未知(?)との遭遇「終わったな・・・俺」
初めての投稿&小説になります暖かく見守ってください。
「どうしてこうなった・・・?」
呟きとともにボクは目覚めた。
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毎日のマイカー通勤、スマホに入れたアニソンをランダム再生しつつ片道35Kmの移動時間を楽しむ。
都会なら35Kmって結構遠くない?って思うんだろうけど、ここは適度な田舎だ。一部高速道路に乗れば30分ほどで勤務先に到着する。
なかなか一人になる時間が取れない昨今、30分の通勤時間はある意味貴重だ。
まあ、言うほど孤独を愛する訳でもなければ、人とのコミュニケーションを煩わしく思う性格でもないので、俺にとっては新曲のアニソンを覚えたりする時間となってる。
俺の名前は「徳田 光一」、40歳だ。こんな歳でアニメとかラノベが好きなんて引かれてしまいそうだが俺はパートナーに恵まれている。
なんてったって嫁の「優」もラノベはそれほどじゃないけど(文章を読むと眠くなってしまう)アニソンは俺が見てるアニメでOPなんか気に入ると覚えるし、一緒にデュエットだってしてくれる。(某革命機の歌とかね)
だから俺はこの歳になっても、自分の好きなものを好きといえる、それはそれは幸せな毎日を送ってる。
ちなみに一人娘の友里もそんな二人に育てられてるので、オタクの純粋培養だ。
かなりハードなオタクに育っちゃったけど、オタクでもいいのだ、元気に育ってくれれば。
今日も仕事帰りいつものように高速を走り我が家を目指す。
前方に丸太を山のように積んだ大型トラックが走っているのが目に入る。追い越し車線に入り大型トラックの横を追い越す。
いつもながらこういった車の横を過ぎる時にはドキドキしてしまう。積み荷が崩れ落ちてきた時の事を想像してしまうのだ。
ちょっと下品な言い方だかが「一部が縮み上がる思い」といいうヤツだ。そんな益体もないことを考えながら、ちょうど大型トラックの横に並んだ時。
『バキンッッ!!』
何か怖い音がした、と思った瞬間何かが俺の車のボンネットを打ち据えた。
鞭のように見えるそれは木材を荷締めていたワイヤーだった。
衝撃でハンドルがとられる!俺は必至でガードレールに突っ込まないように、車体を立て直す。そして恐る恐る助手席側に視線を移す・・・冗談だろ?ゆっくりとこちらに向かって丸太が転がりだしているのが目に入る。
走馬灯は見えてないが、この時間がやたらと長く感じられる時って死亡フラグってやつなんじゃない!?
俺はそんなことを考えつつ必至でアクセルを踏み込む!もうべた踏みだ!
もう少しで追い越せるところだったから、最悪車の後部が潰される位ですむだろうと判断したからだ。
その判断は間違いではなかった。
普通であればだが。
その黒い「ナニカ」は突然俺の車の前に躍り出てきた。
俺は自慢じゃないが結構目がいい、視力というより動体視力がいい。なので大まかにその黒い「ナニカ」が見えた。
「カニ・・・?」
そうつぶやいた俺はあまりに非常識な目の前の光景にブレーキを踏むことも忘れて、盛大に突っ込んだ。
その「ナニカ」も動いていたせいか大破するほどじゃないが、車がひしゃげていくのが分かる。
そして押しつぶされていく俺の足。
「うっがぁあああぁぁぁぁ!!」
痛い!言葉にならないくらい痛い!
そして車は「カニ?」の甲羅のような部分に押し付けられるように停まる。
そしてクルリと「カニ?」がこちらに正面を向けた。
アドレナリンが出てるのか足の感覚が「痛い」というよりはジーンといった痺れた感覚に変わりつつある。
「カニ?」と思ってた物体は厳密にいうとカニじゃなかった。後ろから見るとヤシガニとかタラバガニなのだが、正面は全然違った。
真ん中に大きめなレンズのような眼、そしてその横にそれより小さな眼。口らしき部分からは触手のようなナニかがせわしなく動いてる。目が合った瞬間俺は思った。
「これは終わったな・・・俺」
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