こそ大丈夫? 私は立ってただけだから」

「ユアさんが平気なら大丈夫ですよ」

「ん」


 ……返答に困るなぁ。いや、嬉しいんだけどさ! なんか……違うじゃん! いや、えー、あー、んー。


「私は大丈夫……です」


 なんか何もしてない気まずさからちょっと敬語になっちゃったよ。

 

「良かったです! それで、なんですけどね? その、頭撫でて欲しいなって……頑張った、ので」

「ん」


 ルーファがそう言い、フィオは頭を私が撫でやすいように、私の方に寄せてくる。

 ……これは、私がダメ人間になるのも仕方ないと思うんだけど。もちろん撫でるよ! ありがとうございます! 二つの意味でね!

「不遇種族で最強を勝ち取った私は異世界へ」

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こちらもよろしければ是非。

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