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告白

結局一睡も出来なかった…幼馴染1人泊めただけでこんなに生活って変わるもんなんだな…


時刻は朝の7:30もうそろそろ大学に向かわなきゃ行けない時間なのだが。


「身体怠くて行くにならねーや…1日ぐらい休んでも問題ねーよな」


俺は身体の怠さから休むことを決めた。一睡もしてない身体で講義なんて受けたくねーもん。別にそんな単位も危ないわけじゃないし。さやかには一応声かけとくか。


「すぅ…すぅ…」


ほんとよく寝れるよなあんな後で…


「さやか起きて。もう7:30だよ」


返事がない。完全に爆睡しているようだ。


「さやか!朝!大学遅れんぞ!」


「え、あーもうそんな時間なの…いいや今日休む…おやすみ…zzz」


「おい嘘だろ!」


「……」


完全に二度寝を決め込んだようだった。これじゃ何も問題が解決していない…


ダメだ。身体は明らかに眠いのに意識しちゃってるせいで全く眠れない。


「おい起きてくれよー!俺が寝れないんだって!」


「……」


「悪いなさやか。お前には起きて家から帰ってもらうしかないんだ…許せ」


俺はさやかを叩き起すことを決めた。


「起きろってんだよぉ!!!」


「え、ちょっとなになに!!」


思いっきり体をゆすって俺はさやかを起こした。これは決してセクハラじゃないからな。


「悪いんだけど帰ってくれ…俺昨日一睡も出来てないんだよ…」


「え?なんで?」


なんで?って返すか普通?そりゃあんな事あった後で寝れるかよ。天然にもほどがあるぞ。


「なんでって言われても…ちょっと考えればわかると思うんだけど」


「?」


頭にクエスチョンマーク出すんじゃねーよ。お前から見たらただの幼馴染だけどこっちから見たらそうは言えないんだよ。別に好きとかではないけどなんか意識するっていうか…あぁ!朝からペース崩れるわほんと。


