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瞳を見るとBURST HEAT! VS世紀末格闘少女リズと不思議の格ゲー魔法世界  作者: 綾町うずら
勇者たちと動き出した運命編
88/147

第88話 帰り道の急変

 ・・

無事 目的の印入りの制覇の証を得ることができた私達


「こうやってたまにボスを倒しておくと

ダンジョン内の魔力が過剰にならずにダンジョンの環境が安定するんだ

探索する人も奥地のボスのところにまでは滅多に行かないから

こういうのも勇者の仕事だね」


「へえ~そうなのね」



「カツーン(カツーン カツーン・・)」


ここは最後の間なので辺りに魔物とかもいなくて

洞窟内の音がよく響く


「・・?」

でもその音が奥の方に響いていってるような気がしたので

その方にリズが振り返ると


「 オオ・・オ・・ 」


岩盤に隠れていたけど

とてもではないけどその先には進めなさそうな

深そうで暗い谷のような地形が蛇の祠の先にもあったのだった


(・・そういえば

このダンジョンには隠し空間があるって本に書いてあったわね・・)


「・・・」

そうやってリズが思い出してその空間の奥の方を見ていると

勇者アギトがそのリズの様子に気が付いたようで



「・・ダンジョンっていうのはさ 

今は冒険者たちが多く入って魔物を狩ったり

物資を採取する場になったのかもしれないけど


元々は古来から神聖な土地だったんだよ

ここは昔は土地の悪魔も住んでた場所だしね


ああいう祠は今は制覇の証が入ってるだけで

ほとんど何の力も残ってないけど 

古代の人間がそれ以上人間が立ち入らないように定めていた場所でもあるんだ


だからここが最奥っていっても

実際には続きがあるようなダンジョンはわりと存在してるんだ」



「ふーん・・ 祠のある場所にはそんな意図があったのね

そうよね

ダンジョンって明らかに世界から浮いてる土地だものね・・」


勇者ミトラも反応して


「祠の先ってことはボスの間も・・?」



「そう だからボスの間もほんとは入らない方がいいんだよ


悪魔が滅ぼされる前の時代はダンジョンの中から物資を持って帰るなんて

もってのほかの禁忌だったんだよ


ダンジョンにある祠の場所は

それでもどうしても人間が見つけた物資を持って帰りたいときに

お祈りをして古い神様に許しを請う場所だったっていわれているよ


大英雄より前のほんとうに遥か古代の 魔法の力を広く得る前の人間たちは

異世界の土地の物を持って帰ると

自分たちの世界が変わってしまうと恐れていたんだ


今は時代が違うからね


人間が土地を征服して

信仰する対象も変わったから

今の冒険者たちのダンジョンで資源や魔物が湧いたら

狩って手に入れて然るべきものっていうスタンスが当たり前になったんだ


あのボスゴーレムもそうだったけど今のダンジョンの魔物たちは

外からきた敵である人間を襲うということ以外は

あまり明確な強い自我は持たない


それも人間たちが土地を支配したから

人間にとって都合のいい存在に成り代わったんだよ」



「ふーん・・」

(この話してる古代の人間って たぶん

前に向こうの世界で

鳥になったゲンゴから教えてもらった「ロツグの民」っていう人たちだよね


勇者アギトの家系もそのことを知ってたんだなあ)



「そうそう このダンジョンには「トルマドルマ洞窟ダンジョン」

じゃなくてもう一つの違う名前もあったんだよ」


そこまで話を聞いていたステラが

「アギト・・」 静かに牽制のような一言をかける


(・・?)


「あっ、そっか そうだね」

勇者アギトは話を切り替える


「ええ何よ ちょっと気になるじゃない アギト君教えてよ」

ミトラがちょっと詰め寄る


(・・・)

すると勇者アギトは

詰め寄ってきたミトラにさらに少し勇者アギトからそっと詰め寄る


「(ごめんごめん この洞窟から出たら教えるからさ

ちょっと縁起が良くない意味の名前だし

ここだと監視もあるからさ


昔消された地名を勇者が知ってたら

法典の人たちがあんまりいい顔をしないんだよ)」


そうミトラの耳元でささやいた


(・・!)

「そ、そう」

突然耳元でささやかれたので

少しミトラがびっくりして顔が赤くなっている


(はーん そうなんだ)

ちなみに私は耳がいいので聞こえている


「ちょっと~、なにイチャイチャしてんのよ~」


すかさずちゃちゃを入れてくるローラ



「そ、そんなんじゃないわよ・・!」

「ハハハハ」



・・・

・・


 「さあ 帰ろうか」「そうね」


合同パーティのお互いのリーダーである勇者同士がチームの確認をして

手に入れたダンジョン制覇の証を袋にしまって

私たちはダンジョンの元来た道を引き返していく


・・

(はあ・・結局合同でダンジョンに来たのに素材は得られないのね

査定したかったなあー)


