パンの香り
次の朝、馬車の中で私はお父様とお母様の馴れ初めの話を聞いて、極上のロマンスに浸っていた。
お父様は以前から美しく気高い聖剣士として、宮中の女官、女性騎士の間でも憧れの存在だったらしい。
2人は同じ男爵家で、マリーのことで、王都に帰ってから親しくなったようだけど、彼が魔獣ラッシュの功績で子爵に上爵したので、結婚は諦めていたみたい。 そんな自分にプロポーズされ、お母様はとても嬉しかったみたい。 2人は姿かたちの美しさではなく、こころの優しさに惹かれ結婚したんだって、、、( ノД`)シクシク… 朝から、美しい両親も見てニコニコ、この心の感動を誰かに話したかったけど、ローズマリーの秘密は守らなくていけないので、一人で胸にしまって、と思い、隣の兄様を見たが、何だレイナ一人でニコニコして、魔の森付近でなんか美味しいものでもみつけたか? って、お兄様、あの場所には、美味しいものなんてありません。 お母様に見守られ、魔石と土をひたすら出してます。 と答えた。
だめだわ。兄様にはロマンスの話は、十年ぐらい早いのかな? はぁ。
肝っ玉母さんのアンナさんだけには、魔の森のことは隠して、おじいさまの遠縁の平民の娘で、火魔法があったので、今まで叔父と、隠れるように生活していた、と話しておこう。 きっと彼女の力になってくれるはずだと思い、アンナさんに相談したら、快く引き受けてくれた。
本日、午前中、お母様が新しくなった馬車でおじい様のところに寄って、彼女と彼女に叔父にあたる人を連れて、我が領主館に連れてくることになった。 私はメリーと相談して、彼女に似合いそうな街の洋品店のドレスを持って来てもらった。 すみれ色の淡い木綿の生地にスカートに大きなスミレの花が咲いていて、小さなスミレの刺繍がドレスに散っている、洋品店で売るには贅沢な、貴族の娘でも着られそうな既製服であった。 その他、デイジーの花やヒマワリの花、ダリアの花のドレス、があるんだって、、、大きな花の部分は薄い布で立体的な花のように、できているので、今までにはないドレスなんだって、、、
新しく出来た洋品店は、連日好評で中には公爵領からきてるらしいお嬢様もまじっているらしい。
作ってもすぐ、買われてしまうので、なんか困っているみたい。 魔リンゴ、花のワンポイントのついた トートバックもこちらは街の人達から人気で、他の領から買いに来る人もいるみたい。 こちらも、大変なことになってるらしい。
洋装店のほうも、金糸、銀糸の縁取りのあるドレスも好評で、高いお金を出しても、買いたい貴族夫人がいるみたい。お金を出してもおまけのポシェットも2,3個欲しがる人がいるみたいだけど、こちらは、断っているみたい。 お母様用にデザインした薔薇の花のドレスと後これから制作する2点のドレスは作らない、あと、カトレアの花はお母様のために使わないで、とお願いした。
あれは、お母様のために私が特別にデザインしたものだから、たとえ王妃であろうと、作ることは断ってほしい。
まあ、自慢たらたらだけど、これは皆私のアイディアじゃなくて、マリーアントワネット王妃、エリザベス一世、ヴィクトリア女王、はたまた、ディズニー映画のプリンセスのパクリなんだけどね。
この街も早くレンガで道の修理をしないと、人がたくさん往来すると、面倒なことになるね。
公園もこれからだと言うのに、焦るわ。
何せ、マチス一家がようやく我が家のピラミッド屋根が出来上がったけど、マチスさんのこだわりのせいで、だんだん屋根が高くなり、ピサの斜塔みたいにならないか、心配だった。 今、村の倉庫とかため池とかに関わっていて、大忙し。
末のビリーはレンガとタイル作りで手一杯だしね。
アンナはローズマリーさんを歓迎するため、たくさんのパンを焼きましょうと言ってくれた。
確かに焼き立てのパンの香りは、幸せの香りがするよね。
その日の午後はローズマリーさんの笑顔と、屋敷中に幸せの香りが漂っていた。




