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瞳を見るとBURST HEAT! VS世紀末格闘少女リズと不思議の格ゲー魔法世界  作者: 綾町うずら
勇者たちと動き出した運命編
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第83話 臨時パーティと下準備

  「え・・私が ですか?」


聖セントラル中央魔法学園での

短期留学期間が続いていつもとは違う賑わいを見せていたある日のこと


D組の担任を受け持っていた

男勝りの雷魔法の女先生、

ルージュ・ライアルド・如月きさらぎ先生たちの準備室に呼ばれたのは

私リズ・クリスフォードと勇者のミトラ・ネスライトだった


如月先生はそこで他の中等部の先生とも一緒にいて

書類などの打ち合わせをしていたようだった


(・・・!)

先生の隣にいたのはジオマンジ先生という頭にターバンをまいて

あさ黒い肌をした中年痩せ型の男の魔法講師の先生で

如月先生は椅子に脚を組んで座っていたけど


このジオマンジ先生は空中で座禅を組んで浮いて普通にそこで座っていて

もうなんていうか魔法学園なのだった


如月先生が何かしゃべるたびに

無駄に満悦の笑みでニコニコしてコクコクと合わせて無言で頷いている


魔法使いが常に集中して魔法を使うために大事な技能だといわれている、

瞑想や精神集中などの 魔法が主というより

その魔力の扱いの方を得意としている先生だ

・・


「そうだ 君が選出された


この留学期間の最終日程に当たるカリキュラムで

各学年で向こう側との合同で用意されたダンジョン探索の研修がある


そのダンジョン探索には監査側の強い意向で

うちの学年からは勇者パーティが選出されたんだが 


まあうちとしても

相手側も勇者であることもふまえて それが適正だとふんでいたんだが


その中に先のセントラルド武闘大会での成績優秀者が盛り込まれることにも

言及がしてあってだな


それで大会ベスト4の成績があって

つ勇者ミトラパーティとも同学年である

リズ・クリスフォード 


君が最終日程の勇者パーティの臨時パーティーメンバーになって

日程にあたることを監査側に推薦された、というわけなんだ」



「(ええええええ~~)」


「ええ・・!」

私が驚くのはそうなんだけど

ミトラの方も初耳で驚いているようだった


「君だけではなくて大会の他の参加者も推薦は受けている

任意で合同の臨時パーティを組んで

各地のダンジョン研修に向かうように要請されているが

勇者パーティに限っては成績上位で同学年の該当者が君だけだったから

君が適切だろうということだ」


(なにい~ 成績優秀者ならゲンゴとかでいいじゃん・・って

ゲンゴはまだケガのリハビリとかの観察期間かなあ 

無理はできないよね・・1こ年下だしね・・)


「な、なんで武闘大会の参加者なんですか?」


「武闘大会は参加学生の対外へのアピールの場になっているという側面もある

評価されたり目に止まったりされれば

将来良い就職先にいけたり国の研究室にスカウトされた例もある

良い成績をおさめれば学園の卒業時に実績にもなるんだ


このダンジョン研修は特別に学園での成績に加点されるが

各学年の選抜メンバーでしか行われない


今回の留学の元の口実が大会での不祥事に対する監査目的だから

今回の不祥事によって

不利益を被ってしまった大会参加学生に対する救済という形にも

なっている というのが向こうの推薦理由だ」


「はあ・・」

(うーん 理屈は分かった様な気がするけど

やっぱりよくわからないわね ようするに私が勇者パーティに

その時だけ入りなさいっていう話だよ)


ダンジョン研修っていうか

ダンジョンを詳しく探索調査して内部に異常などがないか、

定期的に管理保全などをするのは

国土に資源を産出するダンジョンが多くて

主要な産業にもなっているメリカド魔法共和国では

けっこう重要な任務だったりする


経験は積めるのかもしれないけど

あの勇者たちとそんな大掛かりな研修・・


「勇者パーティといきなりパーティなんか組んで大丈夫なんですか?」

私が気になるところを聞いてみる


「もちろんお前たちの事情はくむが

ダンジョンの難易度的には

そのメンバーで十分討伐可能なダンジョンに設定されるし


事前にこうして組む前に余裕をもって

構成や探索の打ち合わせができるようにしている


なんでもお前たちはよくペアを組んで講習で活躍したそうじゃないか 


相性がいいんじゃないのか お前たち」


「(ぬああ・・!!