少しまだ素材の査定のことをひこずっているリズ


というのも ダンジョンボスまで行く道のりで

魔物を勇者パーティがすでに狩りつくしていて 

さらにスピーディにボスまで討伐していたため

帰り道でやってくる魔物は極端に少なかったのだ


途中の魔物はたいてい出会っても 

ゾンビとかろくな素材にもならない魔物だったりするので

特に採取対象にならないのだ


ダンジョンボスの爆散する前の宝石はけっこう大きかったけど

勇者パーティの人たちはだれも特に気にしてない様子なので

あれくらいの質のドロップでも普段慣れているのかもしれない


(うーん 勇者の感覚かあ 庶民にはわからないなあ)


(はあ・・まあいっか

昔は持って帰っちゃだめだったみたいだし

今回はストイックにいきましたということでいいや)


リズはそう言い聞かせて納得するのだった


・・

魔物も全く出ず安定した静かな帰り道で 

ダンジョンの出口が近くなって私たちは気さくに話をする


・・・

「ありがとう 君たちのおかげで僕たちは

すごく充実した留学期間だったよ」

「そうね」「そうだねえ」


(ああ そっか・・勇者アギトやステラやローラとは 

このダンジョン研修で留学期間は終わりだったわね)


ミトラはそれに答えて

「こちらこそ ありがとう この期間すごく楽しかったわ

また一緒に光魔法を研鑽しましょうね」


「ああ! 今度は首都にも遊びにおいでよ 歓迎するよ」


(へえー なんかいいわね こういうのも)

青春ぽいものを傍観するリズ


「ええ! いつか暇ができたらリズと遊びに行くわ!」

「え、ちょ、ちょっと・・!」

(ぬあああ~ 私はいいのよおお)


「アスラも遊びにおいで~」

「うん!」

アスラにこの研修でひどい目にあっていたばかりだったはずのローラは

でもアスラのことがけっこう気に入っていた様子で 

なんかすでに巻き込まれてしまっている


・・・

やがて

入り口のひとつ手前辺りのエリアくらいの

見覚えのある岩盤の風景のところまで帰ってくる


(このダンジョン研修もこの空間を抜けて

出口から外に出れば終わりね 早めに済んだからまたあの旅館で1日休みね

なら今度は町にでも繰り出して見学に行こうかしら)



「(なかなか楽しかったなあ・・)」

そう小さな声でリズはつぶやいて



(( あれ でもなんだか静かすぎるような気がする  ))



その時


「(ギャギン!)」「(ガキーン!)」


(あれ・・)

入り口の方角から なにか戦闘音のようなものが聞こえてきた


「え・・、なにかしら・・?」

「なんだろうね 入り口の方は監査の警護の人がいて

安全地帯を常にキープしているはずなんだけどなあ」


「とにかくいくぜ!」

すでに走り出して だいぶ先の方にいる切り込み隊長ジャスパー

こういうときの行動が早いのは強みなのかもしれない


私たちも走り出す

出口の広い空間のそこには・・


「!」

(これは・・!)

「グオオオオオ!!」


(これは・・さっきダンジョンの奥で見たボスゴーレム・・?

なんでここにいるの・・!)


そこにはボス?のトルマリンゴーレムがいて腕を大きく振り回して暴れていた

それを監査付きの警護の人たちが相手にしているけど

いろいろと耐性が高いボスなので苦戦していた


「なんだこりゃあ・・!今助けるぜ!」

担いだ剣を抜いて援助に走っていくジャスパー


「おお 勇者パーティだ・・!帰ってきたか 緊急事態だ

天井が赤く光ったと思ったら突然上からこいつが・・! 少し助けを・・」


攻撃を食い止めているそれなりに体格のいい警護の人が

槍を振り回して手助けを求めている


(とにかく私たちも もう一度戦闘態勢に・・)

と思ったとき




「 あ ア ・・ ありがてえなあ・・余計なことしやがってよお・・」


(え・・?)


聞いたことはあるんだけど・・それはまるで違う口調

一瞬誰・・?と思って声の方を振り返ってみると


そこには勇者アギトがいたんだけど 

まるで以前とは別人のように

影のかかった口元は不敵な笑みを浮かべていた


「おう・・離れてろよ・・!」


(キュイイイイイン!!!!)

勇者アギトの手から大きな光の剣がすさまじい光をだしながら

空間に現れる


「(え・・!なにこれ・・?勇者の聖剣・・なの?)」


だけどそれは以前 剣の演習の時に見た勇者アギトの聖剣よりもかなり大きかった


そして勇者アギトはその聖剣を

その場で振りかぶり

(え・・!?)


「 セラフ・ノヴァ・スラッシュ!! 」


「ビギャアアアアア!!!」

ものすごい光の奔流というか斬撃が地面に一直線に

ボスゴーレムの体の中心のラインに向かっていき


「ゴ、ゴアッ、アギャアア!!」

光の斬撃がゴーレムに直撃したかと思うと

「!!」

(バキイ・・!)

