14話 同年代の仲間
地平の世界 宮居区
下級一族が多く住む区で治安もよくない。そんな場所に凛太郎は到着した。何か泥棒されると思い警戒していたが、服装がここ宮居区の住人が見ても貧しく見え絡まれることはなく目的地の闘技場にたどり着いた。古いのか黒くなった木製のリングである。
「着いたな。手紙にかいてある場所はここだな。闘技場に呼んで何するきなんだ。しかし、賑わってる闘技場だな」
見渡しているとポスターが張ってあり、暇だから近づき読んでみる凛太郎。
「何々、今年もやるぞ。上級一族に負けるな、ここから這い上がれ子供たちよ。一攫千金……」
読んでいる途中に後ろから凛太郎の名前を呼ぶ声がした。聞いたことのない声だったので凛太郎は不信に思ったがすぐに佐渡豊だと思った。
「凛太郎さんですよね。僕は佐渡豊と言います」
明るい豊に凛太郎は好感をもった。何よりさん付けで呼ばれたことは初めてで照れ臭かった。
「ああ、そうだ。俺は凛太郎という。天上の世界、師団長兎角ミヤビの代わりに来たよ」
伊岐一族だとは言わないように、そして天上の世界の師団長兎角ミヤビの代わりに来たことを伝えるようにと言われていた。
「本物なんですね。あそこのベンチで話をしましょう。ここに連れてきた理由を話します」
二人はベンチに座り豊がここで行われる大会についてと自分の目的を話し始めた。
「まずは僕がなぜ一族を抜けたいかというと佐渡一族を愛しているからなんです。佐渡一族は自らの命を投げてでも月一族に対して攻撃するんです。その精神を認められて人数が少ないながらも反月一族のトップとして君臨していました。しかし、今はもう十五人しかいないんです。今のままでは佐渡一族は僕の代で終わりになると思います。だから僕は一族を抜け、新たな佐渡一族を作りたいんです。命を大切にする一族を」
「お前は正しいよ。一族を変わらせたいという気持ちは俺にもあったからな」
「天上の世界の一族の人もですか?」
「ま、まあな。理由は分かったからここで行われる大会ってのはなんだ?」
変なことを言ってツッコまれないようにしようと話を進めた。
「大会はですね、不定期に行われる十八歳の以下の子供が参加できる大会なんです。賞金も百万でて、この地区周辺の子供はたくさん参加するんですよ」
「確かに俺と同年代の奴等がいっぱいいるな。100人くらいか」
「これでも少ないほうだと聞きましたよ。はじめの頃は五百人くらいいたそうです」
「ふーん」
「凛太郎さんそろそろ受付を済ませましょう。それと体を少し動かしておいた方がいいですよ。はじめから戦いですから。あと大会が始まったら話しかけないでください。他人のフリをしてください」
「あぁ、分かった(なんでだ?)」
その後、凛太郎と豊は受付を済ませ各々体を動かしているとリングに進行役の男がマイクを使わず大きな声で話し始めた。
「少年、少女の諸君!今回も参加してくれてありがとう。まずは主催者にである真木東四郎会長の御話しがあります。
牧東四郎が葉巻をふかせながら大きく脂肪の多い体を揺らしながら壇上に上がる。
「では、諸君!おはよう」
子供たちは牧の挨拶に大きく返事をする。その目はキラキラしており尊敬の眼差しでもあった。
「今年もこの大会に参加さてくれてありがとう。私も昔は貧しい下級一族に生まれた。そんな私は今では中級一族の族長になり、もうすぐ上級一族の仲間入りできる。そんなことができたのもお金と魔法の力だどっちかだけでもない、両方必要だ。だから、私は強さのある、若者にお金を与えてチャンスをやろうとこの大会を開催したんだ。みな、頑張ってチャンスを掴み取り上級一族になろうではないか!」
子供たちは拍手をしている。豊も大きく拍手をしているので凛太郎もマネをして拍手した。
「ありがとうございました。では、第一ゲームのルール説明をしちゃうよ!第一ゲームは五つのグループに別れて行う闘技場サバイバルゲームだ。ルールはグループの中で最後に残っていた魔法使いが次の第二ゲームに進める。早速、Aグループの戦いを始めるよ。君たち受付で紙を貰っただろそれがグループだ。確認してくれ」
凛太郎は確認するとEグループ。豊はAグループだった。豊は確認するとすぐにリングに上がり、他の
子供たちもリングに上がっていきザワザワと会場がしはじめた。
「さぁー!始まるAグループ。誰が生き残るのか!開始!」
戦いが始まる。皆が杖を使い魔法で戦っている中で豊は中央に立っている。
凛太郎は「何やってんだあいつ。じっと戦いをみて、戦いたくないのか」と思っていたやさき、一人の体格のいい少年が豊に気づき杖を振り上げながら近づいてくる。