いいえ 如月先生 

わたしと勇者ミトラの相性は最悪なんですよう・・!)」



「相性がいいだなんて そんな・・うふふ」


勇者ミトラはそれを聞いて なぜか満更でもないような様子をしている

(いや 君は一番よくわかってるよね)


・・・・

(やー、しかしなあ・・勇者パーティっていうのがなあ・・あの男たち・・

でも なんかやつら改心したっぽいしなあ・・


それにダンジョンに行けること自体は悪くないのよね

アスラにもこの前寝る前にダンジョン行かせてあげるって言ったし・・)


「あの・・私の使い魔は連れて行ってもいいんですか?」

「ああ それはもちろんだ」

(ぬう・・あっさり関門が)



「まあ 悪い話ではない

パーティといっても向こうの勇者パーティと一緒に行動するから

実質まとめてひとくくりのパーティだ


一人当たりの負担も少ないだろう

成績にもかなり有利に加味される 頑張ってきなさい」


「コクリ」ニコ・・!

さっきから隣で浮いてる存在感だけはものすごい癖に

もう一切しゃべらずに笑顔で如月先生の言うことに

同意してうなずいているだけのジオマンジ先生



(何かしゃべってくれないかなあ・・)

とちょっと思っているリズ


すると

「魔法師、旅スルノトッテモイイ事ネ・・!」グッ!(親指をグッドポーズ)

(わお・・)

このジオマンジ先生 とってもカタコトなのだった


そのありがたい先生のお話によると

魔法使いっていうのは本当はもっと

いろんなところを旅して魔法を修練した方がいいらしい


ジオマンジ先生は外国から来た先生なんだけど

ひとつの国や地域から出てこなかった魔法使いにはよくありがちなことで

自分の生まれた土地の力場でずっと慣れてきた魔法使いは

自分の国だと加護もよく働いてよく魔力を使えるけど


遠くの加護のない土地や外国などの土地の

力場の構成が若干異なる場所に遠征をすると

途端に気分が悪くなったり

いつもの力を発揮できなくなってしまうことがあるらしい


だから若いうちによく旅をして

世界の色んな土地の力場の変化に慣れて

いつでも力場に関わらず自分の精神を集中できるようになることが

魔力を扱う魔法使いにとってとても大事なんだそうな


そういって

ジオマンジ先生は宙に浮きながら

にこにことマイペースでそそくさと旅にいく準備などをしていた


どうもこの先生はしょっちゅう旅をして帰ってきたのも最近だったみたいで

買ってきた全然話に関係ないどこかの部族の変な仮面とかを

見せてくれたりした


如月先生には呆れられていた



(そっかあ 旅も大事なんだなあ・・ふーむ・・)


・・・・

そんなこんなで丸め込まれてしまって

リズは勇者パーティに参加することになったのだった


「わあ 私リズがくるなら張り切るわ

打ち合せしましょ お買い物にいきましょ!」


ルージュ・ライアルド・如月先生たちの準備室を出てからウキウキの勇者ミトラ


「な、なんで買い物なのよ

それにね パーティ組むのは1回だけよ 1回だけだからね!」


「わ、わかってるわよ・・

買い物は冒険に必要な体力ポーションとか買い占めるのよ」


(ああそういうことね いや買い占めまではしなくていいわよ)


・・・

その後勇者ミトラと一緒に空いた休み時間に

学園の中央街の魔法使い用の雑貨などを取り扱うお店で

ポーションなどの買い物をしにいくのだったが


・・・・

・・・

魔法使いの冒険者用雑貨アイテム店 「ヘンムリバー セントラル支店」


「これと・・あれも・・後、これも必要よね・・」

「(・・・おや)」


勇者ミトラによって

買い物カゴの中にこんもりと積まれていくお店のポーションたち


(こんなにたくさん・・)

まあ冒険にはこれくらいは必要なのだろう

私はよく分からないけど


・・・

少しコーナーを移動して

ショーケース入りの奇麗な瓶のポーションの前に立つ勇者ミトラ


「ああ・・これはいいわね! 上位のポーションは清めの聖水の効果もあって

お守りの効果もあるんですって! 絶対いいものよ 店員さん!」


店員さんを呼んでショーケースの鍵を開けてもらって

中のポーションを満足げに受け取る勇者ミトラ


「うふふ・・!これもゲットね」

「(・・・・)」




「では全部で会計 XXXXXバキュウーン になります」


「はう・・!」

(やっぱし・・!)