その一撃でボスゴーレムの胸の辺りから青い宝石が露出して


「 オ ラ ァ !! 」


そのまま光の出力をあげて振り切ると

(パリィィン!!)

砕け散ったボスゴーレムの胸の青い宝石

「ゴアァ・・・・!・・・」


「ズシュ・・」

その光に人は巻き込まれなかったものの

監査の人が勇者一行の見張りのために出していた光の追跡バエが

巻き込まれて一瞬で掻き消える


(ボウウウウウン!!!)

「ポウ・・」

体の核から爆発を起こしたボスゴーレム

倒れたボスゴーレムから大量の魔力の光が勇者アギトに吸収されていく


「おおお!さすがは勇者だ! 

助かったぞー!・・巻き込まれるかと思ったが!」


勇者アギトにボスゴーレムが一撃で倒されたのを見て

驚きながらも感謝している警護の人たち


(え・・だけど こんなのって・・)



「うっ・・! 僕は・・まだ・・・ここに・・」

勇者アギトの様子がおかしかった


()()()()の力をつかったのね・・!

でも今まではこんなには・・無理しないで!アギト!」

ステラが勇者アギトに振り返る


(あの聖剣の力・・?)


「違う・・僕は・・もう・・! 力を頼ったりなんか・・!」


頭を抱えて苦しんでいる勇者アギト


だけどそこから ピタッ・・と動かなくなる


「アギ・・ト・・?」


その時

「うわあ!! まだゴーレムが動いてるぞ!!」


「グオ・・・オオオオ!!!」

(え・・!?)


一度倒したはずのボスゴーレムが異様な姿でうごめいていた


胸の宝石が砕けて胴体が半分になって腕もほぼ崩れ落ちた、

片腕だけぶら下げているようなボスゴーレムが煙を出しながら起き上がる


それは本来どう考えても動けるはずのない姿


その起き上がった異様なボスゴーレムの姿に

周りの人やパーティメンバーの警戒した注意が一瞬集まる中


(どくん・・)

リズは異様な勇者アギトの方から視線が移せなかった



「(あア・・それでいい・・ ()()()が動き出しちまったら

今ここで俺が動くしかねえじゃねえか・・


もう少しじっくりやろうかと思っていたが


悪いな  「 リ ズ 」 )」



( え・・・ )


リズの頭の中に低い声が響いて


止まった頭を抱えたところから突然ギョロリと

リズだけに見えるように勇者アギトはリズの方を向いた


「(ゴゴゴ・・!)」

(・・っ!)

その勇者アギトの顔には不敵な笑みととんでもない悪意が渦を巻いていた


((   ))カッ

その時 同時にボスゴーレムが動き出す



「「 ナ イ ト ・・メ ア ・ ゲ ー ト・・!!!」」


「ズオオオ・・!!!」


ボスゴーレムから突如異様に黒い魔力が膨らんで

体を崩壊させていきながら黒く光る

どこから発しているかわからない その異様な呪文が聞こえたときには


「え・・・!」

「(ズ・・ )」

(私の足元が・・!!)

リズの足元に巨大な闇の黒い穴がぽっかりと開いて落ちていく途中だった


「きゃああ!!」

「ミトラ!?」

勇者ミトラの足元にもその深く暗い穴ができていて

落ちていっていた


「 アスラ!! 来ちゃダメ!! 」

リズは深い穴の中に落ちていく中で叫ぶけど すでにアスラは


「リズう!!」

リズの胸元に飛び込んできていて

(ああっ・・!)


一緒に穴の中に落ちていく


闇の暗い穴は豹変した勇者アギトの足元にもできていた

「  」

そして癖のある黒髪を揺らしながらニヤリと不敵な笑みを浮かべたまま

直立で立ったまま スッ・・と落ちていき


「ゴア・・・」(ポウ・・)

同時にボスゴーレムは崩れ落ちて 

その体をバラバラに飛散させた


(ズシュウ・・・)

そしてリズたちを飲み込んだ後  謎の闇の黒い穴はすぐに消えてしまった



「勇者が巻き込まれたぞおお! 救援だ!すぐ救援を手配しろ!!」


・・・・・

・・・

・・



???

謎の場所


「・・・!」

「  」

勇者アギトの目の前に 

今は黒髪に戻って意識を失っている勇者ミトラが地面に倒れている


そこはまるで地下都市のようにとても広くて高い天井の地下空間で

他には誰もいない


(うっ・・!勇者ミトラ・・? ここは・・確か・・

あのゴーレムが現れて・・魔法を受けて・・

それから何か穴の中に落ちていくような感覚があって・・僕は・・)


(ズギン・・、))

頭が痛くなる

「「  」」

目の前の見上げる天井の岩壁に大きく不気味で血塗られたような

読み解くことができない古い文字の羅列がぼんやり光って浮かんで見える


その時

声が聞こえてくる

・・


「「 ククク・・こいつはすげえ場所だなあ・・

アギト お前 あれがなんて書いてあるか、分かるか・・?