「おらー、戦う勇気もないやつがリングに上がってんじゃねー」
フルスイングした杖を豊の頭めがけて振り下ろす。
しかし、右腕を出しそのまま受け止めた。驚いてる少年に豊は眼差しを向ける。
「こんなものか」
言われた少年の顔は青ざめていて、戦意を消失したのか自分からリングに降りて倒れた。係員が確認すると少年は息はあるが口から血を流していた。
「どうしたんだあいつ」と凛太郎は心配して少年を見ていたらリング場で大きな声が聞こえ目を向けると
声の主は豊で全員が豊を見ていた。豊はそれを確認すると発言する。
「もう面倒臭いから全員で掛かってきなよ」
豊は全身に魔力を溜めながら挑発した。その言葉にリングに残っている三十人弱の参加者は中央にいる豊めがけて攻撃をしかける。
「ごめんよみんな。すぐに終わらせる」
豊は少し膝を曲げ、腕を平行に広げ、手の平を向かってくる参加者に向ける。
「衝円弾」
豊の回りから衝撃の円がリングに広がっていき、Aグループ全員がリングアウトした。
「しゅ、瞬殺―!今まで目立っていなかった少年が一気に倒したー!」
周りがざわめいている。
「彼は…、エントリーナンバー9豊選手十六歳だー!」
ざわつきが少し残ってるなか、すぐにグループBが開始された。
「このグループ最強は俺だ―!」
筋肉隆々の少年が素打ちをしながら言う。周りも強そうな少年に戦意を喪失しかけていた。だか、一人の水色髪の少女が少年に近づき話しかけた。
「なら私と戦ってよ」
「女子か。相手になんねえぜ」
鼻で笑う少年だか素早く動き、顔面にパンチをしかける。
「俺は女でも関係なく殴るぜ」
少女は動けないのか、少年のパンチを避けることなく顔面にヒットする。誰もが少女の負けを確信したが現実は違っていた。
「効かないわよ」
少女の顔からは粘着性の高い水が放出されていて、少年は空振ようにその場に膝をついた。手に着いた粘着性の高い水を触るな少年
「なんなんだこのぬるぬるは。水かいや毒か」
「安心しなさい、毒ではないわよ。私の生まれた町ではね、ローションってよ言われているのよ」
「ローション。気持ち悪い」
「気持ち悪い? 気持ちいいものよ、ローションは」
少年の言葉に少しイラついたのか少女は魔法を発動する。
「召喚魔法 金魚のマーメイ」
少女は人一人乗れる大きな金魚を召喚して股がる。金魚は息ができなく苦しそうにするが少女は新たに魔法を唱える。
「マーメイちゃんごめんね。すぐにこのリングを水で満タンにするから」
「水魔法 水柱」
リング全体に足元から水が溜まっていき、リングはまるで水の入ったコップの底である。少女は金魚のマーメイと楽しく泳いでいるがその他の参加者は息が続かずリング外に泳いでリングアウトしていった。最後に残ったのは少女だった。
「勝負あり、彼女の名は竜宮水奈だー。子供は知らず、大人は知っている一族でもあーる」
「ふっふー。楽しかった」
水奈は満足したようにリングを下りて行った。
二グループの戦いを観戦していた凛太郎は少し危機感を覚えて自信の戦いに備えてウォーミングアップをすることにし、リングから離れていく。
「自分も体を動かさないとな」
凛太郎が体を動かしているとアナウンスだけが聞こえ勝利者の名前が呼ばれていた。
「グループC-!勝者竹取さこ選手。なんと十五歳の女の子だ―。珍しく苗字をさらしたが私は知らない一族だ」
「俺も知らないな」
数分後
「グループD!勝者は観音正太郎選手だー。今話題の賞金稼ぎだー!」
「賞金稼ぎ?」
司会者の言葉に回りの子供は一斉にブーイングをする。そんな中、正太郎は誰に向けての拍手かはわか
らないが拍手をしながらリングをおりていった。
「名前からして坊さんか。アフロでサングラスしてるけど」
ブーイングが収まると凛太郎のグループが呼ばれ、リングに上がる。
「ついに来たか。俺もすぐに終わらせるか。前の奴らがあんなに瞬殺だったから……でもどう瞬殺しよう」
「では、最終戦……始め!」
凛太郎は攻撃を交わしながら考えるがなかなか決められなかった。その間にも参加者は減っている。
「そうだ。今の魔法は木か。このフィールドも木……」
そう言うと周りを見渡し、リングの床である木に手を当てる凛太郎
「木魔法 成長」
リングがぐらぐら揺れてリングに使われている木がものすごい勢いで上に成長していく。その勢いに他の参加者はリングアウトしてった。
「勝者は凛太郎選手!後で木を切っといてね。では、勝ち残った五人の皆さんにはホテルに泊まって明日の最終戦に挑んでもらいます。カギを渡しますので私のところに集まってください」
凛太郎はカギをもらい豊に言われた通り誰にも話しかけずにホテルに向かった。




