逃亡者
子爵領の村人達の移住が済、畑が順調に育つ中、古い家の取り壊しを行い、土を整地して、今年の秋は我が領にも小麦がとれるようになるのか、期待と祈りで小麦の種をまいた。
朝食後、お金の使い道に関して、家族で話し合ったが、なかなか良い案がうかばず、街に教会を作ることにした。 協会は灰色レンガの道の一番奥に作るが、使わない家、3軒を取り壊し、石作り教会を作ることにした。 教会には大きな金の女神像を作ろうか、と話している。
私達家族がこんな豊かに暮らせるのは、女神さまが、私に土魔法を与えてくれたおかげだものね。
同時に私の屑魔石の店の隣に薬草店を作ることになったので、資金の方は我が領で全額出すことになった。 薬の店は両領土には必要な物。 ステンドグラスがあると良いんだけど、今のところ、この世界にはなさそう。 ステンドグラスは、必要だと思うんだけどね。 なんとかならないかな?
私の屑魔石の店は生活に必要な魔石を安い値で売ることにして、その代金で細かい魔石で指輪やブローチ、髪飾りなど、アクセサリーを作り、売っている。 魔石は我が領の村びと、他領の貴族も、買いに来る人たちがいるが、買い占められ、高く他領で売られると嫌なので、半年に一度、予約制で5個以内と決めた。
生活魔石を買いに来た人が、アクセサリーを買って行くので、こちらも品切れが多い。
まあ、私とメリーで趣味で作っているので、文句言われても、困るんだけどね。
今度、母様と私とメリーで王都に行く予定なんだけど、皆とても楽しみにしている。
王都の皆が振り返るような、服を作ろうとシェリーも協力してくれて、私とメリーは張り切っている。
そんな、日常の中、魔の森の中で異変があった。
兄とローリーが戻り、父様と魔の森を見回っている時、緑の妖精が現れ、導かれて行った場所に2人の男が以前の祠の中に倒れていた。 緑の妖精さんは、前の祠に残しておいた月の雫の世話もしていて、祠に行ったら人間が倒れていたらしい。
兄様とローリーは、2人を私たちの館に運んだが、どうやら、2人は魔の森の瘴気を吸って、倒れたらしい。 魔の森の瘴気は薄まってはいるが、魔力を持たない者が、入るのは魔獣もいるし、危険な行為だ。 早速中級ポーションを飲ませると、2人は目をさました。
スープを出すと、2人は、貪るようにそれを飲んだ。
どうやら2人は、3年ほど前、辺境伯爵領に出稼ぎに行った我が領の村の住民のようだ。
彼等は断絶した、辺境伯の領から自分の領に戻りたくて、この領に逃げてきたようだ。
2人の身なりはボロボロで、痩せてはいたが、食欲は旺盛で、その後出されたパンや料理をたくさん食べながら涙を流した。 2人はその後の父との話で、2人は兄弟で村のディジーさんの息子達らしい。
辺境伯領のことも聞きたかったので、お父様は2人をこの館に2,3日とまらせることにして、デイジーさんにこちらに来るようマークに頼み、馬車で迎えに行った。
2人の息子とデイジーさんは再会をはたし、喜びに中にいたが、兄のケントがふと顔を曇らせた。
隣に住む、ビルを、辺境伯の館に残して彼らは逃げてきたのだ。
出稼ぎにきた子爵領の息子達は、辺境伯領の館で奴隷のような生活をさせられ3人で逃げだす計画をたてたが、ビルは最近伯爵領主の世話のため、自分達から引き離されたとのこと、、、
現辺境伯の具合は最近とても悪く、聞けば座敷牢のようなところに監禁状態だというのだ。
息子のヘンリーが領主になるのも時間の問題だと、領民の間でも囁かれているが、彼は金遣いがあらく、どうゆうわけか、最近予定していた、まとまった資金が途切れ、税金を最近3倍に高くしたので、住民の中にも困窮する人が多く、辺境伯内の住民の不満が大きくなって彼はそれを治めるのに躍起になっている、との話であった。 私はその話を夕食後に聞いて、うんざりした気分になった。
だけど、許せないヘンリー一世?、家族が働いて得た魔石を自分達の物のように、扱い、長い間、横取りしていた。 その上、我が領土の村びとを奴隷のようにあつかうなんて、、、、
兄様、となりに怒鳴り込みに行きましょう、と言うと、母様も父様もとめず、頷いた。
我が家族および、この館に住む住民は皆怒り心頭だよね。 特にカルロス大尉とローリーは戦闘に行くように、勇ましい。 待って、そんな4銃士に戦いを挑まれたら、ヘンリーバカボンとその仲間は壊滅状態になるじゃない。 困るぅ、子爵領が目立つのは、、、それ大事。一番大事。
私と兄様だけで、こっそり行って、なんとかなりそう。 今こそ、土魔法の恐ろしさをもと婚約者ヘンリーにみせてくれるわ、と私は家族の前で宣言した。
私が兄様がケント達に屋敷の配置を聞き、ビル救出作戦を練っている中。なぜか、ヘンリーからティパーティの招待状が兄のジェラルドのもとに届いた。
魔石の資金打ち切りに関して、兄上に何か頼みたかったのだろうか?
ヘンリー甘いんだよねぇ。 頭が、、、
元婚約者、ヘンリー様、待っててね。 ティパーティでひどい目にあわせてあげるからね。