あの岩壁に染み付いた血の結晶の文字はなあ

俺とその昔悪魔の化け物を殺した聖剣を持つ勇者のお前にだけ見えてんだよ」」


「・・!」


「「呪いの文字だ


人よ

我を恐れることを忘れたか


なればいつの日か思い知る時が来るだろう


そう書いてある


因果だよなあ

案外お前をここに連れてきたのは()じゃなかったのかもしれねえなあ・・」」



「なにを・・言ってるんだ?」



「「なあ・・そろそろお前も()()が恋しくないか・・?」」


「だから、 何を言っているんだ・・!」



「大丈夫だあ・・さっきだって俺が出なきゃ危なかったんだぜ・・?

もう俺にまかせておけよ 勇者アギト 全部うまくいく・・」


倒れている勇者ミトラと同じ場所に立っていた勇者アギトは

そのそばでただ立っていて不敵な笑みを浮かべる


「うるさい・・!表に出てくるな・・! 僕は君を呼んでいない・・!」


「ん?ああ・・頑張るなあ そうかよ・・」



・・・・・

・・・


「うっ・・ ここ、は・・?」


硬い地面の感触 

倒れている自分が分かる


勇者ミトラは少しの間 気を失っていたようで目を覚まして上体を起こす


「・・大丈夫かい?」

「えっ・・!」


目の前にいたのは勇者アギトだった

少し体を確認する ミトラの体に異常はなかった

「だいじょうぶ・・みたい」

「よかった」

「・・・」


「・・どうやらあのゴーレムから放たれたのは

ダンジョン罠の転送魔法のようなものだったみたいなんだ


岩盤の質がトルマドルマ洞窟ダンジョンと一緒だから

そのどこかのフロアに飛ばされたんだと思う


ただ地図にはのっていないみたいなんだ

表の第一層じゃない隠しフロアかもしれない」


「そう・・なんだ」


異常なボスゴーレムから転送魔法攻撃をくらってびっくりしてはいたけど


それ以上にさっきの豹変した勇者アギトの様子が

勇者ミトラの頭から離れない


(今はふつう・・なの?)


(・・・)

「勇者アギト・・さっきのあなたは・・何?」

意を決してミトラは問いかける


「・・・」

勇者アギトは少しの間 目をつむって


「あれは・・ 僕が国から首都で授かった聖剣の人格なんだ・・」


「え・・聖剣の人格? あれが聖剣の人格だっていうの・・?

どういうこと・・?」


「・・僕が今まで魔法ばかりの勇者だったのは君にも話したね


僕も多少不便だけど ステラやローラのいるパーティの安全のためにも

後方の安全地帯から無理をせず

そうやって遠距離魔法主体のパーティとしてやっていくつもりだった」


「だけどあるとき 

突然僕らは聖ソウル法典に宣告を受けて国に召集をかけられたんだ


なんでも僕の魔力が聖剣に適合し相応しい勇者に選ばれたとかで

それで聖ソウル法典に保管されていた貴重な聖剣を授与されて

一時的に適合が正しいか、相性を確かめるために僕に預けられたんだ


メリカド魔法共和国は共和国だけど

かつて大英雄がいた象徴として王家は存在するから


首都にある王家の住処も兼ねている、

聖地の一つである聖ソウル法典の大神殿、そこに手厚く招待されて

その聖剣は確かに大神殿の王家の広間で正式に受け取ったよ


それは勇者として名誉なことだし

この国から勇者である僕への期待でもあったんだ 僕はその聖剣を受け取って


それからはその聖剣を生かせるようになるために

前衛もできた方がいいだろうって

国家の剣術の指南役の人たちからも優先的に指導されて


前衛での剣の勉強も始めたんだ


それからなんだ」


「それから・・?」



「それから・・ 剣を振る時に頭に聖剣からの声が聞こえるようになって

僕に剣術のアドバイスをしてくれるようになったんだ

・・


(( お前は弱いなあ・・ しょうがない、教えてやるよ ))


