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3.おめめぐるぐる

「いやぁ、昔、頭のおかしい貴族の女の子に頼まれて作った魔法だけど、

 意外なところで役に立ったなー。流石は私の魔法、便利だねこれ!」

「頭おかしいのはおまえじゃね!? 

 ってか、その『呪い』っ、本当マジなのか!?」

「『呪い』じゃないよっ、素直になれない女の子の『恋の魔法』だよ!

 ちなみに、その貴族の女の子は意中の男の子を見事爆散させました!」

「『恋の魔法』怖ぇえええ!? 

 っていうか『呪い』って言ったのはおまえだよ! 

 んで、やっぱまじもんの『呪い』じゃねえか!」

「愛の形は人それぞれだよ!

 その後、爆散した男の子を前に、女の子は廃人になってしまいました!

 なんだか可哀相だったので、女の子も爆散させてあげた私でした!!」

「薄々気づいてたけど、その貴族の女の子も被害者だこれ!

 全部おまえが悪い話だこれ! 紛うことなき巨悪だおまえ!

 そして、さらっと人殺した話すんなよ! 冗談でも、すっげえ引くわ!!」

「殺すことが悪なの!? ううんっ、私はそう思わない!

 その女の子は男の子を本当に愛していたの。

 だから、死が二人を分かつ前に、死で二人を一緒にしてあげただけだよ!

 女の子も、私もっ、ただ愛のために生きたの! 永遠になったの!

 それが悪いことなの? ううん、違う。これは正義。愛そのものなの!」

「え、ああ、うん。……ん? いや、違う違う違う!

 たとえおまえらはそれで満足だとしても、

 最初に爆散した男の子は死ぬ理由ないよね!?

 おまえという巨悪に絡まれて、非業の死を遂げただけだよね!?」

「そうだね! ただ私は、この話の回訓である

『女の子をたらしこむイケメンは爆死でよし』

 を異世界人さんに伝えたかっただけだよ!」

「殺意ぱねえなおまえぇ! それ言うこと聞かないと殺すってことじゃねえか!」

「いやいやー、そこまでは言ってないよ私ー。

 ただ、この話を聞いて、異世界人さんがどう思うかは勝手だけどね。

 まっ、こういう話もあるんだよって話だよ。うんうん……、ちらっ、ちらっ?」

「可愛らしい恫喝だなぁこれ! けど、それ以前に手馴れてて怖い!

 可愛いより怖い!! とりあえず、条件の『一日一回は触る』クリアしとこ!」

「ふふーひひ、いい撫で撫でだね。

 やったねっ、殺意ゲージが89パーセントから88パーセントに下がったよ!」

「それ100パーで殺されるのかな俺!?

 あと一割しか余裕がないと聞いて、想像以上に焦るんだけど!」

「そうだよ! ちなみに、イケメン野郎ってだけで80パー溜まったんだよ!」

「おまえの殺意高ぇなあおいぃ!! 

 というか、俺言うほどイケメンじゃないと思うよ!

 さっきは調子くれてたけど、あれ見栄張っただけだから!

 学校では虚言癖のせいでぼっちでした! 彼女いない暦が年齢ですよ!

 さっきのチューとか内心ドキドキでした! すみませんでした!!」

「え、そうなの!? なら88パーから、8パーに低下ー!

 そうだよねー、なんかおかしいと思ったんだよー。

 よーく見たら、異世界人さんってばそんなに格好よくないしね!

 むしろ、小物臭さがにじみ出てるタイプ」

「ん、んー!? 確かにそうなんだけど、

 そうはっきりと言われるとちょっと傷つくね!」

「正直、顔のつくりは可哀想なレベルだね!」

「そこまで!? それは思いのほか、すごい傷つく!!」

「不細工、いつまで触ってるの?

 いたいけな少女を撫でくりまわすとか、ロリコンなの? 死にたいの?」

「急にオブラートが剥げた!? いまの間に好感度下がったの!?

