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虚空  作者: Nagare〆
序章
2/7

契約

ぼんやりとした光が見える。


ギシッ、ギシッ、ギシッ。


大きなベットの上で愛しあうふたり。



部屋の中は、とてもシンプルで、

壁に何か飾るわけでもなく、

かわいい置物があるわけでもなく、

ただ、日常を送るために必要と思われるものだけが、義務のように置かれているだけ。


あはははは。


愛しあうふたり?


まぁ、今、

行っている行為だけを見たならそうかもね。


ある程度の大人の男と女が、

ふたりきりになったとき、

これくらいしかやることないでしょ。


ただ、身体が触れあうだけ。

何の意味もありはしない。


なぜ、こんな行為を人は重要視するんだろ。


これは、たんなる義務。


お互いの契約。


あんあん言ってりゃいいんでしょ。


確かマンガでやっていた。


上目遣いにあなたを見て、

猫みたいにじゃれればいいだけ。


退屈な行為だけれど、

これをやらなきゃ『家』が無くなる。


貴方は、ワタシに『家』をくれた。


そのお礼にワタシは演じる。











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