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瞳を見るとBURST HEAT! VS世紀末格闘少女リズと不思議の格ゲー魔法世界  作者: 綾町うずら
勇者たちと動き出した運命編
94/147

第94話 イヴ

 ・・・・・

 ・・・


 (変な意地、張っちゃった・・そのせいで私の体はもうさらにボロボロね)


(よく考えたら どの道「対空強ナユラ砲昇破・滅」で始まるんだから

同じじゃないの? いや 全然同じじゃないわ 気持ちの問題よ


この「対空強ナユラ砲昇破・滅」は あいつじゃなくて

私から繋いだの ただそれだけ ただそれだけよ 


でもそれで少し気持ちが納得できたわ)


(っていけない ここで満足してちゃいけないのよ


きちんとこの「対空強ナユラ砲昇破・滅」を発動させきるのよ)


・・・・

・・

「( ねえ・・そうでしょう?「イヴ」 )」


そこは宇宙を流れる銀河の川のような

リズの脳のイメージ内の幻想的な世界


今はまだ遠くにいてイヴの姿は霧に隠れて その奥に姿は影も見えていない

私の声が聞こえているのかもわからない



対空強ナユラ砲昇破・滅 

これは・・力をためた後Pコマンドと→↑↑↑を

完璧なタイミングであわせたオリジンのイヴの闇の殲滅対空技


リズの宇宙を流れる川に浮かぶ、

今は消えているコマンドのランプの灯りを見る


まずPコマンド連打による起動で力の圧縮が始まる これはもはや慣れたもの

(PPPPPPPP・・)(ポウ・・!)

光の速さでランプは点灯する

「ズオオオオオ・・!」

リズの右腕に莫大な力が蓄積してこもっていく


(スッ・・)

次のランプの元に私は進んでいく


あの魔人化ドラゴンロードマンの体はリズの滅拳メギラによって

まだ空中で打ち上げられて動いている途中なので

追撃のようにタイミングを嚙合わせるのは

通常のタイミングよりはるかに難しい


その上昇する軌道をリズは正確に予測して脳を流れるPコマンドを押す

「P・・」 (ポウ・・!)

ランプは点灯する


私はまた星の流れる川をひとつ進んでいく


・・・

「  」

すると霧のかかった川の奥の方にイヴの後ろ姿が見えてくる

今はまだ背中の機械の翼に 

赤の混じった淡いピンクの奇麗な長い髪がたなびいていて

僅かな光を放っているのが見えるくらい


(イヴ・・)


次のランプのところにやってくると

続けて2つのランプの間隔がいつもより近いことがわかった

これはいつもと違うタイミングを自分で見極めなければならないということ


巨大な竜人の体に的確に刺さるポイントをよく見極めて

方向キーの比較的連続した2つを続けざまに心の刻みで押していく

(→↑・・タイミングは間違えない)


(ポウ・・!)

正確な捌きでまたランプは点灯する


私は一気に宇宙の川を前に進む


そして最後に残った2つの矢印↑↑と

ようやく近くにまでやってきたイヴの姿


イヴは立っていて相変わらず星空の向こうの方を向いていて

その表情は見えない


「(このままもう一歩近づくわ・・イヴに私の手の届くところまで)」


(私の脳の軌跡にある方向キー↑・・ここよ)


「ポチ・・!」

迷わずにそれを押す


すると


「え・・・・!」


「「   」」フッ


それまで近くに見えていたイヴの姿が突然 光の粒子が舞って

パッとその場から消えた


(うそ・・)

(失敗・・した・・の? そんな・・)


だけど

((ポウ・・!))

ランプは点灯した


(え・・?)

私はそのまま星の流れに乗って最後のランプの所までやってきた

そこはさっきまでのイヴが立っていた場所だった


・・・

でもそこには今は誰もいない

その先にも誰もいない 


銀色の砂丘のような地面に私は立っていて

ただ誰もいない銀河に星々が奇麗に流れ星になって

宇宙の中心の奥へ奥へと吸い込まれるように流れていっている景色が見える


(これがイヴが見ていた景色なの・・)

