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ヒカル偶像化計画 その11

「じゃあ、がーでぃあんちゃんのカメラテストいきまーす」


 どうやらルディアはヴァルキリーちゃん、ボクはがーでぃあんちゃんに俗称というか芸名(仮)になったらしい。

 一応身元割れしないように気を使ってくれたのかな?


 とりあえずボクは服を再構築してスーツに換えていく。

 

「いいね!いいね!!もうちょっと踊りながら変身してくれると、魔法少女っぽいんだけどいけますかー」


「ええっ!?ここから撮ってるの?マヂですか!」


 一瞬だけど裸になってるかもしれないから恥ずかしいんですけどっ!?


「はい、さいたま動画の時に見せてくれたあの歩きながらの変身。なかなかわかってるなーって思ってたんですけど、狙ってやってたんじゃないんですか?」


 う・・・まぁ確かにヒーローモノの燃えるシーン的な感じで自分が好きな変身の1つとして演出しちゃった部分はあるんだけど、やっぱりプロだとそういう見方するんだねぇ。


「確かに狙いましたけど、踊りながらはちょっと時間帯が違いませんか?ボクはヒーローっぽく行くかと思ったんですけど、ダメですか?」


「まあ色々試したらどれかにって感じですよ。ほらがーでぃあんちゃんは色んな萌え要素が入ってるんで、沢山撮りたいんですよ」


 えー何回も撮るってこと?ちょっとめんどっちくなってきたー。

 ボクがそんなこと考えてるのを察知したのか、真理ちゃんがツカツカと近づいてきてボクに耳打ちする。


「ヒカルちゃんがんばったらこの前欲しがってた限定版のア○ア○マンのフィギュア手に入れてあげますから!がんばって」


「撮りましょう!もうフィルム尽きるまでボクを撮りまくってください!」


 犬養プロデューサーが後ろで真理ちゃんに親指をグッと立ててたけど、まあ乗せられてあげるよ。ふふ限定版ー○イ○ンマンー嬉しいなー。

 俄然やる気になったボクはとりあえず、スタンダードの白いスーツに・・・ってなんかいつもよりピラピラして露出が多くない?エレース!エレスさーーーん!!


『なんでしょうか?』


 なんでしょうかじゃないよっ。なんかいつもより布地が少なくてヒラヒラが多いけど!?


『ああ、かわいいでしょ?』


 かわいいけどっ!でもこっちの路線じゃないって言ったじゃんね?


『でも先程色んなパターンを撮られると言ってましたので』


 なるほどーってバカバカッあくまで演出上の話でしょ!?なんで露出増やす必要があるんだよぅ!大体コレッ見えちゃうでしょッ!?スカートミニはボクまだ耐性ないんだってば!


『安心してください、履いてますよ?』


 履いてなかったらただの痴女だよっ!?


『いえいえ、そう言うことじゃなくて見えてもいい感じの履いてますから。あと絶対領域あれば平気ですよね?』


 もうこれ以上何を言っても衣装が変わることは無いんだろうなと思ったボクは、さっきまでの浮かれてた自分を恨むのだった。


 まあこの会話も外の時間にしてみれば一瞬なので(約0.2秒ほど)衣装(もうあえてスーツとは呼ばない)を見たスタッフさん達のテンションが異様に上がっていた。


 ちなみに、優はものすごい望遠レンズがついたカメラでひたすらボクを激写し続け、友里は涎を垂らしながらハンディカムで「いいよぉーいいよぉー」と呟きながら、なんだかわかんないテンションで撮っていた。

 真理ちゃんはそんな二人に「ぜ、絶対私にもその写真とか画像焼いてくださいよ!絶対ですからね!!」と必死に交渉していた。

 真理ちゃん仕事しようよ・・・。


 すでにカメラが回っているので、ボクはとりあえず大まかに台本に沿ってやってみることにした。

 まずは白から水の青色に変化する。まあどっちかって言うとこのフォームは攻撃よりも癒し系なので、ビジュアル的に映える感じに水の球を無数に生み出して、空中に浮かべて見る。

 今日は晴れてるから、太陽光が当たってキラキラしてキレーだねー、スタッフの人もなんだか童心に返ったのかみんなほわほわーっとしてる。

 さらに勢いよくボクの回りを旋回させると鏡のドームに包まれたようになった。

 そこからの炎の赤へのフォームチェンジ!陽炎に煽られ一瞬で周りの水が蒸発してしまう。

 水蒸気の中から現れた、癒しの水妖精から真反対の猛々しい炎の戦士へと変貌した、ボクの熱にみんなガンバって耐えながら撮り続けてる。

 かなりの温度とさっきの水蒸気とで辺りが若干サウナ状態になっちゃったかも、ごめんね。

 炎の演舞を舞った後は10m程ジャンプして地面に拳を打ち付ける。

 小爆発が起きたあと、そこに居たのは黄金の鎧に身を包んだボクだった。そう言えば何気にこのフォーム初めてじゃない!?こんなとこで初の披露になっちゃってごめんね、土の精霊さん。