ここではじめて青い顔になるミトラ

会計のリズの隣で金魚のような財布をだして口を広げているけど


それをちらりと覗き見る

(そこそこは入ってるけど 全然足りてないわね・・)

(ミトラも勇者だし貴族だけど 親からお金を無心にされてるって言ってたし

あんまりお金がないのかもしれないわね・・)


ミトラが特に考えずに突っ込んでいるのを見て そんな予感がしていたリズ


(どうして私の周りには 

値札を見て買い物ができない人が多いのかしら・・)



「・・必要なのね?」

「そ、そう・・」



(チャリーン)「ありがとうございました~」


結局リズの財布のお金から大半を出して 

山のようなポーションたちを買ったのだった


「ご、ごめんね 普段リードたちにそういうのは任せてたから

こんなに高くつくと思ってなくて・・」


「まあいいわ 私も他の人も使うものだしね


はい これ これは勇者のあなたにあげる

ショーケースの一番高かったやつだから」


奇麗な瓶に入った高級ポーションをミトラに手渡す


「あ、ありがとう・・」



こうしてダンジョンの準備を整えたのだった



・・・

数日後

あれから何日かたって短期留学期間もいよいよ佳境といったところだ

首都からやってきた留学生たちも

充実した内容の学園の講義を受けて過ごしていたようだった


そして各学年選抜メンバーから

留学の最終日程のダンジョン探索の研修がはじまる時がきたのだった


あれから軽く臨時パーティで打ち合わせなどの準備もして


そのとき探索するダンジョンの場所も

事前に提示されていたようで決定していた



・・・・

ダンジョン探索日程の前日の夜の風車の家


(ペラリ・・)

リビングで寝転がって本のページをめくるリズ


「(火の山の麓・・トルマドルマ洞窟ねえ・・)」 


学園のある都市から出て北東にそこそこ離れた

火の山という今は活動していない古い山がある地域の麓にある洞窟のダンジョン

その昔っていうか 

今でもたまに宝箱から宝石がでるダンジョンという前情報

 

ただ今では宝石資源はほぼ枯渇してしまっているらしく

極端に宝石の類のものが見つかることはなくなっているという


元々部屋にあった簡潔なダンジョンの本や

いつかアスラがマギハちゃんから借りたままになっていたダンジョン本が

まだ手元にあったので 

それに記載されている情報を詳しく知ることができる


(ていうか シュバルツ先生に返さないとね まあ今日は活用するけど)


(ふーん かなり地下に広い洞窟のダンジョンみたいだけど

ダンジョンのレベルとしては中級者レベルね・・

運がいいと宝石とかとれるのかあ)


「ふむふむ・・」

シュバルツ先生の本の方がかなり古いけど記載が詳しいので

元々あった本は閉じて そっちを集中して

トルマドルマ洞窟について記述のあるページを読んでいくリズ


(ぴと)

「あっ!こら アスラ」

私が寝転がって本を読んでいると

私の背中にリビングにそっとやってきたアスラが勝手に乗って くっついてくる


「しっぽしっぽ」

(しっぽ・・?)

私の背中に何か言ってるアスラの体温がじんわり広がる

(まあいいか)


「何してるの?リズ」

「明日アスラと行くダンジョンのことを調べてたのよ」

「ふーん じゃああたしも見るう」

「いいわよ」


背中からリズの肩に にょきっと知りたがりのアスラの頭がやってくる

しばらく一緒に本を読む


アスラたちって本の文字読めるのかなとは思ったけど

絵本とかはよく読んで聞かせていたし

クロージュさんから文字や読み書きの本をキスラに渡されて

一緒に本をにらめっこしていたようだし

たまにマギハちゃんと遊ぶだけじゃなくて勉強会とかもしていた


まあ基本的にアスラは挿絵でなんとなく雰囲気を読んでいるみたいだけど・・

と思ったら


「エンダ、アンフェ・・」

「?」


アスラがなにかいつもと違う感じの変な言葉を呟くから何かと思ったら

アスラはこの本のトルマドルマ洞窟と記載された辺りの下の方にあった

リズは読めなかった謎の文字を指して読んでいたようだった


(他のダンジョンのところにもこういう文字があったけど

もしかして魔物が読める言葉でも書いてあったの?すごいわねえこの本)


「アスラこの文字が読めるの?」

「うん ほかのも教えてもらったからちょっと読めるようになったよお・・!」

「まあアスラ偉いのねえ」ワッシャワシャ

「キャッキャ・・!」


でもその謎文字は読めるは読めるけど意味はわかんないらしい

それって読めてるんだろうか


(これは・・)

