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不遇王子は脳筋になりたい  作者: 田中恵人
第一章 学園生活リスタート
15/15

第15話 冒険者カキツバタ、土方バイトに行く

 生徒による銃乱射事件から数日。生徒がこの国ででは禁制品である魔銃を所持し、それを乱射、果てには所有者が被害者()に殺害される等、誰も想像していなかった事態だ。それを重く見た学園長により学園は閉鎖された。

 当事者である僕も事情聴取を受けたが、銃乱射生徒が全面的に悪いこと、そして王族の僕に攻撃したこと等、諸々含めて謝罪された。最終的に、僕が彼を殺したことに関しては「正当防衛」ということになった。

 そんなわけで、暇になった僕は冒険者ギルドで仕事することにした。数日間外に出ることを伝え、次の日の早朝、始業式前に契約したボロ宿に向かった。

 事情を知るオーナーのおっさんに挨拶し、冒険者衣装に着替える。一通り準備してフロントに降りると、朝食が用意されていた。


 「……ほれ、食え」

 「あざます!」

 カチカチの黒パンに具のないスープ、水といった粗末なメニューだが、しっかり完食。さらにパンを3個ほどおかわりし、冒険者ギルドに向かった。

 早朝で人が少ない中、依頼が貼られた掲示板に近づくと、興味深いお知らせがあった。

 『王都から半日の距離にダンジョンが出現』

 掲示板の大部分は調査依頼や物資の納品依頼など、ダンジョン関連の依頼で埋まっていた。せっかくだし、様子を見に行くことにしよう。

 目当ての依頼書を一枚剥がし、受付へ向かう。

 「ダンジョン周辺に宿の建設、これにするぜ」

 「かしこまりました!」

 あまり人気のない仕事だったらしく、嬉しそうに受理された。まあ、僕だって討伐依頼を受けてレベルアップしたいんだけど……討伐依頼を受けるには一定の実績がいるとか。面倒くさい制度があるらしい。

 乗り組み馬車を利用して現場に着くと、以前依頼を受けた時に顔見知りになった親方が声をかけてきた。

 

 「よう、カキツバタ!久しぶりだな!」

 「ほんの2週間ぶりですけど…ま、よろしくお願いします!」

 「おう!早速だが、こいつを運んでくれ」

 親方の指差す先には、大量の木材が積み上げられていた。近くの荷車からどんどん資材が運ばれてきて、このままでは資材に埋もれてしまう。

 さっさと移動させてしまおう。

 それから、日が落ちるまでひたすら資材を運び続けた。建設中の家屋と資材の山を何回も往復したり、時には組み立て作業を手伝ったりした。


 「今日は終いだ!撤収すんぞ!」

 初日の作業が終わる頃にはもうヘトヘトで、大の字に寝転びたくなった。

 ある者は家族の元へ帰り、僕のように泊りがけで依頼を受けた者は自分たちで建設した宿で飲み会を開いた。

 温くて不味い酒で夕食を流し込み、好みの女の話で場を沸かし騒ぐ。王族として生きていれば味わうことのない経験に、大きな満足感を覚えた。

 それからさらに3日、宿の建設を続け、建てられた宿は10を超えた。まあ、僕がやったのは資材の運搬と支えてただけで、大枠を作ったのは建設業者だけど。土魔法で壁や土台を作っている光景にはテンションが上がったね。

 5日目には、外にテントを張って過ごしていた冒険者たちを屋根のある部屋へと移し始めた。中には高ランクの冒険者もいて、彼らの武勇伝を聞くことができた。

 

 「5階層にデカい狼が待ち構えててな、死闘の末にぶっ倒したんだ!」

 「フロアボスを倒したのか。すげえじゃん」

 「へへっ、ありがとな!おめえもダンジョンに潜らないのか?」

 「いやあ……ロクな武器もないし、パーティも組んでないからなぁ…さすがにソロはマズいだろ」

 先輩からダンジョンに誘われたが、今の僕では大した成果は挙げられないと思い、断腸の思いで断った。

 せめてスキルがもう少し育ってから…そう自分に言い聞かせた。

 あ~早く学園の授業でダンジョンが行けるようにならないかなぁ。

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