 そのまま精霊に干渉して地面からバキバキと柱のようなものがせり上がってくる。

 地面割るよりこっちの方が見栄えするかなーって思ってやってみたんだけど、周りのスタッフさん達の表情から察するに好評だったらしい。

 せり上がった土の柱がボクの回りに並び立ち、ボクの姿はカメラからは全く見えなくなる。

 そして風の緑色にフォームチェンジしたボクは、筒状態になった土柱を砲台に見立てて、上から勢いよく飛び出す。

 下の方で「おおーーーっ!」と歓声が上がってるのが聞こえた。

 そのまましばらく空を飛び回っていると、ジェット機の皆さんと飛行機に戻ったルディア(変形してるとこみてもやはり色々おかしかった)がランデブーしてきたので、しばらく編隊を組んで飛び回っていた。


 さあ、問題はこの後だ。


 分身ですヨ分身、エレスさーんどうするのー?

 ルディア達と別れて地上に降りたって、エレスに聞いてみる。


『でわ、加速クロックアップしてください。してから説明しますので』


「りょーかい」


 ボクはヒラヒラした衣装から外骨格を着込んで、身体能力を補助させる。

 そして一気に能力を300倍まで上げると、周りの景色が急激に暗くなっていく。コレでクロックアップ完了だ。


「さて、エレス。ここからどうするの?」


『まあ簡単に言ってしまえばですね、この状態で行ったり来たりします。フォームチェンジしながら』


「簡単すぎるよっ!だってポーズとか変わったらブレがでちゃうじゃん、どうすんのさ」


『ご安心ください、そのための私です。少し視覚領域をお借りしますね』


 ルディアがそう言うと、ボクの目の前にワイヤーフレームのようなものが拡がる。


「ふわぁーなにコレ!ちょっとカッコいいんだけど!こんな機能あったんだねー」


『まあ普段の戦闘なんかでは全く使わない機能ですからね』


「じゃあどんな時に使うの?」


『そうですね、例えば女性のスリーサイズがこっそり知りたい時とか』


「犯罪じゃないの!?」


『後はゴルフの時グリーンの芝目を読むときなんか完璧に読むことが出来ますね』


「今度は違反行為だよっ!?」


(プレー中の測定機器の使用は禁止されています。近いウチにスコープ型の距離測定器はオッケーになるとかならないとか)


『まあ、そんな事でしか使い道が無いかと思われてましたが、思わぬところで役にたちましたね、こんな風に』


 エレスがそう言うと平面の升目だけだった視界に四体のボクと同じくらいの体格のワイヤーフレーム人形が現れた。


『コレは時間経過と共に少しずつ動いていきますのでコレに合わせてフォームチェンジしながら、移動しては数フレーム止まってを繰り返せば分身の完成です』


「おおーじゃあそんなに慌てなくてもいい感じなんだ?」


『そうですね、恐らく普通に動いてもカメラや人間の目には見えないでしょうし、止まってる数フレームだけが見えるのでいきなりご主人様が増えたようにしか見えないでしょう。あとワイヤーフレームにどの色を重ねればよいか、分かりやすい様に色も付けておきましょう』


 それぞれのワイヤーフレーム人形が5色に色分けされた。


「よーっし、じゃあやってみよーぅ」


 


 確かに走ったりする訳じゃないんだけどね・・・。


 ただただ色を変えてはフレームに合わせて数秒間止まって、また色を変えてはフレームに合わせて数秒間止まっての繰り返しを、引き延ばされた時間軸の中で淡々と繰り返していく。

 そう、コマ撮りで人形をちょっとずつ動かしていくあの感じ。


 それを1人(実際はエレスも付き合ってるんだけど)でやるのはただただ苦行でしかなかったよ・・・。


 あとでカメラを確認してちゃんと撮れてなかったら、マリモになるとこだったよ。


 このシーンだけはもう一回本番やる気力が湧かなかったので、これを本番録りにしてもらったよ。


 まあちょっと疲労感漂うボクに無理は言うまいと空気読んでくれたスタッフさんに感謝です、ハイ。


 まあ、そんなこんなでボクとルディアの守護姉妹がーでぃあんしすたーずのPVは完成したのだった。



感想、ブクマいただけると、ガンバってコマ撮りっぽく動きます。見せれませんがね。

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