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イベント会場の攻防

 今日は晴海にある某イベント会場に来てる。


 右も左も色とりどりの衣装を来た人たちがごった返している。まあ色とりどりっていっても、赤青緑、時々紫と金色。

 そう、ボクたち家族はコスプレイベント会場に来てるのだ。

 まあ、友里が来たいって言ったんだけどね。

 もっと正確にいったら友里の友人の薫子ちゃんが誘ってきたんだけどね。

 なんのイベントかというと、衣装の色から分かるように

『守護姉妹(がーでぃあんしすたーず』

 のコスプレ&アイドルユニット達によるコンサートらしい。

 多分紫と金色が少ないのは、騎士とか鎧だからゴツくて作りにくかったんだろうねー。あ、銀色のルディア発見。


 とにかくそんな会場なので、右も左もレイヤーさんだらけなのである。

 ちなみに薫子ちゃんは、レアなベースフォームの白色のバトルスーツ姿で、その大きなお胸も手伝って結構注目を浴びている。

 出来に関しては何せ本人であるボクから、直接型どりしてるので、他のレイヤーさんよりも頭ひとつ分飛び抜けた出来上がりになってるね、細部とかの作り込みがスゴい。

 実は細部の小物とかは、エレスが嬉々として手伝ってたみたいなんだけどね。


 そんな中ボクたちはと言うと、まあ普通にお洒落な格好で目立たないようにしている。

 特にボクは黒渕の眼鏡をかけて、髪の色を真っ黒にしている。長さもいつもよりもう少し短めにして、ボーイッシュなかんじ。

 実はいつもは栗色っぽい髪の色、もっと短くすると黒くなった。

 新発見だよねー、伸ばすと銀色になるのってただ単に色素が薄くなってただけなんだね・・・。

 ちょっと秋めいたので黒いタイツに茶色のハーフパンツ、チョコ色のシルクのシャツに赤いタイをつけて幾何学模様みたいなポンチョみたいなのを着せられてる。

 もちろんコーディネーターは優なんだけどね。

 友里はボクの色違いで、赤っぽい感じにまとまって、ちょっと早いけどサンタコスに見えなくもない感じ。

 優自身はというと、どこのマダムが美少女二人を侍らしているんだみたいな感じで、結い上げた髪に少しきつめの眼鏡をかけ、白いニットのロングスカートに黒いショールをかけて、手にはなぜかフワフワの付いた扇子を持ってる。

 優はまだまだボンキュッボン(死語?)のナイスバディーを保っているので、こういう体の線が出る服を着るとエロかっこいい。

 薫子ちゃんが注目を集めてその後は自然に一緒にいるボクたちの集団が注目を集めてしまう。

 さっきから薫子ちゃんが写真撮られた後は、必ずボクたちもセットのようにお願いされてる。


「いやぁーコスしてないのに撮影をお願いされるとは、さすが徳田家ですなぁ、やっぱり一緒にコスしてもらえばよかったですな」


 普段と違って逆に眼鏡を外して、エメラルドグリーンのカラコンを着けてる薫子ちゃんが、笑いかけてくる。

 ちなみに髪の毛は普段黒いのだけど、ボクのコスプレなので銀髪になっている。

 薫子ちゃんも綺麗な顔立ちなので、雰囲気がまたちょっと変わってすっごい美人さんになってる。


「薫子めっちゃ化けたねぇ、まあ元々綺麗なのは知ってたけど。それにしても、こんなにレイヤーさんっているんだねぇ、ビックリだよ」


 と、友里が周りを見渡しながら感心したように言う。


「確かにテーマのせいもあると思うのですが、こんなに集まるのは(まれだと思いますぞ?それに今回のは規制の服を改造してる人も結構いるので、にわかレイヤーさんも多いかと。まあ私としてはこれを期にコスプレの楽しさを知ってもらって、レイヤー人口がもっと増えてくれればと思うのですがね」


「今回のテーマは『守護姉妹』だから旬も旬だものねぇ、今や老若男女誰でも知ってるんじゃない?」


 たしかに、なぜか結構高齢な方々の評判もいいのだ。

 理由はエレスの地道な活動(侵略者駆除)のせいだと思うんだよね。

 本人エレスは自分が戦ってるのも世間にはバレてないつもりだったんだろうけど、実はみんな言わないだけで助けられた人は感謝を忘れなかっただろうし、そのお陰で今も幸せに生きて年を重ねられたって人もいるんだろうね。

 だって1000年も戦ってくれてたんだもの、バレてない訳がないし、エレスなんて特に自然物に憑依合体するから、神様の使いだって思う人も出てくるよね。


『バレてたの知らずにいたなんてお恥ずかしい限りです』


「でもみんな感謝してるんだからいいじゃない」


『でも、みんながみんな助けられた訳じゃありませんし、中には巻き込まれて恨んでいる方もいるかもしれません』


「ボクも巻き込まれたようなもんだけどね」


『ハウッ!!そ、それは言わない約束でしょ?おとっつぁん』


「ふふーでもこうしてエレスのお陰で優たちと生きていられるんだもの、恨んでなんかいないよ?それに他の巻き込まれた人だって残念だけど、ボクだって全員救えるほど万能だなんて思ってないよ。沖縄の時だって少なからず亡くなった人もいるんだし」


『ですが・・・』


「いいの、だってそれ以上に沢山の命を救ったんでしょ?例え人類そのものを守る気が無かったとしても気に病むことじゃないよ。ガ○ラだってギャ○スと戦ってるとき問答無用で火の玉攻撃したじゃん?あんな風に故意的にしてるんじゃ無いんだしさ、ボクだって家族のついでにだもん」


「そぉよーヒカルちゃん位のメリハリが効いてていいと思うわよ?だって八方美人な正義の味方なんて信用出来ないもの、ねー友里、薫子ちゃん」


「まあ、助けてもらえる立場だからじゃないけど、あれもこれもなんて言ってると本当に大事なものも守れないよ、きっと」


「ですなーまあ私なんかは死んだら死んだでその後のことまで分かる訳じゃないですからな、しょうがないと思うですぞ?」


『みなさまアレですね、結構しっかり考えてたんですね』


「「「「失礼だな!!」」」」


 

 ピー


 スピーカーの電源が入った音がして、ステージ場に、司会のお姉さんと思われる人が真ん中に立っている。


『それでわーお時間になりましたので本イベント「守護姉妹コス決定戦」&アイドルユニットによる「唸れ!!守護姉妹ライヴコンサート」を始めたいと思いまーす。まずコス決定戦の方から始めたいと思いますのでエントリーされた120名のレイヤーのみなさんは速やかにステージに移動お願いしまーす!』


「じゃあ私行ってまいるですぞ!」


「頑張ってね!」


「薫子ちゃん素敵だからきっと優勝も狙えるわよ」


「ふふーエレスのお墨付きだものだいじょぶだよ」


「ありがとうございますですぞ!でわ!」


 薫子ちゃんはスチャッと皆に敬礼すると人混みを掻き分けるようにステージに向かっていった。


 いよいよお祭りの始まりだね、ふふー。



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