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大晦日のお買い物

 明けましておめでとうございます。


 皆様のお陰で大晦日に10000PV突破出来ました。\(^^)/

 自分の中で一つの目標だったので、とっても嬉しいです。

 書き出した当初は一年くらいかかるかなぁと思ってましたので、ホンとに読んでくださってる皆様に感謝です。(*´∀人)

 これからも頑張って書きますのでどうぞよろしくお願いします。 

 ピピピピ・・・ピピピピ・・・


 12月31日大晦日、()()2時。


 優がかけてたアラームが鳴る。


「んー・・・ふわぁー・・・」


 ボクは目を擦りながら起き上がる。


 隣にはまだ寝息をスースー立てて寝ている優。


「ゆーうー、起きてー、時間だよー」


 ボクは優を揺すって起こす。


「んー、もうそんな時間ー?あと五分ー・・・」


 再び眠りに落ちようとする優。


「だめだよー、起きてよー市場行くんでしょー」


「あー・・・うー、チューしてくれたら起きるぅー・・・」


 ・・・・まったく朝からなんでこうなの?まあするけどさ。


「チュッ、ほら起きてよ、化粧とか用意あるでしょー」


 ちなみにボクは寝癖もつかないので、顔洗って歯を磨くくらいで、後は着替えるだけ。


「んーもっとー」


「えーもうしょうがないなぁこれで起きてよー?」


 一番用意に時間かかるのに、しょうがないなぁ・・・なんて思いながらも顔を近づけてくボク。

 あと少しで唇が触れあう距離になったとき、優がカッと目を見開き、いつの間にか布団の下から忍ばせていた右手で、ボクの事をガバチョと押さえつけ体を入れ替えた。


 ま、マウントとられた!?


「ゆ、優!?何してんの?」


「うふふふ、市場もいいけどヒカルもね!みたいな?」


 マルデ 意味ガワカラナイヨ


「いやいやいやいや、起きたなら用意しようよー市場始まっちゃうんっーむぅーーー」


 マウントをとられ、唇を塞がれたボクは、唯一自由になる足をバタつかせて抵抗するも、完全に体重をかけられて動けない。

 もちろん本気で動けば動けるんだけど、その時ははね除けられた優が天井に刺さって、面白い絵面になっちゃうこと間違いない。


「うふふふ、ちょっとだけ、ね?天井のしみ数えてる間に終わるからね?」


「ナニソレ!流行ってんの!?っていうかウチの天井染みなんて無いし!」


「野暮なこと言わないのー」


「アーーーーーーーッ」


 サヨウナラ市場、ボク美味しいお寿司が食べたかった・・・。

  

 その時だった。


 ガチャッ!バタンッ!!


「ダウトォーーーッ!!ママ!朝っぱらからヒカルちゃんに襲いかかっちゃダメッ!!」


 友里が天使に見えました。




「はぁー危なかったよ。友里が来てくれなかったらどうなってたことやら」


「うふふ、ちょっと盛り上がっちゃって・・・」


「まったく朝から油断も隙も無いんだからっ」


 優が運転する車に乗って、ボクらは一山越えた隣町にある市場を目指す。

 まあ市場って言っても通称で、ホンとは大きい鮮魚屋さんなんだけどね。

 優が職場の人に教えてもらったんだけど、ホームページで見たらお寿司や刺身がとっても美味しそうだったのと、オードブルなんかも売ってるので、お年取りにいいんじゃないかと言うことになって、買いに行くのだ。


 ちなみに大晦日の開店時間は朝の4時。


 鮮魚屋さんまでは30分位で行けるのだけど、何せ評判のお店なのでかなりの行列が出来るらしい。

 しかも先着20名様まで玉子1パック貰えるらしい。

 まぁ、玉子はおまけみたいなものなのでどっちでもいいんだけどね。

 車のナビゲーションで鮮魚屋さんの近くまで来ると、そこだけかなり明るく光っていた。


「うわぁー結構おっきいお店だねー」


「ほんとねー、まだ駐車場空いててよかったわー」


「うわーもう結構並んでる人いるよー」


「ほんとだー。あ、田島さんっぽいのいたよ?」


 駐車場に車を停めて、三人で行列に並ぶと、田島さんも気づいたらしく、娘さんを行列に残して手をブンブン振りながら近付いてくる。

 生まれ変わる前に何回か会ったことあるけど、相変わらず元気なオバチャンだなぁ。


「徳ちゃーん、おはよー。あら可愛い娘さんたちも一緒ー?」


「「「おはよーございまーす」」」


 徳ちゃんは、優の職場での呼ばれかただ。


「田島さーん早いわねー、玉子貰えるんじゃないの?」


「当たり前よぉー寝ないで来てるんだもん、毎年狙ってるしね、徳ちゃんもギリギリ貰えるんじゃない?」」


「うふふ、まあ貰えたらうれしいわねー」


 二人はしばらくおしゃべりしてるんだろうなぁー、ほっとくと二時間くらい平気でしゃべってるしね。

 まあ、まだ開店までは30分くらいあるのでいいんだけどね。

 

