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不遇王子は脳筋になりたい  作者: 田中恵人
第一章 学園生活リスタート
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第14話 授業開始

 学園に通い始めて1週間、編入生の紹介や履修科目の確認が一通り終わり、2年生の授業が始まった。

 今年の編入生は2名で、内一名はヤタガラスだったが、もう一人がなんと、始業式で兄さんに運ばれてた桃髪の少女だった。見ない顔だったから新入生かと思ったが、どうやら同い年だったらしい。

 自己紹介を聞いた印象は、よく言えば天真爛漫、悪く言えば頭の悪そうな感じだ。その後名乗ったヤタガラスが相対的にお嬢様に見える。

 今日、僕は戦闘技能実践の授業を受け、運動場に来ていた。来月から魔物相手の実戦が始まるため、戦闘技能を確認する目的がある。

 今日は二人一組のペアを作成し模擬戦をするようで、先生が指定した生徒と対面する。

 僕の相手の男子生徒はこちらを見下すように下卑た笑いを浮かべ剣を向けてきた。僕もそれに倣って長剣を構える。


 「それでは、勝負開始!」

 先生の合図と同時に生徒が飛び掛かってきた。馬鹿正直に振り下ろされた剣を半身で避け、ガラ空きの体に突きを放つ。

 模擬戦用に刃のない安全仕様だが、それでも鉄の剣。十分なダメージを与えられた男子生徒は後ずさりした。

 「まず一発…いつまで持つかな?」

 「っ!こんなのまぐれだ!」


 予想外の一撃にブチギレた男子生徒は、怒りに任せ斬りかかる。今度はしっかり剣で受け止め、反撃を繰り出す。

 ガキン、ガキンと金属がぶつかり合う音が響き渡る。しばらく打ち合っていると、荒い息遣いが混ざってきた。ほんの数分でスタミナが切れてきたようだ。呼吸の瞬間に加速し、剣の持ち手を斬りつけた。

 

 「さあ、あと一発で終いだ。降参するなら今の内だぞ?」

 もはや言い返す気力もないのか、肩で息している。二撃目で利き手を痛めたのか、反対の手に持ち変え、守りの構えをとった。

 力を込めて思い切り斬りつけてやると、大きく体制を崩す。苦し紛れの反撃を回避し、下から斬り上げ剣を弾き飛ばした。

 「ああ……?」

 剣を弾き飛ばされた生徒は、自分の手と地面に落ちた剣を何度も見直す。どうやら、自分が僕に敗れたという現実を受け止められないようだ。

 

 「この勝負、()の勝ちだ」

 「……ふ、ふざけるな!無能王子ごときに、負けるわけないだろ!!」

 あろうことか、逆ギレしだした。地団駄を踏み喚き散らす様は、幼児のようだ。

 相手にする価値もないと判断し、別の相手を探そうと背を向けたその時――

 ――パン!

 何かが発射される音が響き、それが背中に命中した。

 「ぐあっ……」

 身体が貫かれたような痛みが襲いかかる。後ろを振り返ると、そこには、銃を構え発砲した生徒の姿があった。


 「――おい!魔銃の所持は禁止のはずだ!なぜ持っている!!」

 「うるさいうるさい!無能王子ごときが調子に乗りやがって!!」

 先生が慌てて生徒を制止しようとするが、完全に錯乱した生徒は構わず引き金を引き続けた。

 背中や肩の痛みのせいで立つことができなくなってその場に(うずくま)る。普通ならこのまま意識を失ってしまうだろう。

 「メビウスリング……発動……!」

 魔力を生命力に変換し、最大値を超過。銃撃のダメージを急速に塞ぐ。ゆっくり立ち上がり振り返る間に、数発の魔力弾を受け傷ついた先生が銃乱射生徒を拘束した。

 

 「放せ!はなせぇぇぇぇ!!」

 魔銃を奪われた生徒は喚き散らしている。そんな様子をすぐそばに近づき見下ろす。目が会った彼の表情は、驚愕、そして恐怖に染まっていた。

 随分察しが良いみたいだなァ……!

 

 「ま、待て!落ち着け!」

 僕は拳を握りしめ、頭目掛けて振り下ろした。

 グシャリ、と何かが潰れる音が響き渡った。

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