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台風の災難

スミマセン、1話に収まらなかったです。

「いーじゃんーヒカルちゃんも泳ごうよー」


 ボクの腕に友里がぶら下がりながらぶーぶー言ってる。


「だからーボク休みじゃないんだもん。それに侵略者退治終わったから帰んないと、鷹山に怒られちゃうよ」


 まあ、たぶん怒られないけどね。言うと修学旅行の間ずっといてとか言いかねないしね。


「それに結構人が無くなってるんだから喪に服さなきゃ」

 

 あの後友人二人にはある程度説明して、ボクと光一が同一人物だってこと教えた。もちろん他の人には内緒ってことも。

 その際に、真弓ちゃんがモジモジしながら


「おじ様と、ヒカルちゃんが同じとかやヴぁいどうしよう」


 なんて言いながらクネクネしてたけど、どうしようってどうするつもりなの?なんか類友っていうのかなー、第二の友里にしか見えなくなってきた。

 ちょっとボーイッシュなだけに余計質が悪い。

 友里なんてこっちに戻ったとたんに、普通に「ヒカルちゃん」呼びに戻ったしね。まあこの格好で「パパ」とか言われても、いろんな誤解されそうだからいいんだけどね。


 久しぶりの「パパ」呼びがちょっと嬉しかっただけだもん。

 

「うん・・・じゃあさ、せめて明日まで休んじゃえば?だって一回消えちゃったんだよ?重傷だよ?普通は死んでるよ?休むべきじゃない?」


 なに?その三段論法みたいなの。微妙に四段か五段っぽいし。


「でもきっとママだって心配してるだろうからねー」


 ちなみに一応連絡して無事終わったことは言ってあるよ。

一回塵になったことは言ってないけどね。ナイショ。


「だって、まだ台風いるし、泳げないし。コレでヒカルちゃん居なくなったら退屈しか残らないよ?」


 いやいや、そこは友人と過ごそうよ。思い出作ろうよ。


「そうですよ!ヒカルさんとイチャ・・・んっうんっ親睦深めたいですよ!帰っちゃ嫌ですよ!」


 真弓・・・お前もか。しかもなんで目が血走ってるの?怖いよ。最近の女子高生はレズッ子属性が付きまくりなのかい?


「そうはいっても仕事ほっぽってきちゃったしね、今日だけなら良いけど」


(((言質取った!!)))


 仲良し三人組の目がキランっと光り、心のなかでガッツポーズをとる。


「今日しか泳げないなら泳げるようにしてしまえばいいのではないですかな?ヒカルどのが」


「ほへ?」


 思わずなに言ってるか解んなくて間抜けな声がでた。


「ですから、ヒカルどのが、ぴゅーっと飛んでって台風を消してしまえば今日泳げるのではないですかな??」

 

 やだ、薫子ちゃん・・・言動以外はマトモだと思ってたのに、めっさ裏切られた感じ。台風消すって軽く言ってくれちゃってるけど、そんな簡単じゃないと思うけど?


「台風なんて結局温度差で出来た空気の渦ですからな、熱波を叩き込むか冷やすかすれば消滅すると思われますぞ?」


 なにこの子天才なの!?確かに理屈的には出来そうな気がしてきちゃったじゃん。しかも空の精霊力使ったら雲くらいどうにかなりそうな気がしてきたし。


「いやいやいや、なんか出来そうな気もするけど、そういう問題じゃないよ?消すとか消さないとかそんな事しちゃだめでしょ」


「・・・今日だけなら一緒に泳ぐって言ったじゃん・・・」


「そうですよー、別に水着姿が見たいとかあわよくばなんて考えてませんよ?ただ一度言ったことを無かった事にするのはどうかなーって思いますよ?」


「人は・・・その持ってる力で成すべき事をするべきだと思うのですぞ、ヒカルどの」


 なにこの3人恐いんですけど。って言うか今日だけならって言ったけど泳ぐなんて言ってないよ?水着ないし、っていうか真弓ちゃんその手をわきわきするのやめて?


