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瞳を見るとBURST HEAT! VS世紀末格闘少女リズと不思議の格ゲー魔法世界  作者: 綾町うずら
勇者たちと動き出した運命編
87/147

第87話 最後の間

 「ここはこの門の先をくぐると

このダンジョンのボスの魔物との戦闘になるようになってるんだ 

この探索研修の最終項目だね


みんな準備はいいかい?」


(ついにここが一番奥かあ・・ダンジョンボスだってね

ちょっと緊張するなあ・・)


勇者アギトが戦闘に入る前にパーティの最終確認をしてくる


目の前には巨大な岩盤でできた頑丈そうな門がそびえ立っていて

他の場所より空気を漂う魔力が一際強くなっていた

その横わきにはダンジョンの小さな祠のようなものがあって

その祠の支柱は石の蛇のオブジェが巻き付いたようになっていた


「もちろんよ!」

「おう!」

勇者ミトラたちの威勢のいい返事の声が聞こえる


リズは戦う前準備ということでアスラと手を「合体!」させて

テイマーの交信術を発動させておく


フォーメーションとしては勇者ミトラパーティ組が前衛で

魔法使いの多い勇者アギト組が後衛で

私が後ろの勇者アギト組に混じってるって感じ


こっちの前衛にも来ない?ってミトラに言われたんだけど

最近合わさったばかりの私がパーティの息のあった連携についていけないし

なにより危ないんだよね君たち 剣も魔法もがんがん飛び交って

敵の魔物よりも危ないよって思った


そういうことで せっかくやっては来たけど 

パーティの後ろで補助の手伝いをすることにする


(建前は監査員たちが勇者の活躍を見るためのパーティで

ボスの所で私がしゃしゃりでるわけにもいかないしね おとなしくするわよ)


準備のできた一行は巨大な門を通って奥の大広間に入る

岩盤で覆われたとても広い空間

ところどころ丸みを帯びた岩石が突き出ている


「ゴゴゴゴ・・・(ズウン)」


(うわ 私たちが入ったら独りでにあの大きな門が閉じちゃった・・

ボスの部屋ってそういうものなのね)


その直後


「「   」」


「ゴオオオオオオ!!」

(ズシイイイイイン!!)


広い間取りの真ん中に 重量感のある巨大な魔物が降り立ってきた


「(これがボスの「重魔導トルマリンゴーレム」・・!)」


ゴーレムなら以前

テイマーサークルのリサ先輩の使い魔の岩窟ゴーレムを

見せてもらったことがあったけれど 

これはそれよりもはるかに背丈が大きいし形も違っていた

岩のボディにところどころ緑色の宝石が混じっているような輝きがあった


「ガァアアン!ダアッ・・!(ダアッ・・)」

((ビリビリ・・!))

(う、すごいうるさい・・!)

ボスゴーレムの迫力のある咆哮が岩盤の空間中に反響して 

空気がビリビリ振動して揺れている


「うおおお!行くぜ!バーニング!」

「(ガッシャア!)」


その敵からの振動を受けていきなりトップスピードを上げて

ボスゴーレムに向かって飛び出していく大剣士ジャスパー

どうやらこれが速攻前衛の彼の戦闘スタンスだ


「 鉄 斬 剣(てつざんけん) !!」

そうジャスパーが声を上げると剣がしなりをあげて

横なぎに強烈な一振りが炸裂する


「ガギイイイイン!!」

硬い岩のボディに当たってすごい音が鳴る 

だけどいくつか岩のかけらが飛び散るのと

ヒビが少しできるくらいで

巨大な岩のゴーレム全体にはさほどダメージは入っていないようだった


「くっ!鉄じゃねえから・・ 切れねえ!!」

(そういう問題なのか・・?)


「ジャスパー! 斬撃は相性が悪いようです 今は魔法主体で戦いますよ!

ひきつけてください!」

賢者リードが相手を分析する

「しょうがねえな!」


本格的にボスゴーレムとの戦闘が開始される

効きの悪い物理攻撃の代わりに魔法が飛び交うようになって


一方 後方の私たちは・・

・・・


「前がひきつけてる間にあれ作ってみようか

リズ ポーションいっぱい持ってるんでしょ ちょっと出して」


(ポーションを・・?)

杖を光らせているローラがリズに声をかける


戦闘になるからちょっと横の岩の影に隠して置いておいたリュックから

ポーションを1つ取り出してローラに手渡す


「パワーアップ・・ディフェンスアップ・・スピードアップ・・」

そう集中した目で杖を光らせると ローラの手に持ったポーションの瓶が

(ポウ・・)と次々と違う色で淡く光り始める

(ポーションに魔法がかかってる・・?)


「私も混ぜて ヒーリング・・!」

するとステラもやってきてポーションに追加で魔法をかける


「1こじゃだめよ もっと出して!」

1個じゃ足りないらしい

「わ、わかったわ! でも・・これどうするの?」


「投げて」

「え?」

「だから 投げるのよ! 今ちょっと勇者ミトラに岩のかけらが当たったから

ちょうどいいわ ミトラにこれをぶん投げるのよ リズ」

ローラにせかされる


「・・・」

(投げるのね)

光るポーションを右手に握るリズ


「ガキュイイン!」「ガキン!」

戦っている勇者ミトラの姿が見える

今 彼女は戦う白いオーラを出して髪の毛が白く変化していて

やってくる多くの石のつぶてを防いでいた


(今だ!)

