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3 異世界に転生した日

 



  --パチっ------


 次に目を覚ました場所は森の中だった。

 不運で転生させられた事を思い出した。


 ゆっくりと視線を動かしてみる。


 神様たちと会話をした空間では自分の身体を見る事が出来なかったが、見慣れた体と死んだ時のままブレザーを着ていた。念の為顔も確認したい。


 少し向こうに小さな川があるのが見え向かう。

 森の中は山といってもそこまで急斜面ではなく、小川まで簡単に行くことができた。


 飲めそうな程の綺麗で透き通った水だったので顔を近づけてみた。

 反射した水で顔を確認したが、ぼやけていたがかろうじて見えた顔は見慣れた自分の顔だった。


 なんだ・・この世界の顔になったりしてるのかと思った…


 残念 

 もしかして転生特典でこの世界に馴染む顔になってるのかもと期待したが何ひとつ変わったなかった。


 神に頼むべきだったか…と一瞬思ったが、見た目なら魔法で変えられるのでは?という考えに至った。


 神様に頼んだ能力どうなったのだろうか・・・魔法使えるようにしてくれたのかな?

 思い出したら試したくなった。


 何せ転生モノは大好物だったから魔法世界に憧れはあった。

 ただ実際に体験する事になるとは全く想像もしたなかったが・・


 何が使えるのか分からないがとりあえず試してみる。


 威力はどのくらいあるのか不安なので、とりあえず近くに落ちていたバケツに、水を入れることが出来るのか試した。


 これって唱えるものなのか…イメージするものなのか?

 分からないがバケツいっぱいに水が一気に入るように強くイメージした。


 ドバっ--


 念の為唱えようか迷っていたら、イメージした事でバケツに水がぎっしり入った。


 まさか・・・無詠唱で魔法使えるの?

 便利だなと思いつつも、これは考えなしにイメージしたら恐ろしい事になるのでは…?


 例えばただ想像しただけで、実際に使おうと思ってなかった魔法が発動されれば一大事にもなる。


 その後もいくつか試してみる事にする。


 分かったことは考えているだけでは魔法は発動しなかった。

 魔法を発動しようという意思が無ければロックが掛かって発動しなかった。


 その結果にホッとした。



 これからどうしようか考え周りを少し散策する事にする。

 よく分からないが勝手に身体が赴く方向に歩き出すことにした。


 下って少し歩いたところに、一軒の家が建っていた。

 誰かいるのではないかと期待してる思い、玄関らしき場所の前まで歩いた。


 玄関に何か貼り紙がしてあった。

 人の家だからいけないと思いつつも、何か情報が得られるかもと敷地に入らせてもらい貼り紙を見た。


 《そなたにプレゼントだ。ラージアルより》


 どうやら神様からプレゼントされた私の家らしい。

 確かにしっかり見てみるとどこか私の日本の家に似ている気がした。


 神からのホームシック対策プレゼントなのだろうか……?

 似ている家を貰ったら余計にホームシックになるのでは? 

 まあ家がないのは困るので、有り難くいただく事にした。



 玄関を開けて家の中に入る。

 家が全く一緒というわけではないが日本によく有るタイプの家だ。


 玄関ホールで靴を脱いで部屋に入って行くと、一階はリビングダイニング、キッチン、ウォシュレット付き水洗トイレ、独立洗面台に浴室乾燥機付きのお風呂、そして畳の部屋があった。


 ニ階も見て回ると主寝室とみられるクローゼット付きの部屋と6畳程の洋室が2部屋あった。

 4LDKといった間取りだ。


 何もないリビングで、1人で住むには豪華すぎる家と何もない家具をどうしようか考える。


 すると、何処からかメモ用紙が落ちてきた。


 《いい忘れておった、欲しいものを想像してみなさい。地球の物が手に入るだろう。回数制限もないからどこでも好きなだけ使うといい》


 これがホームシック対策の能力なのか?しかも回数制限もないとか錬金術みたいなチートだなー。

 呑気に考えながら有難い能力にワクワクしていた。


 17歳で両親と兄弟と実家暮らしをしていた莉音は1人暮らしをしたこともない。

 自由にレイアウトできる事に喜んだ。


 まずはリビングからだよなあ…L字型の大きいソファを置きたいし、ローテーブルを置いて壁にはエアコンとテレビを……いやテレビって置けてもきっと付かないのでは…?まあいいや、それにカーテンも必須かな?


 何となく頭の中で置きたい物とデザインとレイアウトをイメージした。

 そこから魔法を使う時のように、ロックを解除して一つずつイメージしていく。

 ポンポンとイメージした物たちが部屋に突如出現した。


 うわ…本当に地球の物だ……


 望んだ能力でもあり有難い能力でもあるが、本当にチート過ぎて一瞬怯んだ。


 突然出現したのはいいけど、テレビの位置が微妙で変えたい。

 勿論持てるはずも無いしどうしようかな?


 転生モノで見た事がある収納魔法を使えないかな?

 テレビに向かって収納魔法をイメージしながら手を伸ばした。


 すると見事そこにあったテレビは一瞬で消えた。

 次はちゃんとテレビ台を用意して、置きたいところにイメージしながら手を伸ばしたら同じテレビが出てきた。

 簡単に収納魔法(アイテム袋)を習得できた。


 その後、全ての部屋にとりあえず必要な物を揃えて置いた。


 外に出た時に思ったがこの地域も夏らしい、暑かったので早速エアコンを付けた。

 電気が通っていなさそうな世界だから、こっちの世界で使えるのか心配だったが、しっかりと稼働した。


 どう動かしているんだろうと謎に思ったが、神からのプレゼント《チート》なので考えるのをやめた。

 ただテレビは電源は点くものの何も流れない。

 これは置物と決定した。


 ひと通り部屋の中の事が片付いたので庭に出た。

 一応少し広めの庭を囲う柵があるが、魔物もいるかもしれないので敷地ごと魔法でバリアをつけておきたい。


 魔法はイメージする事で使えるから、敷地を覆う私と私の許可した人以外が勝手に入れない強固なガラスドームをイメージしてバリアと心の中で唱えた。


 成功したか不安だったが、鳥がぶつかったのを見て安心した。


 庭は手入れされておらず草も生え放題だったが、既に暗くなっていたので後日綺麗にする事にした。


 再び自宅に入り、減るお腹をどうするべきか考えていた。


 さっき貰った神様からの手紙に書かれていた″地球の物が手に入る″ということを思い出し、何となくメロンパンを入手できるようにイメージしてみた。

 すると、何と食べられる本物のメロンパンが現れた。

 ちゃんと食べ物にも有効みたい。


 いろんな事があり過ぎて、疲れからかそのままリビングで寝てしまっていた。








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