「なんでそんなに泳がせたいのさーボク水着ないし(造れるけど言わない)大体学校の行事に混ざったら駄目でしょ。台風は試しに消してみても良いけどさ、その後泳ぐの許可でないかもよ?」


「あー、そしたらホテルのプールで泳げばいいんじゃない?別館だから幸い無事だし?」


「・・・・・・え?台風消す意味無くない?最初からプール行けばいいんじゃないの?」


「なにいってんの?沖縄まできてプールとかないでしょ?私たちの修学旅行の思い出は、怪物に襲われたことと、プールで泳いだ事になっちゃうよ?さみしくない?」


 むぅー・・・いちいちなんか尤もらしい事を・・・。まあ、こうやってても時間過ぎてくだけだし、まだ昼前だから消すだけ消しちゃおうかな。


「・・・わかったよぅ、じゃあちょっと消すだけ消してみるから。あと泳ぐかどうかはまた考えるよ」


「あ、ヒカルちゃん。ひとつ言っておくことがあるんだけどいい?」


「んん?なーに?」


「台風消したあと、そのまま家に帰ったらダメだからね?そんな事したら胸もみしだくだけじゃ済まないからね?解った?」


 あれー?なんでうやむやにして帰ろーとしたのバレたんだろう・・・しかも笑ってるけど、目がちっとも笑ってない。


 友里・・・・恐ろしい子・・・・・・。




 ボクたちホテルの屋上に出た。雨は小降りになってきてるけど、風がすごい。


「ふわーすごいねーまだまだ台風って感じだねー」


「地元は殆ど台風の影響が無いですからな、この暴風はなかなか体験できないので貴重ですな!」


「きゃー見て見てー今なら日本新記録出そう!!」

 真弓ちゃんが屋上の端から追い風に乗って物凄い速度で走ったりしてる。さすが陸上部フォームが綺麗。

 って、思いっきり楽しんでるじゃん!


『ええ、いやそれは・・・・しかしですね』


 エレスはエレスでなんか喋ってるし、誰と喋ってるの?


『それは人権と言うか肖像権というか・・・え?自分しか楽しまないから大丈夫?・・・・本人がなんと言うか・・・いえいえいえ決してそんな事はないですよ?はぁはい、まあ何とかします・・・はい、でわ・・・・はぁ』


 だれ?恐いんですけど?なんかゾワゾワするんですけど?


『ああ、すみませんご主人様。ちょっと揉めてまして、大丈夫ですよ?何も実害はありませんから、そうですね・・・天井のシミを数えてる間に終わりますから』

 

 それ思いっきり実害あるやつじゃん!?なんか借金のカタにどうとかこうとかされちゃうヤツじゃん!?ボクいったい何させられるの?


『いえね、お母様がですね・・・そのご主人様が海さえ入れれば水着着るかもしれませんって伝えたら、是非ともその映像を念話で送れっていうから、それは本人に聞かないとーって言ったんですけど、黙っときゃわかんないわよって言われまして。ちなみに台風はお母様が何とかするそうです。だから水着見せろと言うわけです』


 なにが「だから」なのか、マルデイミガワカラナイヨ?


 そんな事言ってたら、雲が明らかに不自然に動き始めて、青空が見え始め、太陽の光が降り注ぎ始めた。

 そして台風があると思われる方角からは『バフーン!!』と何か大きなものが叩き潰されたような音がして、しばらくすると暴風はそよ風に変わってしまう。


 お母様やりすぎじゃない?ボクコレで泳がなかったら恐ろしい目に合うんじゃないの?ねえ、エレスってば!?


『お母様って昔から加減知らないって言うかなんていうか・・・まあ犬に噛まれたと面って諦めてください。大丈夫ですよ、可愛い水着造りますから♪』


 なんか敵しかいないんですけどー。


 っていうか、台風だってお母様が産み出したんじゃないの?まだこれからヒャッハーするとこだったのにかわいそうに・・・。台風もまさか水着のために潰されたとは思ってないよなぁ。・・・・合掌。ボクは1人台風が有ったと思わしき方向に祈るのだった・・・。

今度こそ終わるはず?

感想、ブクマなどしていただけると小躍りします。

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