「ミトラ!いくわよ!(ブン!)」


「え!?」

「パリーン!」

リズの投げたポーションが 少し驚いたミトラの白いオーラのところに当たって

割れて散っていって

(え・・!オーラで阻まれて割れちゃったけど これでいいの・・?)

と思っていたら


「リズ! ありがとう!」

「(パアア・・!)」

って霧状になった術式が展開されて

魔法を付与されたポーションがミトラを強化していっていた


(どうやら これでいいみたいね よかったよかった)


「はいこれ」

「ありがと」

その間にもポーションはリュックから

せっせとお手伝いアスラの手からローラへの手渡しによって運ばれていて

魔法付与済みポーションが量産されていっていた


「リズ コントロールがいいわね どんどん作るわよ」

「まかせて!(器用だからね)」


「(こうなったら私も支援しまくりで貢献よ!)」


後方支援職人となったリズ


「ガッツウン!」

「ぐあ!」

引きつけていてボスゴーレムの屈強な腕からのパンチが

剣でのガードごしに直撃したジャスパー


「今よ!(ブン!)」

(ごっ!)

「パリーン!」


(あれ・・ なんか今ごっ!ってジャスパーの頭の方で

生々しい音が聞こえたような・・

ミトラの時とは勝手が違うみたい・・だいじょうぶかしら・・)


「(パアア・・!)」

「おう! 助かったぜ なんか一瞬 頭に敵の攻撃が来て

意識を失いかけた気がしたけど 気のせいだったぜ!」


「そ、そう・・!よかったわ!」

(どうやら大丈夫らしいわ ガンガンいきましょ)



「ガツン!」

「くっ!油断していました!岩の跳ね返りが・・!」

今度は賢者リードがダメージを負う


「アスラ!」「うん!」


「(ブオオン!)」

今度はアスラからポーションがすごい勢いで賢者リードに投げ込まれる

(え・・なんか勢いが)


「(メキ・・!)」

「あお!?」一瞬 額に筋が浮いてリアル調になる賢者リードの顔

「パリーン!」

(パアア・・!)


「(え、なんかすごい音が・・)」


「ああ・・!これは素晴らしい効能です!助骨に敵の攻撃で

ヒビが入るところでしたが すごい回復力です!」

(ほっ・・大丈夫みたいね 大丈夫よね?)


大丈夫なようなので 

アスラにガンガン賢者リードに投げ入れてもらおうと思ったけど


「んああ・・これぞ 神の所業・・!

ああもっと私に 神罰を・・! はやく・・!」


とか賢者リードが言い始めたのでアスラが

「ひい・・」ってなってリードにポーションを投げるのをやめてしまった

(あのアスラを怯えさせるなんて・・)


なので被弾の多いジャスパーの方に


(ガアン!)

「ぐあ! しぶといな!」

ジャスパーが被弾した直後にリズとアスラで


「えい!えい!ポイ!ポイ!」


「パリーン!パリーン!ゴッ!ベシ!」


「おい・・!助かるけど・・!痛て! さすがにこんなにいらねえ!!」

(あらー 言われちゃった ようやくのってきたんだけどなあ)


その時

「グオオオオオ!!」

「うお!」


「ガギャアアアアン!」

それまでの範囲より大きな腕での強い横範囲払い攻撃が来て

前衛陣が一旦 防御しながら後ろに距離をとる


さらに

「これは危ないぞ!」


「ギュオオオオオン!!」

重魔導トルマリンゴーレムが腕を横に大きく広げながら斜めに構えて

そのまま回転を始めて地面をなぎ倒しながらパーティに向かって突進してくる

どうやらボス特有の大技の様子

(ズガガガ・・!)

「!」

途中の地面のところどころにあった岩がその回転に巻き込まれて

ボロボロに崩れて吹き飛んでいく

その振動で上からも岩石が降ってきていた


「ハイフィールド・シールド!!」

賢者リードが範囲防御魔法を発動する


「ズギャガギギギ・・・ガギ・・!(ピシ・・ビキ・・)」


「・・・」

(へえ・・これを防ぐなんてすごいわ すごいけど・・

なんかやっぱちょっと嫌だなあ~ この守られてる感 ふーむ)


「うわあ・・やばいかも」

ローラが少し怯える

「あまり持ちませんよ・・!勇者!お願いします」


すると勇者ミトラと勇者アギトはお互いに声をかけて

迫るボスに揃って杖を向けて

「勇者ミトラ!」

「勇者アギト!」


「「ソーラー・シャイン・レイ!!」」


「ピキュイイイイイン!!!」


2人の息がぴったり合った大出力光魔法が回転するボスゴーレムに直撃する

「ガ・・ガン・・・ダアア・・・!!」


(おお・・巨体の回転が止まってさらにすごく効いてるみたい 

とんでもない威力だわ・・!)