 やっぱり、男は顔なの!? 好感度リバース早いよ!?」

「でも、大丈夫。そんな不細工な異世界人さんでも、私は受け入れるよ。

 ううん、むしろ、私しか受けいれられないレベルの不細工だよ。

 そう、異世界人さんには私しかいないの。

 私だけ。世界に私だけ……。私だけ私だけ私だけ……(エコー)」

「いやこれ、なんか手法を変えて騙しにきてる!?」

「不細工で低脳で、ロリコンでペドフィリアで、鎖骨フェチの変態で、

 年中ペロペロ言ってそうな異世界人さん。

 このド変態! 生きる価値なしの蛆虫! 

 私の足を舐めたければ、いますぐ全裸になって這い蹲るといいよ!!」

「ちょっとさっきから俺のキャラを勝手に捏造しないでくれませんかねえ!?

 そろそろ怒るよ!? 名誉毀損はやめようぜ!?

 さっきから俺のキャラ造形がりがり削れ過ぎて、カキ氷状態だから!」

「え、あれ……? 駄目だった……?

 うーん、地獄のばっちゃはこれで男は落ちるって言ってたんだけどな……」

「おまえのおばあちゃんの教育最悪だな! 

『地獄の』って頭についてるわけがちょっとわかってきた! 

 天国に出入り禁止だわそれ!」

「どうだ! 私のばっちゃすごいだろ!」

「ああ、すっげー悪人だ! その孫であるお前も言わずもがなだがな!!」

「え? 私が悪人? 悪人――か……。うん、そう呼ばれても、私は構わないよ。

 たとえ、悪とそしられようとも、

 私はばっちゃの孫であることを誇りに思うよ……。

 だって、ばっちゃから教わった全てが、私の思い出……。大切な形見……。

 その愛同然の教えをないがしろになんてできない……!

 だから、私のやることは大体ばっちゃのせい……! 

 ばっちゃのせい……! ふひひ……!!」

「流れるように責任を故人になすりつけんな! 

 おまえは生まれついての邪悪だよ! 間違いない!!」

「はいはい、ばっちゃのせいばっちゃのせい」

「もうちょい故人を悼めよ! 先人を敬えよ! 

 地獄のばっちゃさんが泣くぞ!?」

「大丈夫大丈夫。

 そもそも、ばっちゃに人の涙なんて人間らしいものあるかどうか怪しいし……」

「ん、んー!? 

 想像以上にばっちゃさんはお人をおやめになられているようで!?」

ガワは美少女で、中身は腐った死体100万人分だったからね。

 ぶっちゃけ、国が総出で戦って五分とかいうボスキャラ」

「人外というか、もうラスボスじゃねえかそれ!

 世界救う系ロープレの終盤に出てくる黒幕ポジションキャラだろ!」

「最終形態となったときは、死体の川で国の三分の一が埋もれたという……。

 いや、まじぱねえっすわ、ばっちゃ。まじリスペクト」

「どこら辺に敬意を表すところあった!? 

 俺には全人類の敵という印象しか受けなかったんですけど!?」

「自分の欲望のために、何の迷いもなく他者を食い物にする姿は、

 見てて圧倒されたね。これから私は他者を食い物にしないといけないから、

 ばっちゃのその鋼の信念は見習いたいところなわけだよっ」

「その食い物って俺のことだよな!? やーめーろーやー!

 というか帰せ! いますぐ家に帰せぇえーー!!」

「ふひひ! 聞こえぬっ、聞こえぬわー!

 我が両腕に抱かれ、糧と化すがよい!!」

してたまるか! おまえを倒し、俺は俺の待つ人たちの下へと帰る!

 負けられない戦いがここにあるような気がする!

 いまこそ、この生産性のないぐだぐだな会話を終わらせるとき!

 うぉおおおおーー!!」

「さあ、こい! 実は私はアイアンクローされるだけで涙目になるぞぉー!!」

「異世界人の勇気が召喚者を倒すと信じて!!」


地文書くのが面倒くさいなんて思ってません。

あーすーすーするー。

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