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瞳を見るとBURST HEAT! VS世紀末格闘少女リズと不思議の格ゲー魔法世界  作者: 綾町うずら
勇者たちと動き出した運命編
92/147

第92話 激突ドラグ・バルバロイ

 「 さあ楽しい時間の始まりだ・・ 」


 「 お前も勇者ミトラのように軽くひねってやろう・・! 」



その剣は力に歪んだ地獄のような炎の中から

紋様の刻まれた異形の強靭な腕によってゆっくりと引き抜かれる


(ズシュア・・!)

異様な竜人の姿をした煉獄の魔法使いドラグ・バルバロイは

常時凶悪なオーラを噴き出す赤黒い大剣を片手ではなく

その両手に構えて大きく振りかぶる


(ズオオオオ!!)

対するリズはコマンドダッシュの力で一気に勢いと距離を詰めて

その間にも右腕に内包したエネルギーは風鳴りのようにバチバチと高まっていき


滅拳メギラ!!」


「ズガギャアアアアアン!!」


リズの滅拳メギラとドラグ・バルバロイがせり上がるような両腕の筋肉で構えて

振りかぶった重い大剣の刀身が衝突する


「バチバチ・・ギシ・・!」

互いから出会ってせめぎ合う強力なオリジンの力と力


(やっぱり、魔法の力なんかじゃない・・!)


凶暴な力で打ち放たれた重い大剣と拮抗するリズの拳

「(この威力の滅拳メギラを当然のように守ってくるわね・・

オリジン、ワールドプレミアム最上位の世界の住人・・

この化け物・・!こんなのどう見たって魔法使いの戦いじゃない・・! )」


せめぎ合いながら

ドラグ・バルバロイのぎらついた鋭い牙の並んだ口元が歪む


「 こいつと打ち合えるかあ・・なるほど 最低限は扱えるようだなあ・・!


だがこいつを受け続けていいのか? あア?! 」


「(ゴゴゴゴ・・!)」

大剣から放出されるオリジンの力の不気味なオーラが増大していく


「!」

(これがミトラが言っていた異常の力っていうやつね・・!

たしかにすごく嫌な感じ 私の魔力が乱されていく感じがあるわ だけど)


「(オリジンのドラゴンロードマンが使う「獄炎刀」は知っていたわ

その効果もよ

「斬撃時に使用者本人の魔力エネルギーを乱す異常を付与できる」って


だけど私の魔力は大半は善良な竜からの借り物の力で

イヴの力は私とは別のところからやってくる

私本人の魔力はめちゃくちゃ少ないし使ってないから 

それを乱されても全然影響はないの!


だから私に対して獄炎刀の持つ異常はほぼ効かないわ )」


「「ガジギイイイイ!!」

逆にリズの邪悪に機械化した頑丈な手の装甲で

その異様な大剣をガチリと掴んでギリギリと締め上げる


「 なにィ・・!」

(コマンドP 追加連打よ・・!!PPPPPPPP・・!!!)

「「ギシイイイ!!」」


「 (こいつ・・異常による乱れがない 耐性か・・?

 俺の()()()をへし折る気か・・?


俺の獄炎刀は()()()だ・・!

この程度の力で俺の獄炎刀が折れることはないが・・、

なめやがって・・!燃やし尽くしてやる) 」


「 獄 炎(インフェルノ・) ・・ 」

(カッ・・・!!)

リズに対して注意をむけ

その場で殺意にまみれた強力な魔法の詠唱を始める

「  」

魔の大剣に込められた赤黒い輝きが強くなる


「(今よ!アスラ!)」


(キイイイイイン!!)

「ロケット・バーニング・アタック!!!」


そのとき

強化ポーション瓶の補助強化もかかった炎の強力なオーラに包まれたアスラが

リズの後ろから連携して飛び出すように現れて

大砲を撃ちだすような勢いで頭からドラグ・バルバロイに突っ込んでいく


その瞬間 リズは剣を掴んで相手を固定していた右手をパッと離す


「 ぬ・・!」

「ドガアン!!」


それまで両手を使っていた上に

剣の方に気をそらしていたドラグ・バルバロイにアスラの頭突きが直撃して

魔法の詠唱は通り切る前に中断されて

その勢いの威力にドラグ・バルバロイの竜人の巨体は後方に吹き飛ばされる


「(アスラ 肩にのって!)」

「(うん!)」(はっし!)

