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ヒカル偶像化計画 その7

 ルディアが我が家に来てから3日程経ち、真理ちゃんからの絵コンテなんて物が届いた。

 内容はドコのシナリオライターに書かせたのか知らないけど、かなり本格的なものだった。

 ひょっとしたら何処かのアニメ会社の人に書かせたのかもしれない。


 こないだの真理ちゃんの様子を思い出すとやりかねない。


「うわーすごいね、これ。ヒカルちゃん達出来るのこんなの。普通ならCGとか使ってやるんでしょ?」


『ふフン、友里はナニいってるのかしラ。こんなノ私とヒカルにかかレバ朝飯前ヨ』


 いつのまにか『姉さん』って呼ばなくなったルディアが、友里に向かって得意気に言ってる。

 君達ずいぶんと仲良くなったね、この数日で。

 って言うかルディア馴染みすぎだろ、すでにいつものカチッとした服装じゃなくて、優にもらったジャージみたいなの着てるし。

 いつも着てる服って脱げたんだね、体の一部かと思ってたよ。しかもゲームの賭けに負けて友里と一緒にお風呂入ってたしね。

 それにしても直結した機械の申し子に勝っちゃうウチの娘ってなんなの?


 みんなで盛り上がってきゃいきゃい言ってたら、呼び鈴がなった。


 ピンポーン


「はーい、どちらさまー?」


 優が答えると


『田所です。お迎えにあがりました』


 と、妙に畏まった真理ちゃんの声が聞こえた。




***************************


 何故か黒塗りのリムジンバスで迎えに来た真理ちゃんは、完全に敏腕マネージャーの雰囲気を醸し出していた。


 絶対この人コスプレってた!だって完全に役になりきってるもの!立ち姿も妙に香ばしい感じが漂ってるし。

 いつもより少しばかり色がついて尖った感じの眼鏡を、右手の中指でクイッと上げながら、ズギャアアアアァァンと効果音が付きそうな角度でボクたちの方を見ている。


「でわ、今からPVの撮影場所に向かいますのでどうぞお乗りください」


 言い終わるやカツカツとヒールを鳴らしてリムジンバスに向かい、後部座席(こんだけ長いとドコから後部なんだろう)のドアを格好良く開ける。

 ダメだ、今日の真理ちゃんは真理ちゃんであって真理ちゃんじゃない。

 何かが御光臨なされてる。

 ボクたち一家とルディアは少しビクつきながらも、真理ちゃんに促されるまま乗り込む。


 「「「すっごーーーーいぃ」」」


 ルディア以外の声が綺麗にハモった。


『こんナの大統領の車に比べたラまだ短いし小さいわヨ』


 どうやらルディアは乗り慣れてるっぽい。さっさと奥までいくと、ど真ん中のシートに深々と埋まり込み、足を組んでリラックスして冷蔵庫から飲み物を取り出してる。


「すみません、日本の道路事情ではこれ以上長いと曲がれなかったもので、このサイズの御車しか御用意出来ませんでした」


 どうやらさっきルディアが言った短いしっていう文句のフォローらしいけど、大丈夫だよ真理ちゃん、ボクたち十分驚いてるから。


「真理さんこんな車どこから持ってきたの?わたしこんなの乗ったこと無いから超感激だよっ」


「これは防衛隊の公用車ですよ。海外のお客様をお迎えするときは良く使うんです」


「え、そんな車ボクたちのために出しちゃって良かったの?真理ちゃん後で怒られちゃったりしない?」


 ボクは思わず心配になって聞いちゃった。


「ご心配には及びません。だってそこにいるじゃありませんか。海外からのVIPなお客様が」


 そういってルディアを指差す真理ちゃん。


 あーそういえばこの3日程で馴染みすぎて忘れてたけど、いたわールディアが。

 良く考えたらさっきルディアが言ってたように、大統領の車に乗ってるくらいだもんね、そりゃあVIP待遇だわ。

 ん?ってことはボクが向こうに遊びに行ったりしたらどうなるんだろ?同じような待遇になるのかなー?ちょっと行ってみたいかも。


『まア私はドコにいってモ大体こんナ待遇だかラ今更って感じダケどネ』


「ふえールディアってすごかったんだねー、でもゲームは下手くそだよねー、直結までしてるのに」


『うッあっアレはアナタが異常なのヨ!どこの世界に直結しタ私よりモ反応速度が上回る人間ガいるのヨ!ちょっとヒカルぅこの子ホンとに人間なノ?あなた魔改造してナイでしょうネ?』


「ヒトの家の子つかまえて失礼な。友里はちょっとアレなとこあるけど普通の人間だよ」


「ヒカルちゃん、ちょっとアレなとこってなにカナ?」


「ま、まあその辺は詳しく語らない方が友里の為というかなんというか」


『ホンとヨ。しかモ賭けに勝つトいつもちょっトいやらしい要求してくルのヨ?ナニ教えてるのヨ!アナタ達は!!』


 それまで黙って聞いていた優がユラーリと動いたかと思うと、友里の頭にガシッと指を食い込ませた。


「あ、アレ?ママなんか頭痛いよ?いたッいたいいたいッマヂ割れちゃうぅッ!!」


「あーんーたーはー、ルディアちゃんに何て事を要求してんのよっ!しかも自分だけ楽しむとかありえないでしょ!?」



『ダメだ・・・この母娘おやこ腐ってるワ』


 腐ってるっていうのとはちょっと違うんだよねぇ、二人ともレズっ気のほうだしね。

 

「まぁまぁ、ルディアもそれだけウチの家族に好かれてるってことだよ」


『・・・なんか素直二喜べないけドまあいいワ』


 フンっと窓の外に視線を向けてるけど、ひょっとしてデレたのかな?


「皆さん、撮影現場に到着しましたよ」


 真理ちゃんに言われて外に目を向ける。



 そこは、以前来た防衛軍の航空基地だった。


感想、ブクマなどしてもらえるとタップダンスを踊るかもしれません。見せれませんが。

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