それはとても幻想的で奇麗な景色だったけど

こうして一人で立っていると それはとても寂しい場所のようにリズは感じた


そして私は同時に感じていた

その息吹を



「 イヴ ・・」


イヴは宇宙の川の先でも私の前でも横でもなくて


私の後ろにいた 本当にすぐ後ろだ 息のかかるくらい



「「 来たわね・・ リズ 」」


イヴの声が私の耳のすぐそばで聞こえる

重なり合ったようなその声は

私の声に少し似ていて不思議な気持ちになる


イヴはその悪魔の両腕を優しくそっとリズの肩の辺りから前に

背後から抱き込むように包んでくる


リズよりも少し背丈の大きな体

イヴの腕は右腕は私の腕のように機械化した装甲がついていて

左腕は装甲は少なくて肌の出た部分は透き通るように白く 

その指先には血のように赤い色をした悪魔の爪がついていた


私はそれを拒んだりしない 

でも私の腕は戦闘の時の血に濡れたまま 

まっすぐに下がったままで

ただ立ってイヴのことを受け入れている


振り向いたりしていないので 

その声と見えている両腕以外のイヴの様子はわからない

だからイヴが私の後ろでどんな表情をしているのかもわからない


・・・

(イヴ・・今日はこんなに近くにいる・・うれしい


だけど・・前は近くはあったけど こんな距離にイヴがいたことはなかった


何かいつもと違う・・ いつもと違う予感がしてる


それは最後のランプを灯せば いよいよ殲滅技を発動できるから・・?


それとも・・)



((ククク・・!!))

(  !  )


(( リズに少しだけ 

あのオリジンの怪物に乗っ取られてしまった、勇者アギトの歪んだ表情が

頭によぎる ))


・・

少し近くにいたイヴの息遣いが荒くなって 

私を包んでいた悪魔の右腕に力が入っていき

なんでも捻って壊せてしまいそうなほどのその力がリズの近くに

私の中に伝わってくる


(イヴは・・私のこと・・)


「 リズ・・ 」


その時 イヴの重なった様な妖しい声が私の耳の中に響く

(ドキン・・)

(私の心臓が高鳴る)



「 リズ・・ ひどいケガをしているわ 」


(・・・・)

私の中で何か暗いものがスッ・・と抜け落ちて

透き通っていって楽になった様な気がした



「ふふ・・そうなの あなたのせいよ」


そういってリズはその血に濡れた右腕を

イヴが包み込んでいた右腕にそっと添える


「 あら そうなの? でも大丈夫よ その最後のランプを灯せば

すぐに良くなるわ」


「・・イヴ、私 あなたと一緒になるの・・?」


伏し目がちにリズはイヴに問いかける

・・


「 そうね でも 私の力はあなたに使ってもらわないとダメなの


私は壊し続けるだけのどうしようもない存在・・


私だけで使っても私の力はただ破壊と殺戮をもたらすだけなの


私と一緒になってもあなたが私の力を使い続けるの


けして私だけに頼ってはいけないわ 」


(壊し続けるだけの存在・・?イヴが?)

「わかったわ・・でも イヴ あなたに会いに来た存在がいるの


そいつはイヴの持つ力が世界を破壊したがっていて

そいつと一緒にいく意思を見せるかもしれないって」


「 ・・あの魔人化ドラゴンロードマンのことね

不滅の魂・・ 天地を焦がし

天界の神々にその狂える牙を剥いた竜たちの王の意思を継いだ滅戦士

()()()()()()()()()なら私もついていきたかったかもしれないわ

それこそ衝動のままに世界を破滅させるために、ね 」


「え・・」


「 今はあなたがいるからそんなことは思わないわ


それにそいつは違うわ  

彼はもう眠った


色々と古い血の人間が混ざり合っているようだけど・・

大元の中身は別世界で意思を持っているただの人間


残虐な彼の性質だけを受け継いだ戦いたいだけの人間 

私とは別の破滅をもたらす強欲な存在・・


いいわ そいつは私に会いにきた 私の客ということね


なら回復して体の準備ができたら私が出るわ 

でもすぐあなたに返す 私も怖いのよ 私の力が


リズ あなたにとっても・・ 」


「なに・・?なんなの? もしかして・・力の代償、とかの話になるの?

あんな力 私が今までタダでバカスカ使っていたようなものだもの」


(・・・)

「 私はあなたにそんなもの求めないわ 今までも求めなかったでしょう?


 ただ・・」


「ただ・・?」


「 知っているでしょ? リズ 私も あなたとすごく似ているの


実はオリジン必殺ゲージも今までの分が溜まってて()()()()()なのよ



だから・・ 「 初回は手加減できないわよ 」 それでも・・いいわね?」


(・・・・)

それはなんだか意外な言葉で

私はイヴに少し近づけた気持ちになった


(ふーん なんだ な~んだ、そんなことね)


「なんだ! そんなことね! OKよ ばっちりかましてやって!」


「よくいったわ 絶対に許さないという気持ち、大切よね」


「ふふ」


・・・・

・・・

「 ・・じゃあ いよいよね リズ」


(あ・・)

イヴが私を包み込んでいた腕を強く締め付ける


「うん・・」


イヴに添えた血に濡れたリズの右腕から血が伝って

イヴの腕も少しリズの血で染まる


最後のコマンドのランプはリズの目の前にある



「(タイミングは・・ 間違えない)」


リズは静かにその紫と桜色の混じる不思議な淡い色の目を閉じる


もう目を閉じてもタイミングはしっかり見極めたから


((  ))

イメージのそのボタンを押す


そしたら またリズはゆっくりと目を開ける



その瞳の色は 今は深くなって妖しく輝いていた




・・・

その瞬間


精神世界からリズは一気に意識が引き戻る


((ズアアアアアアア・・!!!))