(ギュワーン・・!)

アタック直後の空中にいたアスラを さらに飛ぶようにしてリズの肩に回収して

ダッシュで無駄なく距離を詰めるリズ


「!!」

その吹き飛んだ巨体に追いついて敵が受け身を取って起き上がる寸前に

先ほどためた滅拳メギラのパワーを全開放させる


「 滅 拳(メギラ) !!」


「(ズギャアアアア!!!)」

「バキイイイン!」


「 う・・ぐおおおお!!」


(いい感じね・・狙い通りミトラのいる場所とは距離を取ることはできた

 防護がかかっていた感触だけど直撃もとれたわ 

相手が硬すぎるけど正面ガードは破壊した・・! 

ならここで直接たたみかける・・!)


「(アスラ!)」

「(うん!)」

合図でアスラがリズの肩から離れて 滅拳メギラで体勢が崩れた隙に

相手の敵の後ろにジャンプして回り込んで着地をする


「ザ・・!」

リズとアスラで敵を挟みこむようにして体勢を作り


「ラッシュよ!!」


「ファイヤーパンチ・ラッシュ!!」

(バオン!バオン・・!バ、バババババ・・・!!)


「 なあにい・・!」

(バキン!バキイ!)

ファイヤーパンチの乱れ撃ちを始めたアスラに

ドラグ・バルバロイが片手を空け防御対応しようとすると

それにすかさずリズが


「(フッ!!)」

「 ぬ・・!」

「ガギイイイイイン!」

距離を詰めて

滅拳メギラの力を内包した隙のない強烈な一撃や連打をはさんでいき

引き付けて片側のアスラに対して大剣が向かわないようにする


「(くっ・・!でも私の拳は集中して正確に守ってくる・・!

これはオリジンの「ガード」・・!

こっちは二手に分かれているのに防御対処としては達人レベル・・!)」


アスラの放つ打撃は時々当たっており

ドラグ・バルバロイの防御の魔力オーラの上から 割れたり衝撃が走っているが

さらに竜人の素の分厚い鱗に阻まれてダメージになっていない


アスラの方の被弾はある程度許容しているのか

ドラグ・バルバロイの大剣による強い防御の中心は

対抗する強力なイヴの腕を持つリズに集中して向かっている


(・・・)

「 お前、ただの魔物じゃねえな・・ 

割って入ってきやがって・・、まあいい

俺の前に立つなら お前もこいつを食らってみるか・・!?」


「!!」

(っ危ない・・!!)


「ブオオオオオ!!!」

突如ドラグ・バルバロイがリズの攻撃を大剣で大きくはじいた瞬間に 

体勢を力で乱暴に切り替えて

アスラに向けて回転して斬りかかる


「(アスラ!ちょっと動かすわ!)」

アスラは完全にリズを信頼していて その交信術の動きは一瞬でやり取りされる


「 なに・・!」

「(ビョン!)」

アスラが不自然な体勢から

やってくる大剣の軌道からリズのテイマーの交信術で

直接ジャンプして身を躱す


そうして殺意の大剣が通り過ぎた後

「(今よ!アスラ!)」

「(はあ・・!)」

アスラの力を込めた一撃で反撃する


「バゴオオオン!!」

(バキイイン!!)

「ぐっ・・!!」


ドラグ・バルバロイは衝撃でリズの描いた理想の位置に動かされていく


「(よし・・!この位置まで来たタイミングの瞬間に叩き込めれば・・!)」

(ズオオオオ!!)

リズはここまで溜め込んだ滅拳メギラを叩きこもうと・・


「うわああ!」

「 やりやがったな・・!」


ドラグ・バルバロイは衝撃を受けながら

腕ではなく肩の鈍く光る紋章印の位置から出した、

触手のような赤黒い魔力の拘束で アスラの動きを極端に抑えた後に

一瞬で

「ガシ・・!!」

その獰猛で巨大な手でアスラの頭を掴んでいて締め上げる

(しまった・・!そんなことが・・!)


「ギシイ・・!」

「うあ・・あああああ!!」

竜人の強靭な握力で頭を強く掴まれて響き渡るアスラの悲鳴


(アスラ・・!)