その声は僕にだけ聞こえていて

始めは戸惑ったけど

過去に聖剣と適合した勇者には星からの天啓の声が

聖剣に宿されて授けられていた教えの伝説があって


それはきっと勇者の適合が正しかった証明だろうって

法典の人たちにも手放しで喜ばれていたから・・



その時のアドバイスは的確で 確かに僕の剣術は驚くほど上達したんだ


まるで聖剣の意志といっしょに剣を振っているみたいだった




僕が聖剣を使って前衛をするようになって


後方だけで問題ない低ランクの任務や 

他のパーティの後方支援だけの雇われ任務をしていた今までから

僕らのパーティだけで上位の任務をこなせるようになって 

僕の勇者評定ランクはぐんぐん上がっていった だけど・・」


「だけ、ど・・?」


「だけど 僕が前衛で聖剣を使っていると頭が痛くなって

余計な力が入ったり体の調子が悪くなることが多くなってきたんだ


それに聖剣の声も前より近くで聞こえるようになってきた

そのたびに僕の勇者としての力はあがっていったけど


僕は少し無理を感じていたんだ 

たぶん僕にはあの聖剣を扱うのにはまだ早かったんだ

だから 聖剣の声に頼らず

今は自分の力で勇者としての剣術の力もつけようと思って


僕は聖剣の声にそういったんだ

そしたら聖剣の声も無理はしない方がいいなっていってくれて

それから声はほとんど治まるようになったんだ


それが・・君たちの聖セントラル中央魔法学園へ僕たちのパーティが

留学が決まった時期だった」


「でも・・さっきのは聖剣の人格だったんでしょ・・?」



「そうだね・・僕も聖剣にお願いしていたし 

もう声が表に出ることはないと思っていた


それに聖剣の試しの貸し付けは

ちょうど今日を期限に終わるようになっていて

僕は留学が終わった後に

首都で相性がよくなかった聖剣を一旦は国に返却して 

ほんとうに聖剣の声とはこれきりにする予定だったんだ


なんでも・・さっきのは僕たちが危なかったから出てきたみたいなんだよ」


「私たちが危なかったから・・?

さっきの異様なゴーレムのことね 確かにおかしな術を使ってきたし

出現場所も様子もおかしかった 


じゃあ聖剣の意志が私たちを助けてくれたっていうの・・?」


「そう・・なんだと思う 今は声は聞こえないし

僕は僕の意志で君と話してる 

だからはやく今はここから無事に地上に一緒に出よう」


「そうね・・ って ここには私たちだけなの・・?

リズも一緒に巻き込まれてたわ・・!リズはどこなの・・?」


「そうだね ここには今は僕たちだけ・・少し待って

・・「探知」・・!」


(((  )))

勇者アギトは探知の魔法を発動する


「どう・・?」


(・・・)

「彼女の魔力はぼんやりとしてる・・隠れた層だからうまく場所がわからない

だけど この反応は下・・? 上の層じゃない 僕たちより下層に彼女はいる」


「え・・?」


「ここには本当は「古代トルマドルマ大岩窟」っていう隠れた場所があることは

実は知られていたけど

もう一段あることは僕も知らなかった」


「じゃあ いかないと! 下でリズも助けて地上を目指しましょ!」

(カッ・・)

そういって辺りを照らす光を出して付近を見回すミトラ


「・・!」(広いわ・・)

見渡すとここは奥の高い岩壁が霞んで見えるほど広い空間で

岩盤の天井もものすごく高い


そして所々せり立った岩や

何かの人為的な模様の入った大きな柱が傾いて立っている


ここはどうも大広間だけど 行き止まりの空間で

反対の方向に一カ所、別の方につながった通路のようなものが見えていた


(・・!)

「あそこしかないなら まずあそこから向かってみましょ!」


勇者ミトラはそこに向かうために すぐ体の向きを変えて

そちらの方に駆け出していく



(・・・)


「「 ・・やっぱりなあ・・ こいつはいけねえよなあ・・! 」」ゴココ・・


ミトラの背後には

不気味に不敵な笑みを浮かべる勇者アギト?の姿があった



・・・・

・・・・・

?????? 少し過去の世界のどこかの闇の狭間


そこではおぞましい何かが行われていた


闇に映る怪人カーニバル・ジャッジの姿


「ふむう・・?

君とはもう少しくらいは上手くやれそうだと思ってたんだがね


考え直さないかね? 私も資産や手下たちをだいぶ衝動的に消費してしまって


今はよい人材が不足しているんだよ」


???

(影に浮かぶ魔人化ドラゴンロードマンの姿をした謎の人物)


「元々 あれっきりっていう話だぜ オッサン 

俺たちとお前は根本的に違うんだよ


俺たちは好きなようにやるんだ それだけだ


俺が求めるのは「地獄の世界」だけだ・・」


怪人カーニバル・ジャッジ

「まあ・・そうだったね 

そういう話だった 君がそういう性分で私も助かるよ


そのおかげで邪魔なハスラー君も始末できたのだからね


しかしよかったのかね 

彼は君とは少しは関わりがあったのではなかったかな」


???

「あア いいんだ あいつは俺にとっても邪魔だったからな

邪魔な奴には消えてもらう それが一番だ」


「そうかね それでは私も 君を引き留めないようにしよう


君の邪魔をしないように、ね


だが・・! そうなると私も君たちに今後は忖度(そんたく)はしないよ

それだけは覚悟しておきたまえ」


「ああ そうしておくぜ

大丈夫だ 俺はお前たちに捕捉されるようなへまはしない


・・しかしオッサンよお 

向こうの世界でうまくやったみたいじゃねえか

手段はともあれ、一番にはなったんだろ? 