傷ついたリズの体の内側から絶大な力が膨らんでいく


「メキメキ・・!」(バチ・・バチ!!)

リズの全身の体の傷は一気にふさがっていき 

右腕の装甲は邪悪なオーラが渦を巻き 

さらに異様に強化されていって輝きを放ち


「ジャキン!!」

リズの背中から解き放たれたように機械の翼が生えてくる


機械でできた翼は一部が変形して一時的に砲塔のように長く伸びていき

まるで敵に標準を合わせるように瞬時に広がって



「  対 空 強(たいくうきょう) ナ ユ ラ 砲 昇 破(ほうしょうは) ・ めつ  !!!!」



リズは天にむかって 

その悪魔のように邪悪なオーラが噴き出して纏った拳を突き上げる


「 なにいい こ、これは・・!!」

その拳は滅拳メギラで打ち上げられたドラグ・バルバロイの腹部に直撃する



「ズギャアアアアアン!!!!」


「 うぐがあああああ!!!」


拳を直撃で突き上げられて さらに上空に打ち上げられたドラグ・バルバロイ


(ピピン・・)

直後に標準をあわせていたイヴの機械の翼の砲塔から

一斉に複数の闇の殲滅のビームが照射される


「ビギュウウウウウン!!!」


「 が、があああああ!!!」


一撃一撃が強力な殲滅ビーム攻撃がドラグ・バルバロイの体を空中で

次々に貫いていく


「ゴゴガガゴゴゴ・・!!」

ドラグ・バルバロイは地面に叩き落とされ 

そこに残りの砲撃照射が光となって流星のように降り注いで爆発を起こし

近くの岩場が崩れてドラグ・バルバロイは崩れ落ちた大量の瓦礫に埋まっていった


・・・

「・・・」

「(ピシュウウウ・・!)」

その超兵器ビームの残光が空中で機械のような翼を広げるリズを照らす


(・・・!とんでもない威力・・初めてだったけど 

この世界でイヴの対空技の力が実際に発動するとこうなるのね)


・・・

「ひとまず 当てたわね・・ ていうか私、普通に宙に浮いてるわね・・」


すっかり傷の治りかけていろいろ生えてきた自分の体を見る

ばたかなくても翼から常に強いエネルギーが放出されていて

空中で体幹の状態を維持できている


(これがイヴがいっていた 大丈夫っていうことね

不思議ね・・これが一緒になった憧れのイヴの体・・ケガももう治る・・

なんでかしら 初回だから・・とか?)


その時


「ガアアアン・・!!」(ガランガラン!)


ドラグ・バルバロイに積もっていた瓦礫の岩が乱暴に投げ出される音がして

煙に影の姿が現れる


「!」

(あいつ・・あれを食らってまだ・・!)


「クハハハハ・・!!! とうとうでたなあ・・!「イヴ」の力だ・・!!」


ドラグ・バルバロイは全身がボロボロになっていたが

まだ動けるようで 

まるでおかしくなったように目を血走らせて私の方を笑いながらまくしてていた


・・・

「(リズ・・、ケガは治ったわ あいつね 少しでるわ)」

イヴの声が意識の近くに聞こえる


リズはイヴの意思に託す

(お願いね)


その瞬間


意識が光に包まれたような感覚に陥って何も見えなくなって

全身の力が抜けて楽になっていった


(ああ・・今は私はイヴに体を明け渡したのね・・このまま眠って・・)


(・・あれ?)


・・

逆にだんだん視界がクリアになってきて 普通にさっきの風景が戻ってくる


どうやらイヴの意思で私の体は動いているようだけど

どうも私の意識はそのままフワフワ同居している

(・・背後霊って、こんな感じなのかしら・・)


「(あれ・・イヴ 私に「今は私の中で眠りなさい・・」とか言わないの?)」


「(なにいってるの いうわけないでしょ 

力の扱いはあなたがいないとダメっていったでしょ 

それに一人でいたら私が寂しいでしょ)」


「(ええ・・)」



・・

ドラグ・バルバロイとの戦闘が再開される


「 どうだあ・・!分かるようになっただろ! リズ!! 