「(まだタイミングは・・! いや 今撃つしかないわ!!)」



「 滅 拳(メギラ) !!」


「ズギャアアアアアア!!」

リズは早いタイミングで滅拳メギラのハイパワーを炸裂させる


「 ちいっ!!」


「ガギイイイイイイン!!」

(くっ・・!やっぱりタイミングがまだ早かったわ・・!

大剣でのガードが間に合ってしまった・・!)


けれどそれでアスラの頭を掴んだ手は離れて

集中した滅拳メギラの威力でドラグ・バルバロイは後方に吹き飛ぶ


「・・・グレイト・ファイヤー!!」

(ボゴオオオオオ!!)


頭を絞められていたアスラが傷つきながら

それでも倒れこんだりはせず すぐさま立ち上がって

口から発動した威力の強いグレイト・ファイヤーで

さらに後方に押し流すように追撃する


「シュゴオオオオオ!!」

アスラの口からのグレイトファイヤーの出力が上がって光が強くなっていく


(!アスラも戦えるわね

とりあえず 今は距離をとれたからアスラと陣形を立てなおして・・)



すると燃え盛る炎の向こう側から


「 ぬるいんだよなあ・・!」

「!」


轟くような低い声がやってきた


その姿は炎で今も包まれていて

まるでその不気味な炎全体が燃え上がりながらしゃべりかけてくるようだった


「ククク・・知っていたか・・?

この地の底にはなあ その昔 ()()()()がいたんだと・・


その炎の悪魔と俺の火力・・どっちが上だと思う・・?」


「・・!」



「 網膜に刻み込んでやろう・・ 」


「  教えてやる ・・炎ってのはなあ・・

 こ う や っ て 出 す ん だ   」


「  獄  炎(インフェルノ・)  連  斬 (スラッシュラッシュ) !!!」


「!?」


「ズシュアアア!!!」

(バリイイイン!)

突如アスラのグレイトファイヤーの上から発動された炎の斬撃が

炎を切り分けるように縦にアスラの術を切り裂いて 


遠くから一瞬でアスラの体に到達する


「うわ、あ・・!」

「アスラ!」


「 ま だ ま だ あ !! 」


「アスラ!こっちに避けて! 「滅拳メギラ!!」 」

アスラにさらに迫った斬撃を 

咄嗟にリズが前にでて迎撃する


「バギャアアアアア!!」

(くっ・・!! 灼熱のような強力な炎に斬撃属性なんて・・!

もっと力を・・!)


「 オ ラ ア !!」

さらに暴れるような縦の斬撃が追加されて 今度はリズの正面に襲い掛かる


「 滅拳・・爆撃(メギラ・・バースト)!! 」


「ズギャアアアア!!!」


今度は前に集中して 遠くにも一直線に貫通する滅拳爆撃メギラバーストの力で

放たれた炎の斬撃を打ち破る


「 ちっ、おっと・・!」

炎を食い破って到達したリズの滅拳爆撃メギラバーストを逸らしてやり過ごすために

一瞬ドラグ・バルバロイの連撃の手が止まる 


だが剣を握るドラグ・バルバロイの動きを完全に止めることはできない


「(アスラ・・!私のところに!)」

「(う・・ん!)」


(はっし!)

アスラが呼ばれてジャンプしてリズの肩に飛び乗ってくっつく

アスラの体は火の塊のように熱い


「(熱い・・!でもそれは私の魔力オーラで防げる

 でもアスラ・・、 ああ・・)」


(ジュワア・・!)

アスラは胸に到達した斬撃で傷を負っていて その熱い体液の流れが

リズの肩に直に伝わっていくのを感じる


「(リズ・・あたしだいじょうぶ・・!)」

「(そう・・ね・・! またくるわ いくわよ)」


ドラグ・バルバロイは容赦なく追撃の手を緩めない

(ググ・・!)

弾かれた剣の重みを利用してそのまま後ろから下に回して

地面を削りながら腕の力で押し上げるようにその巨剣を繰り出す


「 寄り合ったからなんだあ!?」

「  ラ ア !!」


「(ダッ!!)」

(見極める・・!)

