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契約
ぼんやりとした光が見える。
ギシッ、ギシッ、ギシッ。
大きなベットの上で愛しあうふたり。
部屋の中は、とてもシンプルで、
壁に何か飾るわけでもなく、
かわいい置物があるわけでもなく、
ただ、日常を送るために必要と思われるものだけが、義務のように置かれているだけ。
あはははは。
愛しあうふたり?
まぁ、今、
行っている行為だけを見たならそうかもね。
ある程度の大人の男と女が、
ふたりきりになったとき、
これくらいしかやることないでしょ。
ただ、身体が触れあうだけ。
何の意味もありはしない。
なぜ、こんな行為を人は重要視するんだろ。
これは、たんなる義務。
お互いの契約。
あんあん言ってりゃいいんでしょ。
確かマンガでやっていた。
上目遣いにあなたを見て、
猫みたいにじゃれればいいだけ。
退屈な行為だけれど、
これをやらなきゃ『家』が無くなる。
貴方は、ワタシに『家』をくれた。
そのお礼にワタシは演じる。