さぞこの世界はお前にとって退屈だったろう!!


さあ俺たちについて来いよ!! 

この世界を今こそ俺たちの力で地獄に塗り替えようぜ・・!!」


(この世界を地獄に塗り替える・・?)

リズは普通に意識があるので このやり取りをイヴを通して聞いている



「 はあ・・ 消 え な さ い 」



「 滅  閃  殲  撃(メギドラブラスト) 」



(なっ・・イヴ・・!)

イヴはドラグ・バルバロイの言葉など一切聞いていなかったように

即右腕を突き出すと イヴ・バスタードツイン・デストロスの

オリジン必殺技である滅閃殲撃メギドラブラストを発動させる


「「「  」」」ギュン

イヴの邪悪な右腕に

周囲からさっきの対空強ナユラ砲昇破の時よりも光が集中し

広がった機械の翼から

エネルギーが光の玉となって散らばって

さらに手のひらに集まり、集約されて そしてその大いなる閃光が弾ける



「「ズギャオオオオオオオオオン!!!」」


「な、なにいいい!!?ち、ちきしょ「邪獄・・  」


ドラグ・バルバロイは何かの術で対抗したようだが

一瞬でイヴの放った必殺の巨大な破壊のビーム閃光に埋め尽くされて

聞き取れなくなる


(ズズ・・・ズウウン・・・!!・・!)


衝撃で爆風が巻き起こって 

あおられた風でイヴの流した髪が後ろにたなびく


ビームを撃った右腕から大量の排気煙が噴出して

(ブシュウウ・・!!)と音をたてる



「はあ・・誰? 気安くリズの名前を呼ばないでくれるかしら

気持ち悪いでしょ 」


そういってイヴは空中で浮かびながら 技を撃った右腕の感触を確かめている

(すごいわ・・さすがにあれを直撃したら勝負は・・)


・・・

イヴが滅閃殲撃メギドラブラストを放った場所の煙が晴れていく


「!」

「うっ・・・かはあ・・・ああ!あ゛あ・・!・・・!」


(こいつ・・本当に、しぶといわ・・!なにか仕掛けがある・・?)


そこにはドラグ・バルバロイが伏せて倒れていて

全身がボロ雑巾のようになっており でもさすがに体はもう動けないようで

頭だけを上げてこちらを恨めしそうににらみつけている状態で

ブスブスと煙が出ていた


「てめえ・・くそ がああ・・! 」


「 まともに話せる人間になってから出直しなさいね 誰かさん」


「 はあ・・?何言ってやがる

お前も人間じゃないだろ? リズ この化け物がよ・・!」


「 私が人間であろうとそうでなかろうと

そんなのはどうでもいいことなの


なぜならそんなもの私はすべて破壊するから 」


(・・!)

「! ああ・・そうかあ 「イヴ」・・というわけだ


今のお前は本当に あのイヴ・バスタードツイン・デストロスというわけか・・


いや、だが本来 お前はそんなはずは・・


チっ・・、お前も話が通じねえかあ・・


ふ、くく、くくくくく・・・!!」


ドラグ・バルバロイは一人だけで異常に笑い始める

(こいつ・・なにを・・ もう自分で動くことは・・)


「 そうかよお・・!だが俺の本来の役目はなあ!

お前が「力」を使えるか確かめるだけだった・・!


最後まで見てやろうかと思ったが・・

どうやらそれはへまをしちまったらしい・・、 


「 「ナイトメア、ゲート・・!!」 」


「!?」

ドラグ・バルバロイは倒れたまま手元だけが怪しく光っていて魔法が発動する

(こいつ・・!ここでまたあの転送魔法を・・!危な・・)


(・・?)


「シュイン」

だがその魔法は弱く 規模も小さく 

イヴとは離れた場所に起動していた


ドラグ・バルバロイは その「ナイトメアゲート」を移動させるのではなく

今度は逆に何かを召喚をするために使っていた


「ズズズ・・!」

そこから闇の術式によって何かが召喚される


(え・・?)


「「  」」

それはこのトルマドルマ洞窟ダンジョンにも生息していた、

「ゾンビ」の魔物だった


(使い魔戦力として・・? 今さらこんな魔物を?)


「・・・!」


それを見たイヴが 黙って悪魔の右腕をそのゾンビに対してさし向ける

(ズオオオオオオ・・!)

オーラがまた急速に渦巻いて邪悪な力がたまっていく



「 滅 閃 殲 撃(メギドラブラスト) 」


(え・・?)