それに少し気になる詳細の記載がある


この前にネロたちと一緒に行った砂漠のダンジョンは

隠し通路はないダンジョンだったけど

今回のこのトルマドルマ洞窟のダンジョンでは古い隠し通路が存在しているらしい


(とはいっても記載は昔の神様を祀る遺構とか

他の隠し部屋によくある報告の

古代の魔物の痕跡が残ってる古い空間くらい、か・・)


いつかの善良な竜のいる学園南のダンジョンの隠し通路のその空間は

不気味だったけど虫や足跡の痕跡があるだけで

特になにも起こらない空間だった


(まあ今回は 別に隠し部屋に行くわけでもないし関係ないわね)


・・

トルマドルマ洞窟ダンジョンの記載を一通り読み終わる


「読み終わったからどいて アスラ」

「うん」

おずおずと私の背中から降りるアスラ

私は読んでいた本をパタンと閉じる



「アスラ この本ね 今はまだいいけどね、気が向いたら 

ちゃんとお礼をいってマギハちゃんに返すのよ」


「うん わかった」


(ドテドテ・・)

そのうちに2階から騒がしくして足音が降りてくる

リビングにやってきたのはネロだった


たくさん荷物をもっている

「どうしたの?これ ネロ」


「明日は僕はダンジョンについていけないからさ

こうやってリズの荷造り手伝ってあげようかなって」


荷物のうちのいくつかは

この間勇者ミトラと買い物をしたときに

買い込んでいたポーション入りの袋が混じっていた


「さあ リズ! これに明日必要なものを詰め込んで!」


(どおおん!)

ネロはそういうとネロがいつもダンジョンに行くときに

背負っているでっかいリュックをズリズリ持ち出してくる


(ええ~もしかしてこれにいれて明日私が背負って行かないといけないのお~)


「ねえ ネロ もうちょっと小さいのとかないの?」

「ないよ」(即答)

(うっ・・!)


仕方がないので 

そのネロの大きなリュックに明日の詰め込み作業を開始する


(ガサゴソ・・)

「ネロ こんなにお菓子はダンジョンに要らないわ」

「え そうなの いつも入れてたよ」


(ネロ・・君はピクニックに毎回行ってたのかい?

だからあんなに大きな荷物になっちゃうのよ

まあでもカロリーが高いからいざというときの非常食には

ほんとにいいんだけどね・・)


ネロのお菓子の量を減らして

ネロおすすめの厳選されたお菓子のみをいれていく

(結局お菓子がはいっていくよ)


(ガサガサ・・)

「それにしてもこれポーションも多いわね・・」

「そうだね こんなにいるのかな」

(ミトラが必要だって言ってたけど これもネロのお菓子みたいな感覚で

買い込んだんじゃないでしょうね)


まあでも必要だって言われたから信じて詰め込んでいく


アスラが途中でアスラのお宝(主にお菓子など)が入った巾着袋を

手に持ってきたのでそれも入れてあげて

他にもいろいろ冒険者仕様のスタンダートな持ち物を入れていく


「あっ・・」

いつか荷物のところに置いておいたオジキにもらった

この家の権利の木版がでてきた


(権利の木版だし これはこの家にお留守番ね・・)

と思っていたけど

ネロによると 

裏面にいろいろ機能があって方位とかマップを記入できたりもするから

これもいれておくといいよって言われた


そういえば前に砂漠のダンジョンに行った時にネロが木版を活用していて

私もちょっと裏面地図とかいじっていたんだった


「ほら こんな風に少しだけ小さくもできるよ」

(カコン)

「(あらほんと)」

木版の端が折りたたまれて少し小さくなって 

かさばらなくなったので一応入れておく


他にもいろいろ荷物を減らすように努力もして

最終的に余裕をもってリュックの7割くらいの積載量で済ませた

(それでもかなり大きいけどね)


「よっと・・」

詰め込み終わったので仕上げに確認で背負ってみる

小さいネロではなく私が背負っているので

相対的にリュックは小さくなったようにも見える


(わあ・・まるで登山に行くみたいだわ

ダンジョンで戦うときは降ろさないとね)


(あれ・・でもちょっと重いし膨れてる気がするわね

余裕を持って詰め込んだと思ったんだけど・・)

それでよく背後のリュックを見ると


「あ、こら」

リュックの積載の残り3割ほどのスペースが空いていたので

いたずらでアスラが妖精形態になって

ちょうどそのスペースにすっぽり入って

リュックからひょっこり顔を出したりしていた


・・・

そんな感じで明日のダンジョンにいく下準備も完了して

明日に向けて今日は部屋で休むのだった


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