プロローグ
仕事の合間に書いていきます!更新は不定期ですが宜しくです!
俺の名前は加藤恭介。どこにでもいるような大学二年生だ。昼は講義に励み夕方から夜はバイトをして平凡な日々を過ごしていた。一人暮らしをしていてあまり自由にお金は使えないがそんな俺にも週1の楽しみがあってそれだけが生きがいだった。
そして今日、日曜日がその週1の楽しみの日。俺はバイトが終わると急いで自宅へと戻りpcの電源を入れた。
「はぁ、危ねぇ間に合った」
俺が毎回楽しみにしていることとは最近流行りのバーチャルYouTuberだった。有名な所を言うとキズナラブとかミライクライと言う人がテレビでも取り上げられるぐらいに人気になっていた。でも俺が好きになったバーチャルYouTuberは藤堂さやかというバーチャルYouTuber。俺には誰にも言えない秘密がある。それは極度なマゾという事。この性癖に気付いたのは中学生の時に幼馴染の風美さやかと喧嘩した時に罵られるたびに喧嘩中だというのに自然に笑がこぼれなんで笑ってんのきもい!って言われて更に体が性的興奮を覚え絶望した。今ではさやかとは仲が良いが喧嘩した後の1週間ぐらいは口聞いて貰えなかったけ、、、
これまでの話でわかって貰えたかも思うが藤堂さやかというバーチャルYouTuberはドSの女王と呼ばれそういう属性持ちの人にはたまらなくヒットするYouTuberってことだ。ネコネコ動画の生放送ではコメント欄が見事に罵られるたびにありがとうございます!や我々の業界ではご褒美です。みたいなコメントで埋まる。藤堂さやか、通称さやか様は外見は黒髪ロングでスレンダーな体型をしている。格好は黒ニーソに制服というフェチ心をくすぐる格好をしている。
『おら!童貞共私が来てやったぞ!』
生放送が始まった。
あぁさやか様今日もお美しいです、、、俺は毎回さやか様を見る度幸せになれる様な感覚に陥るほどハマってしまっていた。
『ほんとあんたら気持ち悪いわね。物欲しそうな目をしている童貞共にいい物を上げるわ!ほら私の生足よ!好きにするといいわ!』
俺は欲望のままに画面越しだが限界まで顔を近づけた。
『はいそこまで!あんた達の臭い息が画面越しに伝わってきて超気持ち悪かったわ!じゃあこれから恒例となった女王様への忠誠タイムよ。ほらコメント欄に己の欲望を書きなさい』
女王様への忠誠タイムとはさやか様にして欲しいことをコメント欄に書くことでさやか様の気分次第でそれをやってくれるというものだった。これまでに5.6回俺は同じことを書いているが1度も見られたことがなく今回こそはと無駄に鍛えたタイピングで文章を打ち込んだ。
「さやか様の目覚ましボイスが欲しいです」
そう、俺は朝に弱い。だからさやか様の声で罵って貰えたら気持ちよく起きれるんじゃないかなと思いこの文書を送った。
『そうねぇ、、、ん!これぐらいならやってあげるわ喜びなさい!えっと、目覚ましボイスが欲しいですって事ね。それぐらいならしてあげるわ!』
「うぉっしゃー!!!!マジで!やったぁ!!!」
俺はパソコンの前で人生で1番嬉しかったっていうぐらい喜んだ。
『おはようクソ童貞!はぁ!?まだ寝てんの!早く起きなきゃその汚い顔踏みつけるわよ!こんなんでいいかしら?じゃあ今日はこの辺で失礼するわね!またLIVE来てちょうだいね下僕共!』
おはようクソ童貞、おはようクソ童貞、、、
あぁ!最高すぎるだろ!これで毎朝気持ちよく起きれる!あぁでも寝てたらあの綺麗な足で踏みつけてもらえるのか、、、ってそれじゃ何一つ変わってねーじゃねーかそれじゃ!と、とにかく今のボイスを切り取って携帯のアラームにセットっと。よし!これでおっけー!もう夜遅いし寝ちゃおっと。
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はぁ、、、ほんとに気持ち悪い。なんで罵られることに興奮するのかマジで私には分からない。まぁこんな生放送で勝手に広告とかしてくれるんだから楽な商売よね。はぁ、明日に備えてもう寝ちゃお。明日はまた違うさやかに戻らなきゃだしね。
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『おはようクソ童貞!はぁ!?まだ寝てんの!早く起きなきゃその汚い顔踏みつけるわよ!おはようクソ童貞!はぁ!?まだ寝てんの!早く起きなきゃその汚い顔踏みつけるわよ!』
はぁ、どうぞその綺麗な足で私目の顔をを踏みつけて下さい!じゃなくて!
夢の世界から現実世界へと戻ると直ぐにアラームを止めた。
「やべぇ、、、毎朝眠気でだるかったのが嘘みたいに体が軽い、、、さやか様ありがとうございます」
すぐに朝飯を食べ制服に着替えるとチャイムが鳴った。
ピンポーン!ピンポーン!
「はい、加藤ですが」
「加藤ですがじゃないわよ!集合時間過ぎてるわよ!」
「あ、ごめん今出るとこ!」
俺はすぐに靴を履き玄関の前で待っている幼馴染に詫びを入れた。
「ごめん!ちょい遅れた!」
「もー!まぁいいや!じゃあ行こ!」
風美さやか。俺が幼稚園からの友達。俗に言う幼馴染ってやつだ。俺と違って友達も多く容姿端麗で大学のミスコンに去年出て優勝しているほどだった。大学内じゃ俺とさやかが付き合っているとか言われてるけどとんでもない。こいつに友達感情はあっても今まで恋愛面で見たことなんて1度もない。その勘違いで何回先輩に呼び出されたことやら、、、
「あ!家に携帯忘れちゃった!あやかに届けてもらお!携帯貸してもらってもいい?」
「ったくしゃーねーな。はいよ」
そう。ここで携帯を渡していなかったらと何度思ったか分からない。ここで携帯を渡したことで俺の人生が180°変わるなんてこの時は思いもしなかった。
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