リズがその驚異的な反射神経で飛んできた斬撃を

淡い色の目で即座にカメラのシャッターのように集中して捉えると

引き付けてそれをコマンドダッシュで避ける


「ズシャア!」「ズシャアア!!」

さらに迫った連撃が来て リズがさらにダッシュで場所を移動しながら駆けていって

それも避けきる


「ズゴゴゴゴ!」

軌道を外れた斬撃が洞窟内のあちこちの岩柱や岩盤にぶつかって切断されて

嫌な音を立てながら崩れる音がする


「 ()け切れるかあ・・? オ ラ ア !!」

「!!」

今度は横なぎの一閃と 斜めの一閃が同時に繰り出されて襲い掛かる


「(コオオ・・!)」

「ククク・・!」

さらに振りかぶった後に一度獄炎刀から離した強靭な片腕から

指先を折り曲げて術式の「印」を構えると

ドラグ・バルバロイのその手の先にすさまじい灼熱の魔力の光がこもる



「 超級ちょうきゅう魔法発動・・!「 業火滅殺アラガンダ 」!!」


「ゴアアアアア!!」

リズの進路と背後の退路を塞ぐようにすさまじい魔法の火柱が噴き上がる


(!!こいつ・・!なんて魔法を持ってるの

ならこれは・・! 上空にコマンドジャンプで避け切る!)


「バッ!!」リズは攻撃を見切って

アスラを肩に乗せて上空に勢いをつけてジャンプする

(ズシャアア!)

同時にやってきた2つの斬撃は避けられて

リズの後ろを通り過ぎていって岩壁を激しく切り付ける


だが


「 終わりだなあ・・!「 獄 炎(インフェル) 断 罪(ジャッジメント) 裂 刃(・キルレ) !!!」」


直後にドラグ・バルバロイの体全体が邪悪に光って

この世のものとは思えないほどの うなりの轟音をあげて大剣を力で振りぬく

「「  」」

その斬撃は十字の形に変貌し

凄まじいエネルギーを内包した危険な超斬撃が走る


「!!」

(コマンドジャンプのタイミング狩り・・!

しかもこれは・・さっきの斬撃の威力の比じゃないわ!!とんでもない威力!!)


「(アスラ・・!グレイトファイヤーをお願い!)」

「・・・」

(キイイイン・・!)

(え・・?)


「・・「メガ・ファイヤー!!!」」


肩のアスラがそれまでグレイトファイヤーではない、

さらに上位の炎を発動して対抗して迎撃する


その炎はとても大きく丸くなった炎の形をしていて

その中心が臨界に達して白く輝いていた


「ボゴオオオオオアアア・・!!!」

(すごい・・すごい威力だわ アスラはこんなのも撃てるようになったのね・・!)


「ファイヤー・・!!!」


(え・・・?)

「   」

リズから見えたアスラのまん丸の目の中がわずかに光っていた



(アス、ラ・・? 無理、してない・・?)



(ゴオオオオ・・!)

「 ククク・・ なんだ、いい炎を出せるじゃねえか・・

だが   足りてねえな・・! 」


「!!」

しかし

それでもドラグ・バルバロイが放っていた術は

そのアスラの術よりもはるかに凶悪な威力を持つ技だった


アスラの炎の術は切り裂かれてかき消されていく

辺りにかき消されたアスラの炎の残塊が舞う


「ボシュウウウ!!」

アスラの炎が完全に打ち破られる

そして迎撃に失敗したドラグ・バルバロイの超斬撃がそのまま

リズの方に向かい、


(これでも駄目・・なのね)



「ズガアアアアアアアアン!!!」


・・・


「(ズゴゴゴゴゴゴ・・!)」

勢い余ってそのままリズのいた位置を貫通して

ダンジョンの大広間を覆う天井にぶつかり地下ダンジョン全体が大きく激震する

(パラパラ・・)

切り刻まれて炎に包まれた多数の灼熱の何かの残骸が上から降ってくる



「( クククク・・ちったあ これで成仏できたかよ・・ )」


炎が古い血の結晶がしみ込んだような大昔の時代の岩壁をあぶり

舞い降ってきた灰のような残骸がひらひらと散っていくのを

楽しむように眺めるドラグ・バルバロイ


「 しかし しまったなア~・・威力が強すぎた

出しゃばりの使い魔がうざったくてついやっちまったあ

こりゃ灰と一緒になっちまったかもな


ちびの使い魔は掻き消えて 

あの女は息も絶え絶えで残って

その辺に転がってりゃちょうどいいんだが・・」


その直後



「  地  裂  掌  破(ちれつしょうは)  !!!」


「!!」


上空の空間から狙いを定めた一点に 

リズが拳を向けて猛スピードで降ってきていて

(なんだと・・これは・・!)