「ヒカルちゃん、さむいー」


 友里がピトっとくっついてくる。


「もーだからもう少し着込みなさいって言ったでしょー」


 ボクと優は長めのダウンコートでモコモコしてるのに、友里はそんなに厚くないロングコートを着てる。


「えーだってモコモコするのやだもん」


「しょうがないなぁーほら、くっついて」


 ボクはコートの前を開けると、友里を後ろから包み込んで体温を少し上げる。


「ふわーヒカルちゃんあったかーい」


「ほらーあんまりモゾモゾ動かないの」


「うへへ、薄いの着てきて正解だったね・・・」


「ん?なんか言ったー?」


「ううん、なーんでもないよー」


 ボクらがそんなことしてたら、周りの人たちからほっこりとした目で見られていた。


「我が娘たちながら、美少女のイチャコラはいいわねぇ」


「あらあらほんとねー、ウチの子もなんだか交ざりたそうにしてるわ」


 え?と思い列の少し前を見ると、田島さんの娘さんが慌てて前を向いて目を逸らす。

 なんかめっちゃ耳まで赤いけど、ボクの周りってなんで女の子好きな女子が多いんだろ?

 ちょっと日本の将来が心配になっちゃうよ。


 しばらくすると流れてたBGMが変わり、ダミ声のおじさんの声でアナウンスが流れる。


『はい、いらっしゃいませーあと三分で開店となります。本日も新鮮なお魚用意させて頂きました。量は十分に有りますので、押さないようゆっくりとお入りください。いらっしゃいませ、いらっしゃいませー』