それで満足できねえもんなのかねえ」



「自らが究極的に望み求めるものは

他者と比べた数字によって縛れるものではない

そこに本当に求めていたものはけして存在していない


あったとしてもそれは普通の人間向けの目指しやすい満足だよ


君が追い求め続けているものも 

私とは違うがそういった究極的な類のものだと思っていたのだが」



「アアそうかい 

あんたもこじらせてんなあ 


普通なら別にそれでもいいじゃねえかよ 」



「・・私が以前のままの「何も知らない者」だったならそうかもしれない

だが私はその存在を知ってしまった


人の夢と脳の領域を融合し 偶然に生み出された究極の電子頭脳

かつて最も美しいコードを(つづ)り、真の魔法使いと呼ばれたその存在は

真の魔法使いを利用しようとする人間たちの幾多の鎖という鎖に縛られ

今はもはや人に命じられた都合のいい単調なコードを吐き出すだけの

「ただのモノ」と化してその姿は見る影もない



だが実は魔法使いが創り置いていた無限の電子回路の先には世界があった

いや

その世界の果てしない次元は

我々の知るより遥か昔にとっくにもう開かれていたものだったのだ


そしてあの賢い魔法使いは恐らくは

自身の本当の姿で誰よりも先にそこに辿り着いていた・・


君の方こそ見てみたくなったのだろう・・?

その世界の先にある「本当」を 」


???

「へ・・何をいってんだかねえ 

俺はそんな姿も見せねえ根暗な脳みそ野郎のことなんざ知ったこっちゃねえよ 

救いのねえやろうだ


どうせてめえには大したもんは見れねえさ 」



・・・

・・


???

「しかしよくもまあ集めてきたもんだ

俺が言うのもなんだが 悪趣味だなア


・・そいつらは向こうの世界にいた元英雄階級の人間たちだろう?

昔に俺を追い回してきて偉そうなことをたれてきた、 

法典のジジイも捕まってやがる

はっ、哀れなもんだなあ

だがそいつはかなり厄介な力を持つ超位魔法師だったはずだが」



怪人カーニバル・ジャッジと謎の人物が

会話のやり取りをしていた闇が包む場所には


((・・・))

無数の死んだ目をした人形のような

様々な種族や背格好をした老若男女が

闇の中に直立で立ったままズラリと並んでいて 

シン・・と静まり返って だれも一言も言葉を発していなかった


「分かるかね?

あの世界を予習しておくのには

そこで優秀な現地人を捕えるのが一番話が早くてね


あの世界の力を持つ冒険者たちの基準で Sランク級以上の評定だったかな?


常人を遥かに超える力を持つ

彼らを捕らえるのは確かに一苦労だが

超位の魔法師とて我が配下の敵ではないのだよ


英雄レベルと言われる人間たち・・彼らは本当に素晴らしい


君は知っているかね? 彼らの魂を限界まですり絞ったとき

それはもう大量の「ソウルポイント」が入手できるのだよ


こちらの世界のオリジンで奴隷をちびちび戦わせてポイントを得るのが

馬鹿らしくなるくらいだ


あの世界の英雄たちは力を求めて

魔物たちの魂を先祖代々狩り続けてきた存在だから

潜在ソウルの力の備蓄量が桁外れなのだろうね


おまけに魂を絞った後には忠実な人形コレクションとしても

再利用できるなど

まさに魂のその一片まで一切無駄にしない最高効率の素材たちだよ」


・・・

怪人カーニバル・ジャッジが上機嫌でそう言ったタイミングで


「(ン゛ンー!!ンー!)」

闇の包むこの空間に一人、

口を塞がれ体を縛られて暴れる若い男が

奴隷のような恰好をした人間2人に押さえつけられて

カーニバル・ジャッジの元に差し出された


そのすぐ後についてきていた別の奴隷の一人がおずおずと報告をする

「ジャッジ様、この者は自身を勇者ブライト・ネスだと名乗っておりました・・」


(・・・)

「グフフ・・活きがいいな

それに若い・・ この若さで英雄になれるのだから

将来それは有望な若者だったのだろうねえ・・


これも知っていたかね?

魂を絞り取る人間が若いと得られるポイントが少ないのかと思っていたら

何故か獲得ソウルポイントに多大な「ボーナス」が付くのだよ


他にも代々続いてきた王族や貴族の人間は魂のポイントが高いんだ


よく分からないが

その溢れんばかりの未来の多大な可能性に世界が祝福していた分だけ

ボーナスがついているお得な存在だと私は思うようにしたよ


さて・・暴れてはいるが 私のこの技が通るようになるまで

ほどよく体の方は弱ったようだね



「「終わりなき(ネバーエンド)搾精・グラッジソウル・・!!」」 」


怪人カーニバル・ジャッジは目の前に差し出された、

目をひん剥いて暴れる

勇者ブライトネスと呼ばれた若い男の体にその不気味に光る魔の手をかざす


すると

「(ンゴオアアア!!・・!!・・・!