「ズギャアアアアアアン!!!」

「バキイイイン!」


「でえあ!!」

着地の衝撃を流して利用して さらに流れるようにリズは体をひるがえして

即体勢を切り替えてから


「ズドン!!」

ドラグ・バルバロイの腹部ど真ん中に リズの魔力をまとった強キックを直撃させる


「 かっ・・・!!」

蹴られた衝撃で弾き飛ばされる怪物のような竜人の体


弾き飛ばされる中でドラグ・バルバロイの意識は回想する


「 (こいつ・・あの強力な初手を俺に直撃はさせなかった・・!

そうか・・やつの狙いは・・俺も()()()()で遊びすぎたな・・!) 」



「ドオオオオ・・ン・・!」


ドラグ・バルバロイが体を曲げながら吹き飛ばされて

岩にぶつかり大きな衝撃音と煙を立てる

・・



「ふう・・!手ごたえあり、って感じね」


(ザ・・!)

リズがオリジナル地裂掌破(滅拳)の衝撃でできたクレーターの中で立っていた



( 危なかったわ・・だけど 私はあの時

ジャンプ中に敵の強力な攻撃が来た時 迎撃は不可能だけど


アスラに陽動の「グレイトファイヤー」を出してもらって


空中で2()()()のコマンドジャンプを使ってあいつを出し抜く予定だったわ


アスラがさらに上位の「メガ・ファイヤー」で打ち消すつもりで

迎撃しようとしたのは予想外だったけど・・


でもその分陽動が大きくなって助かったわ


そうだ アスラはちゃんと指示通り動いてくれたかしら)


「リズ! 取れたよ!」

「ナイスよ アスラ!」


リズから離れた岩場の近くの場所にアスラは立っていて

アスラは炎で包んだその手に「獄炎刀」を持っていた


その獄炎刀は使用者本人の手から離れて

力を失ったのか二回りほど小さくなっていた


(よかった・・ケガはしているけど まだ動けているわね

ちゃんと指示通り動いてくれたみたいね)



リズは空中の2段目のジャンプで攻撃を躱した後 

陽動の炎に紛れて空中で距離をつめて


そこでドラグ・バルバロイの「獄炎刀」を持っている「腕」に狙いを定めて

その一点を上から狙い撃ち


竜人の腕にリズの地裂掌破を直撃させて

ドラグ・バルバロイと「獄炎刀」を分離させて


リズの方は地裂掌破で腕を砕かれて

防御できなくなったドラグ・バルバロイの

比較的 守りの鱗の薄い胴体の腹部にキックを直撃させて弾き飛ばして


アスラの方はリズが地烈掌破の体勢に入る直前で

空中で肩から分離して離れてもらって 

弾き飛ばされた「獄炎刀」の方を回収していたのであった


「なんとか引きはがせたようね・・」



「(あいつの本体はこれまで引き出せた話を聞く限り、

たぶんあの「獄炎刀」のはず


「獄炎刀」さえ離してしまえば 勇者アギトを乗っ取れなくなるはず・・)」



その時


「ザザア・・」

ドラグ・バルバロイを吹き飛ばした先の煙が晴れていく


「・・・・!」

少し身構えていたけど


(・・倒れているわ)

ドラグ・バルバロイの体はどうやら仰向けに倒れて動いていない様子だ


(よし・・!)


