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エピローグ ドSとドM

遅くなりました。最終回になります。

『お風呂が沸きました!お風呂が沸きました!』


あぁついにこの時が来てしまった……結局答えが出ずさやかの強攻策とも言える行動に断る事も出来ずアパートの狭い風呂に2人なんて死ぬに決まってる。ちなみにまどかさんに相談したらもう恭介くんの心の中は決まってるんじゃない?って言われたけどわからないんだよ……一緒にいたらドキドキしたりはするよ。でもそれは美少女といたらドキドキするんじゃね?って思ってしまうしそれが恋愛なのかはもうわからないんだよ。


「何考えてるの?すんごい顔が怖いけど」


「いや、なんでもないよ。それよりお風呂沸いたけど」


「先入ってていいよ、私準備あるから」


「ん、わかった」


準備?なんか女の子は準備とかあるんかな?知らんけど。


俺は覚悟を決めて風呂場へと向かった。ここでちゃんと答えを出すんだ。これ以上迷惑かけてたまるか。


脱衣場で服を脱ぎ俺はさやかが入ってくるのを待った。


それにしても……さやかの家の浴室と比べるとちっせぇなぁほんと……まぁ一軒家とボロアパート比べるのもあれなんだけどさ。


「お待たせ!」


数分後バスタオルに身体を包んださやかが合流した。


もうその姿を見ただけで俺はクラっと来てしまった。バスタオルから伸びるすらっとした足に目を奪われていた時だった。


「せまくない……?」


「だから2人で入れるような浴室じゃないって行ったのに……1人足伸ばして入ったら満帆なんだよ」


「まぁいいや、失礼します!」


「は!?いやいや無理だって!」


「丸くなれば入れるでしょ!ほら早く」


「わーったよ……」


言われるままに俺は浴槽の中で膝を抱えて丸くなった。一人暮らし初めてこんなに窮屈な風呂は初めてだよ……


「バスタオル脱ぐからそっち向いてて」


「うん……」


心臓が爆発しそうなぐらい音を立てているのが自分でも分かった。


「いいよ……こっち見て」


「おう……は?」


そこには何故かスクール水着に身を包んださやかがいた。いやもうスクール水着はきついんじゃないですかね……


「裸で入るわけないでしょ。どう?似合う?」


「もうきつい「に、あ、う?」


きついって言おうとしたところでさやかの蹴りが肩に入って話をバッサリと切られてしまった。


ってかその角度で蹴られるとその……すんごい恥ずかしい角度なんだけど……どうしても股に視線が言ってしまうわけで……


「ちょっと!どこ見てんのよ!」


「不可抗力だって!いいから入れよ」


「まぁいいけど……」


さやかが浴槽に入り向かい合う形になる。なんなんだろほんとにこのシュチュエーション……


「2人でゆっくりお風呂に入るのなんてほんとに久しぶりだね」


沈黙を嫌ったのかさやかが口を開いた。


「そーだね、あの時はお互いほんとになんとも意識してなかったし大分やんちゃもしてたなそーいや」


「ふふ、それが今じゃドMになるなんて世の中わかんないね」


「お前もドSの女王様演じてるなんて思わねーだろーよ」


「それもそっか」


……………


話が続かねぇ……こういう時ほんとにコミュ力があったらって何度思ったかわからない……


「さやか、そろそろのぼせそうだし俺髪とか洗うね」


「あ、うん!じゃあ背中流すよ恭介」


「え?」


その返しは予想してなかったわ……どうしようか……悩んでいたらさやかはいつもの強攻策に出たようだった。


「断ったら……わかるよね?」


「宜しく御願いします……」


男の威厳は本当に捨ててしまった俺はもう完全にさやかに逆らえなくなってしまっていた。情ねぇなぁほんと……


「ほら、座って座って」


さやかの楽しそうな笑顔を見て完全に断る気持ちはなくなってしまった。下心丸出しの自分が少し恥ずかしくなってしまう。水着を着てきてくれたのも多分気遣ってくれてだと思うし。俺もそういう心を捨てよう。