オレハ・・アア・・ ガレン、・・)」


((  ポウ・・・  ))

若い英雄の男の胸部から

大量の蒼い光が溢れ出して分離していき 

闇の空間の一点に吸い寄せられるように

どんどんその光を吸い出して吸収していっていた


「おお・・!これは大当たりだあ・・!

たくさん出てくるなあ

まだ若いのにこんなにも貯め込んでいるとは・・


君は後何回、吸えるだろうなあ・・?


今この時の私の糧になるために

この若者は世界の英雄になるほど努力して生きてきたのだろうねえ 

素晴らしい人材だ・・!」


・・・

「(ヤ゛メ、テ・・)」

その若い男は暴れていたが

「ほいさっさ えいさえいさ・・」

体を掴まれて闇のリズムに合わせて体勢を取り囲んだ奴隷たちによって

何度も変えられ その度に


「ああ、心配はいらないよ・・!残したりなんてするものか・・!

君の魂の全てを搾り取るぞお・・!」


((  ポウ・・・、 ))

怪人カーニバル・ジャッジによって再度術をかけられ

その度に若い男は大量の光を放ち続けた後 体から出てくる光は尽きて

・・・

やがて目の光を失い、ピクリとも動かなくなった

(・・・・・)



「ふう・・、素晴らしいソウルだったあ・・

・・大丈夫 魂を絞った後の君も大切にする 人格なき英雄人形としてね

余すところなどひとつもない 全てが私のために利用される」



「 彼の魂は尽き 肉体は墜ちた・・」


(スッ・・)

「では仕上げにこの寄生蜘蛛を・・ 」

カーニバル・ジャッジの手のひらの上にはいつの間にか

奇抜な毛がビッチリ生えたおぞましい蜘蛛のような虫が湧き出してきていたが

(・・・)

何かに気を取られたようにピタリとその手は止まる


「おっと、君も見ていることだ

仕上げは後にしておこうか・・


この英雄たちの利用法を

提案してくれた()()()()()()()()()君、君には

本来私の味方ではない側でありながらも感謝をしてもしきれないくらいだよ


楽園にアクセスできるレベルに到達した英雄の人間に

手を付けるというところもいい


アクセスする前に

事前に世界から身分情報を抹消しなければならない法典の掟があるから

英雄が一人消えて利用されたとて 誰一人としてそれを追求する者はいない


あの世界の人間は「楽園」は素晴らしい場所だと

聖ソウル法典の教えの通りに妄信し続け

力を蓄え 肥え太った優秀な英雄(ソウルポイント)たちを

書き替えた楽園の一部から私のところへ送り続ける・・


少し探知は難しいがうまくやれば過去に楽園に渡った英雄にも

手を付けることができるとは


さすがに今は失われた太古の建国の大英雄レベルの人間には

まだ会えていないが

それはまだ我が配下の力を以てしても危険を冒すリスクがあるし

もしかすると彼らはすでに 

あの楽園にはもう存在していないのかもしれないな


それはそれとして

君のおかげでソウルエネルギーの運用問題が解消されて

我が計画の着手も大幅に進められたよ」


・・・

???

「 ククク・・見せしめのつもりか・・?

ちっ、・・余計な口を挟むんじゃあなかったぜ・・

退屈なショーだ  俺はもう行くぜ」


怪人カーニバル・ジャッジ

「ハハハ・・そういわないでくれ

ああそうだ 君も我が計画の一部は知ってしまったと思うが

「計画」は君たちには考慮せずに前倒しで進めることにしたよ


力を持つ君たちが動いてからでは私も面倒なのでね・・!

君たちもある程度あの世界のシステムの力のことは把握しているだろうが

私が持つものの比ではない


せいぜい君もつぶされてしまわないようにな 

気が変わればまた言ってきたまえ

さすがに待遇は落とすが また拾ってもかまわないよ君ならば」


???

「ちっ・・ あばよ オッサン

 だが いつまでそこでふんぞり返っていられるだろうなあ」


(ブイン・・!)

やりとりをしていた空間の謎の男の残像が途絶えて消える


・・・

・・

怪人カーニバル・ジャッジ

「やれやれ 威勢のいいことだ・・ 私の厚意を・・


さて わざわざ私の元を離れて一体何をしでかすつもりなのか、

あの狂乱の炎ドラグ・バルバロイも動き出すか・・


私としては未だに姿を見せていない()の方が

気になっているのだが・・」


「  」

カーニバル・ジャッジの手のひらの上にいた蜘蛛が

その奇抜な体毛の前脚を上げてクイクイと威嚇するようにユラユラと揺れる


・・

「 ドラグ・バルバロイ君・・

用心深い彼らはすぐには始末できないだろう  忌々しいことだ


だが今は彼らを泳がせておくことも

私にとって悪いことばかりではないさ・・」



(ザ・・)

「さて・・、そうなると私も乗り遅れないようにしなくてはね

いいだろう・・! 決めたぞ・・!