(勇者アギトには悪いけど 一旦私がアスラから「獄炎刀」を回収して

できれば破壊を試みながら ミトラと合流して

早くこのダンジョンを上に抜けて救助の人に合流して

さらに緊急救援を出してもらいましょう こいつは厄介すぎるわ 

私たちの手には負えない すぐ急ぎましょ


まずはアスラから獄炎刀を・・)




「あ、ああああ!!」

突然アスラの悲鳴

「!!」


「うそ・・!」

振り返ったリズの視界には


「(ギチイ・・!)」

アスラが持っていた小さくなっていた獄炎刀の形が大幅に変化して

蜘蛛の足のようなものが刀身から分岐していて 

それが獲物を捕らえるようにアスラの体に絡みついており


さらに別の分岐した蜘蛛の足のようなものがアスラの背後の岩場に

「ズニュ・・!」と数本のびて岩に突き刺してから素早く縮んで 

アスラの体を刀身ごと岩場に固定したのだった


「う、あああ・・!」

岩場に体を固定されて苦しそうにするアスラ

抵抗して術を出そうとして不発している


(ま、まずいわ! 獄炎刀の刀身が密着しているから

剣の持つ異常が直接流れているのかもしれないわ 

小さくなったあの剣なら私の力で破壊できるかも

早くアスラから剥がして・・)



「 残念だったなあ・・リズ! 」


「!!」


「バキイ!!」

「「  」」


「 え・・ 」

リズの視界に血のしぶきがあがるのが一瞬見えた



「うっ・・くあ・・!」

(ズザザザザ・・・!)

突然横から巨大なハンマーで殴られたような衝撃がリズの体を襲い

リズは突き飛ばされて地面に転がる


(ド、ドラグ・バルバロイ・・!)

(な、殴られ、た・・)

(さっきは倒れてたのに・・アスラに気を取られた隙に・・?)


そこにはリズを殴り飛ばしたドラグ・バルバロイが立っていて

血を流しボロボロになったままの腕から「シュウウ・・」と煙をだしていた



「 ああ・・ついぶっ壊れた腕の方で殴っちまったア いてえいてえ

まあ腕には腕を、ってやつだな 」


一瞬視界に見えていた血のしぶきは

腕がつぶれたドラグ・バルバロイの血であった

だけど


(う・・・)

「ど、どうして・・獄炎刀はもう持ってないのに・・」



「 ククク・・! 力がたまったと言っただろ! 

力は刀ではなく勇者アギトの体にためた


もう獄炎刀を持っていなくとも 俺のこの体は維持できるってことだなあ 」


(くっ・・そんな・・)


「 しかしよくもまあやってくれたなあ

やられたぜ 腕がまだ回復してねえ 

だがもう少し経てば勝手に治る 元通りにな 」


そういうとドラグ・バルバロイはまだ回復している途中の腕を

バキバキと鳴らす 


「ブシュー!」と腕から鮮血が噴き出る


「・・!」

(潰したと思ったのに・・もうそこまで動かせるの・・! 

竜人の体・・なにかの魔法がかかってる・・?

それとも竜人の自然治癒力・・? なんて回復速度、なの)



「 しかし反省だなあ・・

俺が現界するには今まではどうしても剣が手放せなかったからなあ


剣の扱いまではそれほど俺の本領ではなかったんだが

獄炎刀装備バージョンの魔人化ドラゴンロードマンの操作をせっかくだから

オリジンで上位級でも使い物になるように

俺自身が集中して鍛えていた途中だったんだ


勇者アギトにも聖剣だの嘘っぱちいって結構適当に教えちまったなあ

敵を力で屠る剣術としてはまあ間違っちゃいないんだがな


あーー すまなかったなあ 

じつは今までの俺は本来の実力を出してはいない・・ 」



「!な、なんですって・・」


「 ククク・・だが安心しろ

ここまでお前にしてやられたことには元々言い訳もするつもりはない


だが今度は混じりっけなしの俺の拳だ

ここからは獄炎刀は使わない


まあでもちょうどよかったろ、

てめえもいつまで子守りしてんだって話だ


お前もお遊びで、あの使い魔を使っていたんだろう・・? おあいこだなあ

あそこで俺の獄炎刀と一緒に仲良く見ててくれるとよ


ほら あんなに声をはりあげて・・ 嬉しそうにな・・


なあ、そう思わないかあ?  」


「あが・・あう・・」

ひどく岩場に締め付けられてアスラの苦しむ声が聞こえてくる


(ぐっ・・!)

「・・あの剣を使わないんなら あの子は離してあげて

私とだけ戦いたいんでしょう?」


「お前なにいってんだ? 