「痒いところはないですかー?」


「ノリノリかよ、あ、ボディーソープそこね」


「なんか楽しくなっちゃって、おけ」


さやかは体を洗う用のタオルにボディーソープをつけて丁寧に背中を洗ってくれた。


「どうよ?気持ちよかったでしょ?小さい時よくあやかの背中流してたからさ」


「気持ちよかったわ、ありがと。じゃあ後は自分でやるから」


そう言ってさやかからタオルを貰おうとしたのだが……


「いいよいいよ、前も洗ったげるから。大丈夫だよ後から洗うから見えないから」


「いやそれでも流石にね?」


「いいからいいから」


「下は自分でやるからな」


「もちろん、私をそこら辺の痴女と一緒にしないでよね」


「ごめんごめん」


っていうことで前もさやかに洗ってもらうことになってしまった……


「ふんふんふーん♪」


鼻歌交じりに肩から洗ってくれてるけど胸が当たってるんだよね……わざとじゃないと思うんだけどさ……でもそんなに近づかなくても……


「以外に胸板厚いんだ恭介って。そういやスタイルはそれなりにいいもんね」


「まぁ、太ってはいないわな」


「あ!ふふ」


「なんだよそのあ!は?」


さやかはそっと俺の横に自分の顔を持ってきて小声で……


「乳首立ってんじゃん、何考えてたの恭介」


おい、さっきの俺の誓を返してくれ。そういう心捨てたのにお前がぶり返してどうすんだよ。


「なんも考えてねーよ、気にしないでくれ」


「そ、ならいいけど……」


どうやら本当に気にしないでくれたみたいで体を洗う事を再開してくれたみたいだったのだが。


「もう胸の辺りはいいから違うところ洗ってくれない?」


さっきから右胸を洗っては左にいってまた右へいっての繰り返しで一向に腹筋やらに行かないのだ。まぁ何を考えてるかはだいたいわかるが……


「あ、ごめんごめん、もう少し洗ったらにするよ、なんか汚れ落ちてる気がしないんだよねぇ。痛かったら言ってね、少し力入れるから」


「え、うん」


汚れ落ちてるとかわかんなくねっていうツッコミはせず大人しく従った。


この時少しでも疑問を口にしておくべきだっと後悔したのはもう少し先のことだった……


「ふんふんふん♪えいっ!」


「ひっ!?おいさやか!?」


さやかは俺の胸の敏感なところを突然掴むと思いっきりつねってきた。


「ん?なーにぃ?」


「いや何じゃなくて?ちょっと待って!」


「待ちませーん、ほれほれー」


「はぅ…んん」


「まさか乳首抓られて感じてるわけじゃないよねー恭介君?」


「なわけねーだろ……」


強がっては見るもののさやかにはバレバレだった。ドMの俺が美少女にいじめられて感じないわけがなかったからだ。


「ふーん?じゃあこれならどう?」


「んーはぁ……んん!ちょっと待ってストップ!」


「何よ情けない声出しちゃって」


「わかったから!俺の気持ち分かったら聞いてくれ!」


そう言って俺はさやかに向き直って両肩をガッチリ掴んで目を合わせて話した。


「よくその格好でこっち向いたわね……まぁいいけどさ。いいわよ、ちゃんと私もそれがダメでも良くても受け止めるから」


「わかった、俺がさやかに性癖バレてからは正直きつかったよ。いきなり俺の飼い主みたいになって挙句の果てに踏んでくるなんて思いもしなかった。その時は好きとか考える余裕もなくて恥ずかしさでいっぱいいっぱいだったんだ。それでさやかから本気の告白受けてから見方が変わったんだ。最初はホントに友達としか見てなかったけど恋人同士の振りをして気が付いたことがいくつかあってさ、まず恋人同士の振りした初日学校ついて皆に囲まれた時あっただろ?そん時さやかに女子だけじゃなくて男子も行ったろ?『え!?さやかちゃん付き合ってたの!?』とかさ。その時思ったんだよね、なんだこいつらって。俺のさやかに気安く声掛けてんじゃねーよとか寄るなとかさ。多分独占欲強いんだと思う。それにさやかが俺以外の男子と話してて正直嫉妬もした。結局なんで嫉妬だとかしてたって言うとやっぱりさやかの事が友達だけじゃなくて異性としても好きなんだなって気付いたんだ。………こんな俺でよければ正式に付き合って貰えませんか?本当に返事遅れてごめんな」


「……バカ」


その一言だけ言ってさやかは俺に抱きついてきた。俺はそれを受け止め自分からも抱きしめ返した。


「ほんとごめん……こんなに馬鹿なヤツだって自分でも思わなかったよ」


「ほんとよ、まぁ許してあげる。こちらこそ宜しく御願いします。絶対逃がさないからね」


「俺だって逃げられないように頑張るよ」


「ドMのヘタレのくせにちゃんと言えるじゃない、で、この後どうするの?私達こんな格好だけど?」


挑発的な目線でこっちを見てくるさやか。分かってる、やる事はひとつだって。


「さやか様のその綺麗な足で踏んでください」


「ふふ、ほんと仕方ないやつなんだから」


この日俺達は初めて心の底からお互いの事を分かり合いそしてひとつになった……


ここまでお付き合いして下さった読者の皆様本当にありがとうございます。アフターストーリーなども不定期ですが上げていく予定なのでよかったら宜しく御願いします!

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