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かわいい妹がいて幸せねといわれますが、あれがかわいいならお譲りしますわ…。あのモンスターにいつも私はひどい目にあわされています。あれの企みのせいで婚約破棄されたほどですのに。このままでおくものか!

作者: ゆうこ

「かわいい妹さんじゃないの~」


「……」


「お姉さま、お姉さま大好き!」


 外面がいい妹が人前で甘えてくるのを見て呆れる私。

 大好きという言葉の裏にあるその毒を知っているので。


 羨ましいといいますが、なら譲りますわよ!


 これの性格の悪さを言ってみたこともありますが、姉の嫉妬といわれました。

 妹がとてもかわいいからです。ふわふわの金の髪に青い目、この世界に舞い降りた天使とまで言われました。


「……もうぶりっこはやめましたの?」


「お姉さまひどいですわ~。私はお姉さまのこと大好きですのに、あ、お姉さまのドレス借りましたわ~」


「……」


 こいつは私の品物を勝手に持ち出し、汚して返します。

 最初は大目に見てましたが、わざとドレスを破るのを目撃してから、私はこの甘えん坊ぶりも演技だと気が付きました。


 お姉さんだから我慢してお上げと両親にいわれて我慢し続け15年。


 私の容姿がいまいちなので、何を言っても嫉妬にしか聞こえないようです。


「……白いドレスが真っ黒」


「ごめんなさい~」


 泥で真っ黒ってわざととしか……でもわざとじゃないから許しておやりとお父様に言われるのですわ。


 私は部屋に鍵を付けましたが、それすら合鍵を作って乗り越える妹。


 根性悪もここまでくると何とも言えません。


 私は王太子殿下の婚約者に選ばれ、やったわなんて思っていたら、妹がすごい目でにらんでいました。


「お姉さまおめでとうございます~」なんて言ってましたけど、顔が怒ってますわよ……。


 私は妹にありがとうと笑顔を返し、ようやく離れられると王宮に行った途端。


「なぜ不細工なほうが来るんだ!」


 と殿下に落胆されました。不細工というほど不細工でなかったつもりですが……。

 この世界に舞い降りた天使じゃないってものすごくがっかりました。


 そこからは完全に無視されて……妹を希望していたのに、姉が来たと怒ってますが、陛下と王妃様は私が指名されたと。


「お姉さま、きちゃいました♪」


 妹が王宮にやってくるようになり、私は嫌な予感がしたので、できるだけ会わないようにしてましたが……。


「アイリス。お前と婚約破棄する! 妹をいじめた罪だ、どこへなりと出ていけ!」


 殿下は汚いものを見るような目で私にこう言いました。いじめてなんかいないといっても、妹のミリアが言っているのだ間違いないときたものです。


「お姉さま、私がお姉さまから借りたドレスをわざと破って汚したと怒りましたわよね、わざとじゃないです~。首飾りもです~」


 後ろから現れる妹、私はわざとじゃないといわれると、もう何を言っていいか迷って黙るしかなく。


 私は王宮から追い出され、家に帰りました。


 さすがに家を追い出されませんでしたが、婚約破棄なぞされた娘など次の婚約者が現れないと落胆する両親を見て、私は家を出ることにしました。


「お嬢ちゃん、あんたの気持ちもわかるがね……」


「あなたが持っているアイテムをください!」


 私は占い師の館にかけこんでいました。以前、下町で迷子になったとき来たことがあったのです。

 親切な占い師に助けてもらったのですが、その時噂話で聞いたあるアイテムを譲ってくれと頭を下げたのです。


「だがこれは禁断の……」


「禁断でもなんでもあいつに復讐したのですわ!」


 これまでの経緯を話すと仕方ないねと占い師はため息をついて、このアイテムの代償を払うのならと譲ってくれたのです。



 私は両親に言い含められ、婚約式に出るように言われていました。

 あれが見せつけたいのだなと思いましたが出ることにします。


「……私はここに婚約を!」


 殿下の宣言とともに私は手にもったアイテムをみなの前で掲げました。妹を映し出します。

 すると妹が過去いろいろやらかした悪行がそこに映し出され、見てください! と私は叫びました。


 私のドレスを泥で汚す妹、首飾りをわざと引きちぎる妹、あんな不細工な姉を持つなんて不幸ですわとせせら笑う妹が映ります。


「な、なにを!」


「これがこの子の真実ですわ! 私の品物をわざと汚し、壊して喜び私をいじめていたのです!」


 私が言うと、宮廷魔法使いの方も、これは嘘などではないと保証してくれました。根回しはしておいたのですわ!


 婚約式はめちゃくちゃ、妹は姉をいじめる妹として婚約破棄され、修道院送りとなりました。殿下は廃嫡になりました。女に騙された王太子とみなに馬鹿にされています。


「代償がこれとは」


「真実をみえる目、あたしと同じものが宿るんだよ」


「まあこれはこれで」


「あんたも結構ずぶとい神経してるね」


 未来を見通す目とやらを代償として得た私は、師匠について、占い師になりました。

 よく当たる占い師として評判になり、私は身を立てることもできて、真実愛する相手もできましたわ。


読了ありがとうございます。【☆☆☆☆☆】を押して評価してもらえると嬉しいです! 執筆の励みになります!

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[気になる点] 目が曇りに曇っていた王子もだけど妹溺愛していた両親のざまぁ見たかった…
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