「だからその…意識して寝れねーんだよ。あんま言わせないでくれ」


それを言った瞬間顔を真っ赤にしてあたふたしていた。そしてさやかの口から出た言葉は。


「それって…告白…?」


はぁ!?何言ってんだこいつ。仮に俺がお前の事好きだとして告白するにしてもそんな遠わましの言い方しねーよ。


「いや、ただ異性が泊まってるってだけで変に意識しちゃってるだけでそういうのじゃないよ」


「は?なにそれ!もういい知らない!恭介のバカ!私寝るから!」


「おい!ちょっと待てよ!」


「うるさい!」


俺の睡眠時間……さやかは俺のベッドにタオルケットを頭から包んで籠城を決め込んだようだった…


「はぁ…言い方が悪かったのかなぁ」


どうしようかと考えていた時だった。


ピンポーン、ピンポーン。


「ん?誰だこんな朝早くから、はい、加藤ですが?」


「あ、恭介君?まどかだけど中入れてもらってもいい?あ、ごめんもしかしてお楽しみ中だった?それなら私帰るね」


「何もしてないのでどうぞお入りください」


俺は食い気味にまどかさんに言い返した。っていうかいったい何のようなんだこんな朝早くから。


「お邪魔します。ってさやかは何してんの…」


「うるさい、話しかけないで。ってか帰って何しに来たのよ」


タオルケットの妖精みたいになってるさやかがまどかさんに話しかけていた。いつまでそうしてるつもりだよ…


「恭介君なんでさやかはこんなことになってるの?もしかして強引に迫ったとか…恭介君も男の子だもんね…」


ほんとこの人の頭の中はそれしかないのか…後半部分を流して俺はまどかさんへこうなった訳を伝えた。


「あぁ、そりゃ恭介君が悪いや…なんでこうなってるか分かってないでしょ?」


「何か言い方が悪かったのかなとは思ってるんですけど…」


「さやか、あんたもいつまでもそうしてると私の口から話しちゃうよ。いい加減出てきなさい」


「わかったよ…」


渋々といった感じでさやかはタオルケットから顔を出した。


「ごめんな、さやか。俺の言い方が悪かったみたいで。その、俺バカだからさ、どこが悪かったかとかわからなくて…こんな事でさやかに嫌われたくないし」


「別に、恭介がそういうやつだって言うのは小学生の頃から知ってるし。じゃあ聞くけど嫌われたくないって言ってるけど恭介は私の事好きなの?」


「そりゃ好きだよ。小学生の頃からずっと仲良くやっててきたつもりだし昨日だって俺の気持ち悪い趣味とか知っても変わらず接してくれただろ?なかなかいないと思うんだよそんな友達。いくら幼馴染だって相手の嫌な所とか見えてくるし嫌われてもおかしくないなかで笑いに変えてくれたしな」


「恭介君変わったね、前までこんなにはっきり物事言える子じゃなかったよ」


「確かに言うタイプじゃないですけど今はそんなことより大切なことかなって思ったんで」


さやかに嫌われたくない。これだけは本当に変わらない気持ちだった。小学生の頃からあまり人付き合いが得意じゃない俺にいつも話しかけてくれたのはさやかだった。ただ家が近いからって理由なだけなのに俺が無視しても何回も何回も話しかけてくれてたよねそういえば。やっと俺が話せるようになったのはいつだったけかな。気付けば中学、高校、大学と同じ学校に進学して喧嘩もしたけど今では親友って呼べる関係になったと思う。


「私も恭介の事は好きだよ。でも恭介の好きと私の好きはちょっと違うんだよね」


「え?それってどういう」


「ほんと鈍い。まどかねぇどうしようかこいつ」


「ふふ、恭介君らしいったら恭介君らしいけど行動で示しちゃいなよ。私あっち見てるから」


「イライラしてきたからもういいや。この際ちゃんとわからせてあげる。恭介こっち来て」


「お、おう」


「私の好きはこういうことなの!」


っ!!!


何が起こったか一瞬わけがわからなくなり頭がフリーズした。さやかが突然俺の唇に唇を重ねてきたのだった。


「わかった?」


「う、うん…」


「んで、恭介君どうするの?さやかはちゃんと気持ち伝えたよ?」


俺の気持ち……確かにさやかの事は好きだ。でも恋愛的に見たことは無かった。でもさやかが藤堂さやかだと分かってからずっとさやかを意識していたのも事実だ。でもそれが恋かどうかは俺にはわからなかった。どう返事をすればいいかわからなくて思っていることをそのまま伝えた。


「正直俺は今までさやかを恋愛的に見たことは1度もなかったんだ。でもさやかが藤堂さやかってわかってからずっとドキドキしっぱなしだったんだよね。講義の時もそうだし今日1日泊まった時も意識しすぎて寝れなかった。これが恋なのなはわからないんだ俺には…曖昧な返事になって本当にごめん。時間を貰えないかな?」


「やだ。もう私小学生の時から何年待ったと思ってるのよ。返事保留にして結局そのまま幼馴染から進展しさなそうなんだもん」


「……言い返す言葉もないや」


「まぁまぁそんな焦らないでさやか。恭介君も貴方を大事に思ってるからこその選択だと思うの。私から1つ提案があるんだけれど言ってもいい?」


「俺は構いませんが」


「なに提案って?」


「とりあえずお試しで付き合ってみたらどう?2人で出かけたりしてみたり、手を繋いでみたりしたら恭介君の答えも自ずと出るんじゃないかな?」


「お試しで付き合うですか…確かに俺にはそのぐらいやらなきゃダメかもですね。さやかがそれでいいならお願いします」


「まぁ…恭介だから仕方ないか…じゃあお試しとはいえど恭介から言ってほしいな。俺と付き合ってくれって。そのぐらいしてくれてもいいよね?」


「わかった…さやか。お前の事が好きだ。付き合ってくれないか?」


「うん!私も好きだよ!これから宜しくね!」


さやかの顔は今までに見たこともないぐらい綺麗な笑顔をしていた。

第1章完結となります!これから物語は第2章に入っていきますので読んでいただければ幸いです。第2章はさやかが恭介に猛アタックを仕掛けていくと思いますので笑

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