夢でも逢いましょう
オレンジに照らされた
白く横たわる橋
キミと何度も渡った橋
幼かったキミは
初めてこの橋を見たとき
「大きいね」
「立派だね」
「すごいね」
「白いね」
なんて
知っている褒め言葉を並べては
田舎の町の
この橋の完成を
自分のことのように威張っていた
成長したキミと
膝を交え
あくびをしながら
近い未来を語り合う
キミの絵が好き
キミの笑い声が好き
キミの泣き顔も膨れっ面も
好きっ大好き!
ずっとそばにいてほしかったキミは・・・
今
あのときの未来にいて
外灯の下をひとりで走りすぎる
賑やかだったおとなりさんはもう
もっとカラフルな街で暮らしている
夢を見た
「現実は夢、夜見る夢こそが真実」
乱歩が言ってたっけ
夢の中のキミはあの頃のまま
ひとつ
ふたつ
言葉を交わす
目が覚めて思い出す
忘れ物
遥か未来のキミが
まるで分身のキミを抱いてくる
「ばぁば」
そう呼ばれてももう
笑顔しかない
笑いながらわたしは
あのウツツヨの忘れ物を思い出す
「よくできました」
そう
頭を撫でた
「2018年10月10日」