あんなもんがちらついてたら 戦いの邪魔だろうがよ 


ここは昔からよお、

あんな小せえガキが入り込んできていい場所じゃねえんだよ


身の程を知らないやつはおとなしく縛られときゃいい

まあ抵抗すれば地獄の苦しみを味わいつづけるだろうが 今はまだ耐えるだろうよ」


「くっ・・」


「 ククク・・いい顔だ 今のままでもいいが 俺の腕が回復するまでの間だ・・

何か聞きたいことがあれば 話してやってもいいぞ 」


「結構よ」


「 クク・・そうかあ? かまわないがな 」


「・・・」

(・・私も殴られはしたけど あいつは潰れた直後の腕だったし

幸い厚くしてあった魔力オーラの防御の上からだったから

思ったより直撃のダメージは残ってないわ 


今こいつが腕を回復している間に

なんとか隙を見て獄炎刀を破壊できれば・・)


(・・・)

「 そうだ なぜか気にかけているようだが

お前の使い魔のことで逐一戦いに余計なことは考えるなよ?


戦いに余計なものはいらない


俺がその気になれば即、 離れからでも獄炎刀を動かして串刺しにできる

異常が効いて守りも剥がれているからなあ

柔らかそうだなあ あのちびの使い魔は・・! 」



「・・そんな脅しをして 私じゃなくてあの子ばっかりいじめて 

私と戦って満足なの?」


「 ククク・・おいオイ

俺がなにも好き好んで女子供を痛めつけて楽しんでいるような言い草はよせよ


それはよお、

俺の前に立って邪魔をしてくるやつが悪いんだ・・


邪魔をしないなら放っておいてやろうと俺はずっと慈悲をかけているんだが

お前らは本当にわからねえよなア・・


俺はただ何者にも邪魔をされずに戦いたいだけなんだよお・・

そこはわかってくれねえかなあ 」


(・・・)

「・・わかったわ」


「(アスラ・・)」

「(・・リズ、・・)」

獄炎刀からの異常の力の影響で

アスラ側から伝わるテイマーの交信術がもう切れかけていた


「(アスラ・・今は魔法で抵抗しちゃいけないわ

魔力を乱されて暴走しちゃうからアスラが苦しくなるわ おとなしくしておいて


だいじょうぶ 今は私を見ていて)」


「(うん・・)」


銀の腕輪から伝わるアスラの声が遠くなっていき

アスラとの交信術がとうとうそこで切れる


でもアスラの方を見ればひどいケガと強い拘束で苦しみながらも 

じっと痛みに耐えて

その目でリズのほうをしっかりと見つめている


・・・・

ドラグ・バルバロイはいよいよ動き始めていた

変化が目に見えるほど凄まじい速度で治癒されていく異形の手の指関節を

バキバキと鳴らし出す


「 さて・・そろそろ腕が元通りになるが 」


「 さっき戦った感じのままだと

お前はまだ駄目だなあ 「イヴ」を扱えていない 」


「なん・・ですって」



「 お前はついてきたくはなさそうだが・・ 「イヴ」はどうだろうなあ・・? 」


「 お前は感じなかったのか? 


魔法といわれた力に対するどこか不確かな認識のズレ、違和感・・

それに馴染み込むことのない己の存在・・

この世界で大地と人を巡る祝福の魔の力、

その()の恩恵を受けた魔物や術者と相対した時


その存在、世界に対して まるでそれは違う、と

嫌悪し反抗するような強い力を

お前のイヴの中に燻る炎のように沸々と感じなかったか・・? 」


「 それは破滅の衝動・・

お前の中の力がこの世界を破壊したがってんだあ・・! 」


(こいつ・・ほんとうに何なの? 何を知って・・)



ドラグ・バルバロイは両腕を広げ 

強力な赤黒いオーラの炎を纏わせた拳をゆっくりと握りしめながら

リズに対して向かう合う


「 ようやく一対一だなあ・・


俺は地獄の世界の使者・・

お前を迎えに お前の中の「イヴ」に会いにやって来た


俺はドラグ・バルバロイ 


今度こそ あの日見た夢の続きを・・


本当にあの時の続きができるなあ? 「プレイヤー」リズ 」




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