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フィオとルーファ

※途中三人称視点あり



――――――――――――――――――――――――――

「ちょ、フ、フィオさん?」

「?」

「……手で洗うの?」

「洗うやつ無い」


 確かに……よく考えたらタオルが無いんだから、洗うやつがあるわけがないじゃん。でもルーファには洗ってもらったのに今更、やっぱりやめてほしいとか言えないし。


「すべすべ、気持ちいい」

「へ、変なこと言わないで」


 洗って貰ってる立場なんだからあんまり強くは言えないけど、せめて心の中で思うに留めておいてほしい。てか私の肌なんかよりフィオの手の方がずっとすべすべだし。


「んっ」


 首元を洗われる時にくすぐったくて変な声が漏れてしまった。死にそうだから、もう、早く終わって……。


「前」

「う、うん」


 私が覚悟を決めて待っていると、何故か背中の方にフィオの柔らかい体が当たる。


「フ、フィオ!?」

「こうした方が洗いやすい」

「そ、そうかもしれないけど! 色々と当たってるし……」

「大丈夫。ユアの体あったかくて気持ちいい」

「――ッ」


 フィオの気持ちは分からなくはないよ? わ、私だってフィオの体があったかくて少しは気持ちいいって思うし。でも! 今じゃないよ! 私たち裸なんだよ!? その状態でっていうのは流石に……。


「太もも柔らかい」


 そんなことを考えてたらいつの間にか太ももあたりを洗われていた。もう、やばい。恥ずかしすぎて涙出てきそう。私はバレないように少し俯く。

 

「ユア、耳真っ赤」

「し、仕方ないでしょ……」

「真っ赤なユアも可愛い」

「――ッ」


 フィオは私と密着してる状態なんだから距離が必然的に近くなって、自然と耳元でそう聞こえてきた。ほんとに燃え上がるんじゃないかってぐらい自分の身体が熱いのが分かる。


「フィ、オ。しぬから……ほんとにしんじゃうから……」

「それはだめ。流す」


 体はもう洗い終えてたみたいで、泡を洗い流される。




 私は少しだけお湯に浸かり、のぼせたからと言って二人より早くお風呂を上がった。

 この宿にタオルがない代わりに置いてある、体や髪の毛を乾かしてくれるよく分からない道具を使い、服を着て直ぐにベッドに横になる。すると一気に意識が薄くなり私は眠りに落ちた。




 ユアがお風呂から上がり、ルーファとフィオは二人きりになったので、ユアについて話していた。


「ユアさんの照れてる表情ってすごい可愛いと思いませんか?」

「分かる。どんなユアも好きだけど、恥ずかしくて半泣きになってたユアは最高だった」

「ですよね! ユアさんはバレてないと思ってた見たいですけど、それがまた可愛いんです」

「うん」


 もしこれをユアが聞いていたなら本当に恥ずかしんでいたのでは? と思う内容を話す二人。そしてこれはユアがお風呂を出て直ぐに話している内容だ。つまり二人はユアに聞かせ、二人が上がった時にユアの恥ずかしがっている顔を見ようとしていたのだが、幸か不幸かユアは既に限界を超えており、二人の会話を聞くことは無かった。

 

「もう上がる」

「でしたら私も上がりますね」


 二人は魔道具を使い髪と身体を乾かし服を着る。

 そしてユアがどんな顔をしているか楽しみにしながらユアの方へ向かう。


「寝てますね」

「寝てる」

「疲れてたんでしょうね」

「寝顔もいい」

「そうですね」


 主に二人のせいで体力の限界を迎えたユアだったがそこには気がついていないようだ。


「私達も寝ますか」

「ん」


 ユアを真ん中にしベッドに横になる二人。もちろんユアが起きないようにそっとユアのことを抱きしめながら。

 フィオはユアの無防備な寝顔を見て、さっきのルーファのようにキスをしたい欲求に駆られるが、我慢する。最初はちゃんと合意の上でしたかったからだ。その代わりと言ってはなんだが、フィオはユアの手を自分の耳へ持っていき眠りについた。


 ルーファはユアのことを抱きしめながら、足も絡ませ眠りについた。

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