リズは驚く

(イヴが必殺技を即再度使用したこともだけど

あの魔物のゾンビ相手に・・?)


するとその「魔物のゾンビ」がイヴのエネルギーが到達する直前で

右腕のようなものを上げるのが一瞬見えた


「ズオオオオオオオオ!!」


魔物のゾンビはそのままイヴの光に飲み込まれ・・




「「・・・ 超 星 (ビッグバン)・ ギャラクシー ・・!!」」



「!!」


(え・・!その技・・)

「ズ・・ズギュウウウウウ・・・!!!」


突如ゾンビがいた辺りから

海の底の栓を抜いたかのように異次元の爆発的なエネルギーが噴出し

さらにイヴの破壊光線をまるで空間を捻じ曲げるようにして相殺する


(相殺した・・!あのイヴの滅閃殲撃を・・!)



「 ・・厄介なのがでてきたようね」


・・・

すさまじいエネルギー同士が相殺され

未だに渦を巻く濃い光の粒子の残塊が辺りを立ち込めた場所から 

その異常な「ゾンビだったもの」が姿を現す


途中までイヴの攻撃を受けていたようで

そのゾンビの上げた右腕はボロボロでちぎれかけていたけど原型があった

その異常なゾンビの足元からサラサラと銀色の光が流れていって


(これは・・!)

「シュウ・・」

その光が去った後には しっかりとした何者かの足元があって

その光の粒子が徐々に体の上の方に上がっていって

影のかかった何者かの胴体もそこに現れる


体の上の方まで光の粒子が上がってくると 今度は光の形も変化して

まるで羽の生えた虫のような光の電子生命体の群れとなって

それが一気に溢れるように現れて 

残りの上半身の部分と

ボロボロになった右腕も一気に覆っていき 


「「  」」


そしてそれはやがて姿を現した


「ザ・・・!」


(これは・・)

「(ハスラーキッドの・・あの隠しコードの漆黒の怪人の姿・・!)」


怪人の頭の辺りを細かく回っていた電子生命体たちが

その周回をフワッと広げて緩めると 

その場所にはただ一人の怪人が立っていて


暗い影のような幅の大きい帽子を深くかぶって

無機質な目元からはわずかに冷たい銀色の光が灯っているのが見えた

辺りを包んでいた光の粒子はなくなり 

漆黒の戦闘コートに身を包んだ怪人の完全な姿となった


「・・・・」


現れた漆黒に銀の光を纏った怪人は

イヴのエネルギー砲に対して向けていた右腕をゆっくりと下げて

一言も発さず ただ黙っているようだった


ドラグ・バルバロイが瓦礫の中で倒れているまま声をあげる


「くくく・・いい判断だったが間に合わなかったなア


・・おい!「ハスラー」! そいつがイヴだ

叩きのめしてやれ! 力づくで連れていくぞ!!」


(・・!)

「・・・・」


(!ハスラー・・?

この怪人・・、やっぱりハスラーキッド・・なの・・?)


(っていうことはクルード・・なの?


でも・・ハスラーキッドは私たちの味方?なんじゃなかったの?

私をあの時助けてくれたんじゃないの・・?


それとも・・この世界のクルードもつかまったって前に手配書で見たわ

・・!まさか・・、

もしかしてカーニバル・ジャッジとの あの対戦で見た、

行方不明になった英雄たちのように

クルードも捕まって人形みたいな敵の駒になってしまったんじゃ・・)


無機質な冷たい眼光を放つ怪人「ハスラー」の姿を

イヴの目を(かい)して見る


「 人間じゃない、わね・・」

イヴは静かにだけど確かにそう言った


(え・・?)

(人間じゃない・・?ってことはクルードでもないっていうこと?

じゃああれは、なんなの・・)


・・・

ここで初めて謎に包まれていた銀色の影の怪人が声を出す

それは向かい合ったイヴに対して発せられていた



「 オレハ コノ世界ヲ破壊スル ・・ツイテ来ル気ハ アルカ? 」


それはまるで機械の電子音のようで人間の声ではなかった


(!この世界を破壊する・・ですって・・、)


「あなた誰よ?」

イヴはそれに返答する


「 オレハ 何者デモナイ 名前モナイ 」


「あらそう ついていく気はないわ 誰かさん」


「 ソウカ 承知シタ 」


「こっちは物分かりがいいのね」



「 デハ オ前モ ココデ 消エロ 」


敵の漆黒の影の怪人の目の奥が

ポウ・・と赤色に光って体から先以上の絶大な戦闘オーラが湧き上がり始める

(なあ・・!)


「・・さっきからあなたたち

 私をどうこうできる気でいるのが気に入らないのよ・・

それにこの私に対して消えろですって・・?


