1章12話 正しい魔法の使い方?
予定よりだいぶ遅い更新になってしまいすみません。
アランの魔法が終え、グミーラは素直な感想を述べた。
「ランドルフから聞いてはいたが、既にここまでできるとはね」
「そんなにすごいことなの?」
「簡単な魔法ならできる人もいるが、それらはみんな熟練の魔法使いで魔力制御に長けた人達だ。アランのように魔法を覚えてすぐの子ができることではないよ」
それを聞き、アランは冷や汗が出るのを感じた。
四属性全ての魔法適性があることですら既に多くの厄介ごとがあるだろうに、そこに魔力制御も熟練の人達とかわらない。
もしバレるようなことになれば確実に国にいいように使われるのは誰が見ても明白だろう。
その事実にアランは思わず顔を青くした。
グミーラもアランが何を考えているのかすぐにわかった。
「確かにバレたらいいように使われるだろうね。でもそれは今のままならの話」
「えっ?」
「要は強くなればいいんさ。私のようにね」
グミーラはアランの目線の位置まで腰を下げ、優しく声をかけながらアランの頭の上に手を乗せた。
「自分の言うのはなんだけど、こう見えて私は強いし、属性適性も3つある。でもこうして自由にあちこち行けているのは交渉する余地があったからだよ」
「交渉?」
「そう、交渉。もしも国に何かあった時は力になるが、それ以外の時は自由にさせてほしいって交渉したのよ」
そう言うグミーラの顔を酷く寂しげだった。
「国や貴族ってのはどうゆうのに恐れるか、アラン君はわかる?」
「…………権力?」
考えた末、アランはそう答えた。
「半分正解かな」
アランの答えにグミーラは少し笑顔になりながらアランの頭に乗せていた手をゆっくりと動かし、アランを撫でた。
「答えは力だよ。物理的な力やさっき言っていた権力などね。確かに自分達よりも強大な力に恐れるのは仕方のないことかもしれない。でもだからこそ交渉する余地がある」
「つまり国や貴族の人達が制御できないほど強力だが、害はなく協力できる存在になればいいってこと?」
「そうゆうことだね。もちろんその為には力だけでなくあちこち根回しをするコネや臨機応変に対応できる頭の良さと柔らかさも必要だけどね」
グミーラはここで一度言葉を区切るが、すぐに続きを話した。
そしてこの声は今までで一番明るく元気のある声だった。
「でもその感じだとアラン君は臨機応変に立ち回れそうだし、コネも作れそうだから心配はないさそうだ。となると後はいっぱい魔法を覚えて強くならなきゃ。自分の未来を掴み取るためにもね」
「はい!!」
「いい返事だ。よし続きをしようか」
グミーラはアランの頭に乗せていた手をどけ立ち上がった。
「さて属性魔法なんだけど、これも無属性魔法と変わらない。ってより本来は属性魔法が使えるようになってから余裕のある人が無属性魔法を練習するんだけどね」
その言葉にアランは苦笑いするしかなかった。
「基本の発動は同じで、頭でイメージして詠唱を行い、魔力を変換させて発動する。ね、一緒でしょ」
「それはそうなんだけど……」
アランは早く属性魔法を早く使えるようになりたく。書斎で魔法関連の本を沢山読み魔法について理解を深めようとした。
結果魔法について理解を深めことはでき、ライトなどの既存に仕えていた魔法が更に使いやすくなった。
しかし、それと同時に魔法の練習する上での失敗した時のデメリットも多く理解してしまい、新しく魔法を練習するのに躊躇いも感じていた。
その考えにグミーラは気が付いた。
まだ少ししかアランと話はしていないが、それだけでもわかるほどアランは物分かりと理解力がある子だとグミーラは感じていた。
それ故に事前に魔法のメリットデメリットも理解して躊躇っているのだろうと考えた。
「なるほど、アラン君は怖いのね」
「そ、そんなことは……」
「ふふ、いいのよ無理しなくて。怖いのは別に悪いことじゃないんだもの。むしろ未知の事や経験を平気でできるほうが異常よ。でも経験してみないとわからないこともある。もし失敗して魔法が暴走しても大丈夫、なんていってもこの場には私がいるのだからね」
グミーラのその自信に満ち溢れた様子にアランは茫然としたが、徐々に安心感も感じられるようになった。
「わかりました。やってみます」
そう言い。アランは目を閉じて集中した。
最初に魔法を使用した時、そして本に書いてあった絵や説明を考えた。
そしてしっかりとイメージができた後、イメージに沿うように体内の魔力を注ぐこんだ。
魔力が注ぎ込めたのがわかり、一息ついた後に魔法を発動させた。
魔法はいつも無属性魔法を使用する時と同じようにすんなりとできた。
初級魔法でお手本通り、バスケットボール程度の大きさの水の塊がアランの前に現れた。
最初に森で使った時と全く変わらないが、最初に魔法が使えた時のように嬉しさが込み上げてきた。
嬉しそうに自分が発動させた魔法を見ているアランを、グミーラは微笑ましく感じるのと同時に、自分には久しく忘れていた輝きのようなものも感じ取れた。
ご視聴ありがとうございました。
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