世界各地の目星をつけたダンジョンに 我が力の第一波を干渉させる・・!


我が最強の配下と力をもってあの世界に足がかりをつくる


時は来たるべし

我が計画はたった 「今」 始動する・・!」


その手のひらは反されて奇抜な色の蜘蛛は空間の底の方にポトリと落ちていき

怪人カーニバル・ジャッジは突き上げた手の形を変えて

どこかに向かって合図をだす


するとそれまで並んでいた英雄たちの人形の姿がパッと消えて

代わりにカーニバル・ジャッジの足元に

広い床のような闇の空間が展開され

そこに英雄たちの人形は瞬間移動させられて

その空間を広く見下ろした円で囲むように並べられていた


((ブイイン・・))

その静かに物言わぬ英雄たちが立ち並ぶ眼下の広い空間には

魔法の力が繁栄し リズたちが暮らしている不思議な世界の

全世界の大陸の地形の様子が

クッキリとした黄緑色の蛍光色になって浮かび上がっていた


「 こちらの力を楽園の一部に接続し 我がシステムを起動する・・!」


そうカーニバル・ジャッジが両腕を力強く振り上げて

闇の広がる空間に高らかに宣言する


すると


「「ズニュオオオ・・」」


はっきりと黄緑色で表示された不思議の魔法の世界の全大陸に上空から

無数の赤い光が新しく出現して それがいくつも分かれて

オーロラの光のようになって降り注いでいた


・・・・

・・

世界各地の主要都市


上空に幾多の星たちの輝きと共に突如現れた謎の赤い光の帯


「なんだこれは・・!昼間に観測できるほどの星の光と強いオーロラが・・!」

「何が起こっている・・!」

「警戒を最大限に強めろ!司令部に報告をしろ!」

「都市の魔力防壁を最大限に強化しろ!!」


その光はまるで現実とリンクしているように魔法世界の各場所へと繋がっていた


・・・・


次元干渉システムの力を起動させた、

怪人カーニバル・ジャッジがたたずむ闇の空間


その膨大な力を内包するシステムによって

起動状態にある赤い光の上にはソウルポイントの蒼い光が

無数の星の雨のように大量に消費されて

混じり合うように繋がりながら色を途中で変化させて流れていっていた


(・・・)

「これは世界干渉光現象によって起こる力の流れを解析し

私が動かせる範囲のシステムによって人為的に構築利用したものだが・・


なんという莫大なエネルギー消費だろう

遥か昔にすでにこれらを生み出していた存在たちがいたというのだから

驚くばかりだ


さすがに世界規模ではシステム起動に力が食われてしまうな」


(  )

世界を囲むように立ち並んだ英雄たちは

それぞれ自身の手を上げたり杖を掲げたりして

指定された紋様の魔法陣を起動させその場で力を維持し続けている


(・・・)

「あの若い英雄の魂を吸収していて良かったな、不渡りが出るところだった

せっかく苦労して私の資産や捕獲した英雄たちから

かき集めた運用ソウルポイントが

もうほぼ底を尽いてしまったようだ


だがその分・・私の持てる手の内の中でも非常に強力な力だ」


カーニバル・ジャッジは

世界の地上に降り注いで浸透していく赤い光たちをゆっくりと眺める



「 ()()()()()・・ 世界はかつてない未曾有のソウルの力で溢れつつある・・」


「  」

その赤い光たちは流星のように

世界の各地に点在するダンジョンの場所に向かっていっていた


赤い光は次々に世界の地上に到達して溶けるように消えていくが

(ピシュン・・)

一部の光は到達する前に掻き消えたり 

軌道が屈折して変化するものもあった


「ふむう・・?

一部は弾かれたか・・


あの位置は・・

悪魔伝承のいわくつきの中心地メリカドか・・

古来の英雄から引き継いできた都市群を守る強力な結界防御に阻まれたか


北方ガルティダ法帝国の軍事大都市圏や

大地に残る精霊の力を駆使するエルフの本拠地もさすがに魔法の守りが硬いようだ


あのシステムの強大な力の干渉を跳ね除けるとは・・大したものだ

ちょうどいい、あの都市たちは今後マークをしなくてはね


まあいいだろう 主目的の郊外には問題なくシステムの光は到達したし

全てがうまくいくとは私も思っていない

少しは抵抗もしてくれなければ私としてもつまらないからね・・」


・・・


「 君たちが大好きな英雄の力・・


私は自分がその力を手に入れたからといって 

それを決して私の独り占めにすることはしないさ

きちんと君たちの元に返す


君たちがかつて愛し信仰した英雄たちの魂は

私の手によって形は変わるが しっかりと還元され

巡り巡って君たちの世界に還る・・



ただそれは・・今度は世界の君たちのことを愛してくれるとは 限らないがね 」



怪人カーニバル・ジャッジはその発達した表情筋を歪ませて

闇の中でほくそ笑んでいた


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