 絶対に許さない 

あなたたちとここにあるもの全てを破壊してやるわ・・!!」


(え・・!)


「ちょうどいいわあ ここには()()()()()じゃない・・!


私の()()()()()()()()()を使い切るわよ・・!!」


(!!)

「(ピイイイン・・!)」

するとイヴの体の中で

これまでとは格段に違う何かの力の感覚で溢れて

ごっそりと何かが消費される感覚がリズの意識にも伝わってくる



「「「 キィン・・! 」」」

「「                    」」

直後にイヴの体から必殺の光が下にも上にも真っすぐ貫通するように

蒼白い光があふれて一瞬で地下空間の地面と天井に達していた


「!!」

(なにこれ・・!これもオリジン必殺技なの・・?

私はイヴのそんな伎見たことない

そもそも今までのイヴの力はフルゲージじゃない・・?

今まで溜まった分 って言ってたわ・・!

必殺ゲージが1本どころじゃなくて超過分たまっていたっていうこと・・

ということは、、これは)



「 さあ・・!目覚めなさい・・!! 

この場所をあいつらごと破壊しつくすのよ!!!」


(!!)

「(ゴゴゴゴゴゴ・・・・!!)」


その声に呼応するようにダンジョンの空間全体が揺れ始める


その時


((  ゴオ・・!  ))

「キィイイイン・・!」

だがそのイヴの力を前にしても全く意を介さないように

敵側の漆黒の怪人ハスラーは自身の力を開放して前へ一歩踏み出してくる


(!!こいつ・・このイヴとやり合う気なんだわ)


まるで恐れを知らない

オリジンの破壊と殺戮の化け物同士の戦いが始まろうとしていた


だけど その瞬間


「ズオオオオオオオオオ!!」


「(ええ!!)」


漆黒の影の怪人の足元の地面が 突如光り始めたと思うと

「ピシ・・!」

広い範囲の地面に亀裂が起き そして穴が空いて

地下からとんでもない高エネルギーの光線がやってきて

ダンジョンの地面をえぐり取って



「「ボゴオオオオオオン!!・・!」」


それが怪人のいた場所ごと光が飲み込んで

さらに光線はダンジョンの天井にも届いて その一部を破壊していき 

(ズシュア・・!)

怪人ハスラーの姿は完全に光線の中に飲み込まれて消える


「ズオオオオ・・」「ズイイイン・・!」「ズギョオオン!」

さらに他のいたる場所からも次々と地面の亀裂から光がでて

そこから光線が撃ち上がってダンジョンごと破壊していく


(何よこれ・・!なんて規模の破壊の力なの・・!

あのダンジョンの硬い岩盤層ごとなんてめちゃくちゃよ・・!! 

一体なにが・・!)


(!!)

「ドオオオオオ・・ン!!!」


すると地面の亀裂の中から

「   」


「ズゴゴゴゴゴゴ・・!!!」

ダンジョンを破壊しながら

大量の宝石を含んで光る岩石と共に

とにかく体の長くて黒い姿の怪物が地面を割って這い出てきた


「!」

(これがまさか・・!あの壁画で見た

このダンジョンの火山を一周したっていう大昔の伝説の悪魔の大蛇・・?)


と思ったけど

それはムカデの化け物のような装甲とヤスデの特徴が混じっているような姿

幾重もの円形の口に鋭い牙がずらりとついた、

遥かに巨大で異様に体の長い多脚虫の姿が現れる


(いや・・ちがう、これは・・私が最初いたダンジョンの下層にいた

あの巨大な虫の体の一部だったものだわ・・!!

見えてた一部だけじゃなくて 

ちゃんと全身があったんだわ・・動いてる・・!!)


「ゴオオン!」

その現れた巨大な虫がまた地下から大量の破壊した岩石を噴き上げながら

ダンジョンの天井に届きそうなところまで突き出てくると


「ズウウウウン・・!」

今度は泳ぐようにしてまた地下に潜るように下に頭を向けて戻っていき

また地面を破壊しながら地下の空間に縦穴をぶちあけていく


青白い光線が地面のあちこちから絶え間なく吹き出して

破壊されていくダンジョンの様子を見て


「 うふふ・・!いいわ・・! 全部よ・・!全てを破壊するのよ・・!!」


(イ、イヴ・・!?)


イヴは恍惚な表情を浮かべて

さらに右手で何かを操っているように

器用に赤い爪のついた奇麗な指の形を指揮するように次々に変えている


「ピシ・・ピシピシ・・!!」

(ズスズ・・ズズズズ!!!)

