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虚空  作者: Nagare〆
序章
1/7

はじまる時

ここは何処?


真っ暗で何も見えない。

体が宙を浮かんでいるような。。。

水の中で泳いでいるような。。。


ふわふわした感じ。



怖いよ。


ひとりぼっちは怖いよ。



ねぇ、誰かいないの?

ここには、私、一人だけ?



誰の姿も見えなくて。。。

人だけじゃない、私以外のもの全ての姿が見えなくて。

もしかしたら、

『ワタシ』の存在すらここには無いのかもしれなくて。



コワイ、こわい、怖いよ。

ねぇ、誰か返事をして。


こんなに大声で叫んでいるのに、

。。。本当に大声って出ているの?

ワタシの声ってどんな声?



ああ、ここには『私』ひとり。

なにひとつ、確かめることすらできない。

真っ暗な闇の中。

何処にいるのかわからない。


ただ、暗闇の中をウロウロするしかできなくて、

でも、歩いている実感すら全くなくて。


地面が本当にあるのかさえわからなくて。



ねぇ、誰か返事をして。


ねぇ、誰か『私』を呼んで。



こわい、怖いよ、誰か助けて。


この闇の中から私を見つけて。










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