「なんかワクワクするねー」


「そうねー、やっぱり行列って燃えるわね」


 田島さんも娘さんのとこに戻っている。


 後ろを振り返ると、列はボクらが並んだときよりも大分延びて、既に五回くらい折り返して列を成している。


「開店でーす」


 店員さんが買い物カゴを渡しながら出迎えてくれる。


 あ、田島さん玉子貰ったー、良かったねー。

 残念ながらウチまでは回ってこなかったけど、まあいっか。

 お店のなかは広くて通路も広くてお買い物しやすかったけど、どんどんと入ってくる人で、そんな通路も少しづつ手狭になってくる。


「優、カゴボクが持つからドンドン入れてー」


 優からカゴを奪って体の前後にカゴをぶら下げて、邪魔にならないようにする。

 横に持つと邪魔になっちゃうからね、それにボク力持ちだからねー。


「もう、そんなドンドン入れてなんて、帰ったら容赦しないわよ?」


「こういうとこで、そういう事言うのやめようね!?」


 そんなボクらにお構いなしに、友里が美味しそうな刺身等を一生懸命物色している。


「二人とも遊んでないでちゃんと選んでよねー」


「ひどい!ボク遊んでないよ!?」


「まぁまぁ、いいじゃないの、ほらヒカルちゃんの好きそうなうに丼あったわよ♪」


「主犯の人に慰められた!え?なにこれスゴいウニ載ってる!でもこの値段?スゴいね!!」


「ねー来て良かったわねー♪うふふ」


「うんうん、あっちのお寿司も美味しそうだよー」


 なんか上手いこと誤魔化された気もするけど・・・ウニの買って貰ったから良しとしよう、ふふー。


「ねーねー、あっちにお肉とかオードブルもあるよー」


「あら、じゃあお魚はこれくらいにして、行ってみましょ」


 ボクの持つカゴに視線を落とすと、そこにはいつの間にか、お刺身の盛り合わせやらブリの照り焼きや、ブリかまがみっちりと入っていた。

 これ男の頃のボクでも重いと思うんだけど・・・。

 周りの他のお客さんが、ボクとボクの持つカゴを交互に見ては目を丸くしている。

 まあ、普通に見たら小柄でさして力も無さそうな女の子が、こんなの持ってたらねービックリするよねー。


 お肉の方にいくと、魚の方ほどは混雑してなくて、カゴも床に下ろすくらいの余裕があった。


「なんかこっちと、あっち、人の流れが全然違うねー」


 友里も同じことを考えてたみたい。


「この辺りはお年取りと言えばブリだものね、美味しい刺身はここじゃないと買えないけど、お肉は近くのスーパーでも買えるものね」


「そうだねー、でもお肉も美味しそうだよー。あのお兄さん試食の用意してるよ。貰ってくるー」


「あーわたしもー」


 お兄さんが一生懸命ぶっといチャーシューを、キッチンハサミでジョッキンジョッキンと一口大に切って、ホットプレートの上で、ジュージューと温めている。

 うはータレが焼けていいニオーイ♪


「らっしゃいませー試食どうぞー」


 出来たのかお兄さんは温まった一口大のお肉をお皿に移すと、楊枝をプスプスと刺して行き交うお客さんに勧めている。


「おにーさん♪試食させてくーださい♪」


 友里とボク、二人の美少女にかわいく言われちゃったお兄さんは、顔を真っ赤にしながらお皿ごと差し出してきた。


「いやいや、ちょっとでダイジョブだよ?」


「うわぁーおいしそうーいただきまーす」


 お皿ごと受け取ろうとする友里に、軽くチョップをいれながら今だ真っ赤な顔のお兄さんに笑いかける。

 するとお兄さんもちょっと落ち着いたのか、ニコッと笑って「スイマセン」とペコペコしてた。


「どれどれ、あーこれやっぱ美味しいなぁ」


「豚バラのチャーシューです、一本()()()()500円です」


「え?どれでも」


「はい、どれでも、です」


 見ればこのぶっといチャーシューホンとにぶっといのから、少し細目のもの、脂身が半分くらいあるものや赤身ばかりのもの、様々だった。


「今なら選びたい放題ねぇ」


「優・・・何本までおっけー?」


「そうねぇ、あんまり買っても冷凍庫入らないから3本までよー」


「よーし、3本ね、エレス起きて!」


『ふぁ、ふぁい、おはようございましゅじんさま』


「斬新な短縮の仕方だね!?」


 エレスって夜中結構ちゃんと寝てるんだよねー最近わかったんだけど。


『んんー、よっし起きました、もうバッチリです。どうなさいましたか?ご主人様』


「えっとね、ボクの目の前にある沢山のチャーシューを数値化出来る?」


『・・・えっと、夜中に起こされて、用事はソレですか?』


「うん、だめ?どうせならより美味しくておっきいの欲しいんだもん」


 ボクはエレスにこないだまで無意識のままにやってた、乙女っぽい感じで甘える。


『むっはー朝からたぎりますね!文字どおり朝飯前ですよ、頑張っちゃいますよ!データを視界に映し出します。これはと言ったものがあったらちょっと注目してもらえばマーキングされます』


 エレスがそう言うと見てるチャーシューの重さ、脂肪含有率、断面図など複数出てくる。


「おおースゴい!お、これいいねー、これとこれと・・・これかな。お兄さーん、これとこれとこれください!」


「お嬢さん目利きスゴいですね!えっとこれとこれとこれですね?」


「うん、ありがとー。美味しそうだね、ふふっ」


 ボクが良いもの選んだことに満足してニコッと笑うと、お兄さんなぜか小さめの四本目をガッと掴んでビニール袋に入れる。


「あれ?ボクそれ選んでないよ?」


「しー、いっぱい買ってくれたからオマケですよ」


 うはーマジ?いいの?ボクはホクホク顔で、お兄さんが渡してくれた包みを抱えて優のところに戻る。


「内緒だけど1本おまけしてくれたー」


「見てたわよーあざとさ全開で素敵だったわよー」


「え、そ、そう?普通にしてたんだけどなぁ」


「業が深いわね・・・乙女症候群」


「・・・・・・・・」


 その後、オードブルなんかを買って会計を済ませて、車に積み込んだ。

 金額は四万もいっててビックリしたけど、優は「楽しかったし、お正月だからいいのよ♪」と言って余裕顔で支払ってた。

 野田さんもお買い物終わったのか、ボクらを見つけてこっちに歩いてくる。

 あーこりゃしばらくおしゃべりしそうだなぁと、友里と顔を見合わせて苦笑いする。


 駐車場にトラックが一台入ってきた。


 まだ入荷するんだーと眺めてると、トラックの荷台が不自然に揺れていて、運転手も駐車した後慌てて車から降りてる。


 なんかイヤーな予感がするよ?

 

 軽く書き出したのにまさか続くとは

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