すると決定的になにかが失われたような音がして

今度はダンジョンの今いる地面が 

大きく揺れて崩壊を起こし 一部が下の地下空間に落下し始めたのだった


(!!!)

「きゃあ・・!」


すると遠くの勇者ミトラが避難している辺りの地面にも

すぐ近くに光線が吹きあがってその地面が崩壊しかけているのが

今のリズが見ている上空からも分かった


(ちょ、ちょっと・・・!!! イヴ!! 駄目よ!!やめなさい・・!)


「うふふふふ・・!」


しかし恍惚そうな表情のまま 全然声が届いていない様子のイヴ


(こ、こいつ・・!聞いてない・・!

全部って 味方も含めてほんとに全部じゃないの!!)


「(ええい! 駄目よ!! 駄目!駄目ったら駄目!! 返せ!!

返しなさいよおおお!!イヴ!! うおおおおお!!!)」


((  ))

「・・・!!」

直後に体がピクン!となるイヴ


リズが気合でイヴから背後霊の姿のイメージで

もみくちゃにしてすごい力で無理やり意識を取り戻そうとする


「(あ・・!ああ わ、わかったわリズ おこらないで

初めてで抑えが効かなかったのよ・・)」


「(いいから止めて!! よこしなさい!!!)」


「!」

(キイイ・・イン・・!)

気が付くと声が出せるようになっていて また体に意識が戻って

動かせるようになっていたリズ


(戻った・・!)


「ゴゴゴ・・」(・・・・・)

するとそれまでイヴが操っていた巨虫の体の動きが

(つか)えがとれたようにピタリと鎮まって下層に沈んでいく


「(こっちのアスラがいる方の地面はまだ大丈夫だわ・・! 

あっアスラ・・!!)」


本体のドラグ・バルバロイがリズとの戦闘によって

深刻なダメージを受けたからだろうか

アスラの体をそれまで拘束していた「獄炎刀」の変形は解かれていて

「カランカラン・・」

斜めに傾いた岩盤を下って アスラの方から離れて落ちていくところだった


(バタリ・・)

だけどアスラはもうとっくに体力の限界だったみたいで

拘束されていた岩場のその場でうつ伏せに倒れていて動いていなかった


「アスラ・・!」


その時


「きゃああ・・!」

地面の崩落はまだ止まっていなかった

勇者ミトラのいる地表は今勢いよく下層に大きく崩れ始めていた


「ミトラ!!」

(ギュワーン!!)

リズは今にも落ちてしまいそうな勇者ミトラの方に飛んで一気に近づく


「リズ・・! あっ・・!リュックが・・!」

少し離れた場所にあったリズのリュックが先に暗闇の底に落ちていく


「そんなものいいから! 私にしがみつきなさい!!」


「あっ・・!」


リズは飛びながら変形した右腕ではない片手でミトラを抱え込む

勇者ミトラはまだ力が戻っていなかったけど

必死にリズに差し出された左腕にしがみつく


「(ガラガラガラ・・!)」

ミトラを抱えて空中に飛び出した直後に完全に崩れ落ちた足場


(リュックは・・駄目ね 今はミトラを安全地帯に・・!)


・・・

「リズ・・、リズなの? 姿が前より変わってるわ

それにここにきてから わけのわからないことばっかり・・」


「そうに決まってるでしょ! 振り落とすわよ

後で話してあげるわ 今はやることがたくさんあるの 「滅拳メギラ!」」


リズは左腕でミトラを抱え込んだまま

地下の空間にスピードをあげて降りていくと

右腕で下に向けて滅拳メギラを炸裂させる


「ズギャアアアアン!!」


クレーターができて周りの岩石が吹き飛んで開けたスペースができる

その場所にイヴの翼を変形させて速度を抑えて着地する


(ここはもう足場が周りも落ちた場所 岩はたぶんもう落ちてこない)


「ミトラ ここにいればしばらくは安全だと思うわ ここにいて」


そういってミトラを抱えていた腕を緩めて そっとミトラをその場に降ろしてから

リズはすぐ飛び立とうとする


・・・・

(・・!)