その時

「リズ! 今のうちにこれを渡しておくわ!」


ステラから渡されたのは魔法付与済みポーション

(だけど 光が違う・・?)


「それはあたしたちの攻撃魔法を付与したのだ 当たったら超痛いぜ」

ローラがウインクする


(痛いで済むのかしらそれ・・というか攻撃魔法も付与できたのね

ローラの付与を増やす特殊な補助魔法の一種かしら)


(ならばこれを神罰として賢者リードに・・)

と一瞬思ったけど


その時 ボスゴーレムが勇者の攻撃を受けて大きく転倒して

「(ズシイイイイン・・!)」

(うわあ)

大きく地響きをたてて足場が揺れる


「グ、グオオオ・・!」

ダメージを受けて上半身しか今は起こせていない重魔導トルマリンゴーレム


(おや・・?)

その起き上がっている硬い岩でできた上半身の胸の辺りから

さっきまで見えなかった大きな青い色の宝石が見えるようになっていた


「(あれは・・!弱点に違いないわ!)」


「リズ・・!」

ステラが私の名前を呼びながらこっちをハッと見ている


「分かってるわ! まかせて!」


「(ズズ・・ピシッ・・!ミシ・・!)」


リズは右手に力を入れると さらに自分の圧縮魔力もポーションに流し込む

そして

「てええあああ!!」

(ギュワアアアアン!!)


職人がのってきたリズが狙いをつけた一点に寸分のぶれもなく

凶悪なスピードで弾丸のように合作ポーションをぶん投げる


それはボスゴーレムの青い色の宝石の中心部に当たり

「パキャ!!」

弾け飛ぶ

「ガ、ガン、ダ・・」


「ズギャアアアアア!!!」(バリバリバリ~~~)

「ムがあああああああああ」


(うわあ・・思ってたより すごおい・・)


「ボウウウウウン!!!」

幾多の魔法の光に包まれてボスのトルマリンゴーレムは

その場で

爆発、飛散したのだった



・・・

その後


「うーん まさかこうなるとはなあ」

「・・・」


「ゴゴゴ・・」といって

広い空間の背後の扉も開いた 

ボスモンスター討伐は無事成功できたようだった


あのゴーレムの胸の青い色の宝石は弱点なことに間違いはなかった

間違いはなかったんだけど


「ああ あれはね ボスが弱ったときに出るんだけど

そうなったら斬撃も魔法もよく通るようになるから


そこからはあの宝石の辺りは攻撃は避けて 周りの体から削っていって

宝石を残してやっつけて最後に宝石をドロップで手に入れるのが

この重魔導トルマリンゴーレムの良い倒し方だったのよ」


ステラはリズがトルマリンゴーレムを爆散させてしまった後に

教えてくれた


「いや・・だってあの時 

ステラが 今よ行きなさい、みたいな感じの目で・・」


「違うわ、一旦引き留めようと思っただけよ」

(くああ・・なんてことなの もう ステラとはこんなのばっかりよ)


「それに攻撃付与されたポーションも直前で渡されたわ・・」


「ああ ごめんね タイミング悪かったわ すぐ使うとは思ってなかったわ

周りの部位破壊用ね あれは」

「ドンマイ~ リズ」

(あああ~~)


勇者アギトやジャスパーたちがボス爆散後の現場の様子を見ている


「うーん すごいね 普通は爆散したとしてもあれだけの大きさなら

どこかにドロップできる部位が残ってるはずなのに


あんなに正確に中心を撃ち抜くとほんとに ひとかけらも残らないんだね」

(うっ・・!)


「まじかよ・・持って帰るやつは証明用のボスドロップ1こあればいいと思って

道中の魔物とかの素材は優先しなかったのになあ」


(うわあ・・)

なんかやらかしてしまった感


おまけに勇者ミトラがやってきて

「わあ すごいわリズ 大手柄じゃない! 

ボスに最後にとどめを刺すなんて!」

(あああああ~~~)


そう リズは自分が勇者のための監査で

自分がしゃしゃり出ないようにしようって思っていたのを 

その時すっかり忘れていたのであった

・・


「まあいいのさ 今回僕たちが本当に欲しかったのはこっちの方だからね

みんな そろそろ部屋から出よう」

(・・・?)


ボスの大広間の部屋の外に出て大きな門の脇まで来ると

そこに入る前に見かけた小さな蛇の巻いた祠の中が少しぼんやりと光っていた


「これこれ これだね」

勇者アギトはその祠の中からピッと1枚だけ紙を抜き取って取り出す

「特別単位ゲットね」「やった~」


(ああ そっか)


その手の中にはダンジョン制覇の証の印が入った紙があって

ぼんやりと制覇の証の文字が刻まれて光っていた


・・・

こうして私たちの臨時合同勇者パーティーによる

トルマドルマ洞窟ダンジョンの攻略は達成されたのだった


「 (戦利品はゼロだけどね・・)」


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