ミトラはほんの少しだけ魔力がまた動かせるようになって

それを足に集中させることでなんとかその場で立つ


(リズ・・!私もたたか・・ いや・・

今の私じゃ完全に足手まといね・・なら・・)


「リズ・・!まって これを持っていって!!」


(はし・・)

ミトラは寄りかかってリズの装甲化した腕を弱弱しく掴む


「・・・」

それを見てリズは思う

(さっき私の姿が違うってミトラは言ってた・・

それにしっかり私の変化した腕を見て掴んでる

強い聖属性を宿した目・・ミトラには私の力が見えてるのね・・)


そこからミトラはリズの胸元に自分の胸元から

いつかリズと一緒に買い物で買った高級ポーションを取り出して押し付ける

(ぐい・・)

ミトラが負傷したときはリズに別のポーションをかけられたので

そのポーションは結局使わないままだった


「・・! こんなものあったら自分で使いなさい!」


「いいから・・!このポーションは状態異常には効かないの

今の私じゃ役に立てないから これが精いっぱいなの

やることたくさんあるんでしょ!! なら持っていって!!」


「・・ならもっていくわ」

再度胸元に気迫で押し付けられたので リズはそれを持って飛び立つ


・・・

・・

リズが飛び立ち

その場に残ったミトラ


リズの滅拳メギラによって散乱した宝石を含んで光るダンジョンの鉱石と

横たわる謎の巨大な虫の体の脊椎の一部が目の前にある


(・・・)

(リズ・・行っちゃったわね)


(途中でなんとか立ち回ろうと思ったけど 

全然体が回復しなくて動けなかったし

めちゃくちゃ危険な攻撃が飛び交って下手に移動もできなかったわ・・)


(でも今ならようやく光オーラを足に寄せて これで少しは移動はできる

これ・・あのさっき暴れていた大きい虫だわ・・死んじゃったのかしら?

動かないわよね・・?


そうだわ・・さっき落ちたリュックを探してなんとかできれば 

リズにはここにいてって言われたけど・・)


「!」

「(ガラ・・!)」


その時

ミトラの視線の先の遠くに「獄炎刀」の刀身が落ちてきて音をたてた

「ガシャア・・!」



(あれは・・あの怪物が持っていた異常な剣だわ・・!)

(・・・)


(・・・あれは聖剣じゃなかった

あれがもし魔剣のようなものなら・・今の私の力で破壊まで出来なくとも

私の持つ勇者の魔物の封印術の技であの剣を封じることができれば・・!)


「やってみましょ・・!」


勇者ミトラは落ちてきた獄炎刀の反射すた刀身の光の跡を

目に焼き付けてその場所に向かって歩きだす



・・・・

・・・

勇者ミトラから奇麗なガラス瓶の高級ポーションを受け取ったリズ


「(しかし結局受け取っちゃったわね・・まあいいわ

これからイヴの力で回復できるとは限らないわ 

オリジンのイヴにはそんな力はなかったから 自分で回復が使えた方がいい


そうだわ 獄炎刀も離れたし今なら手薄

アスラを回収してアスラも安全地帯に一旦・・!)」


(ギュイーン!)

「(アスラ・・!)」


アスラが倒れている地面は大きく傾いているけど まだ崩れていない


(もうすぐよ・・!)

リズはそこに向かって 上の階層に上がるために高度を上げようとする


と そこに


「(ズギュギュ・・!!)」


まるで影の中から時空をゆがめるようにして 

リズの進路に立ちふさがるように漆黒の影の怪人が現れる


「!!」

(影の、怪人・・!)


(そんな・・あのイヴの光線に巻き込まれたはずじゃ・・!

そのおかしな亜空間の技で躱していたっていうの・・?)


現れた影の怪人の姿はダメージを負っているようには見えなかった


影の怪人にく手の進路を塞がれて

リズは翼での上昇をとりやめて その場で止まって戦闘態勢をとる



「ゴゴゴゴ・・!」


(・・・)

「(ここで・・くるのね・・)」


「・・・」

リズの姿を探知して向かい合った影の怪人がゆっくりと腕を構え

おびただしい電子生命体が上半身の周りを

戦闘オーラと共に徐々にゆっくりと回りはじめる


そしてリズの方を見るとその影の怪人は言葉を発する


(   )


「 似テイル・・ 」

「 ダガ オ前 デハ ナイ・・ 」


「・・!」

(何よ・・、私・・じゃなくてイヴの方を所望だったわけ?


この影の怪人・・全然確かな正体がつかめないけど・・

だけどもしかして

向こうの世界でハスラーキッドのアカウントが追放されてからも

オリジンのランキングには直後に別のハスラーキッドは現れていた


そしてドラグ・バルバロイはそのアカウントの戦闘機能を借りて

私に接触してきた・・


それがまさか・・

でもイヴはさっき人間じゃないって・・それは一体どういう・・)


(でも残念ね 今はもう私なの 力は使えるけどね

私があなたの相手をする・・!)


(だけどこの怪人は

あのイヴの必殺の力を受けてもまるで無傷・・

とにかく・・私が持てる力を尽くして戦うだけ・・!)


「  」

深い水の中に潜る前のように息を吸い込み意識と気を集中する



リズの戦いは始まった


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