表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
瞳を見るとBURST HEAT! VS世紀末格闘少女リズと不思議の格ゲー魔法世界  作者: 綾町うずら
勇者たちと動き出した運命編
79/147

第79話 勇者相対

 「そうよ 空を飛べればいいはずよミトラ」

「そうね」


見た目をともかく私たちは まずそのままの配置で

勇者ミトラがパンダの前側に 私はパンダの後ろ側に

それぞれヘルメットを装着して乗り込む


(乗り込むっていうか 完全にまたがるって感じだなあ・・)


「じゃあまた魔力を流せばいいのね」

「そうしましょ」


(付与曲折あったけど これで空を飛べるのね・・!)


「ズズズ・・・」

リズの魔力を注入していく

お互いの魔力がエンジンのような機関部にモリモリ入っていったところで


「これで取っ手をもってこう・・」

(わくわく・・)やや期待感


トカゲパンダにまたがった前側のミトラが取っ手ハンドルを操作する


だが


「ボズズウウウン・・・」

(あれ・・)

なんか周りに煙みたいなのが噴出するだけで

バイクが浮き上がる動作までいかない様子だった


(あっれー おかしいなあ・・)

「おかしいわね・・」


・・・

「うおおお」「きゃー」「やっふー」

周りではセンスのある学生のペアは 早くも空に浮かんで旋回し始めていた

(わあ・・ほんとに浮かんでる いいなあ 楽しそう)


(原因はなんだろうなあ)


リズは一旦パンダトカゲからは降りて 

座ってその魔力が混じり合う燃焼機関の様子を見てみた


「バチバチチ・・・!!」

でもなんか全然混じっていない魔力たち 

反応はしているけどそれは すごい勢いでお互いをはじいているような


(あっ・・もしかしてこれ・・)


そう、 勇者ミトラの聖の魔力と私の黒い魔力は


半端ではなく

相性が悪かったのだ


全然魔力が混じらなかったからこそ 

混じりきらずに分かれてパンダのような色合いになってしまっていたし

燃焼機関で混じりあわないので

エネルギーとして変換できる形になってくれていない


(そういえば 私の魔力が黒いのもそうだけど

追加元の魔力も饅頭マン経由の あの魔物の竜の魔力なのよね


勇者であるミトラと はじめから合うはずがなかったんだわ)


「どうする?ミトラ 私たちじゃ これ相性が悪すぎるみたいよ

今からでも他の人と組む?」


「それは嫌よ」


ミトラに即答されてしまってどうしようもならない


「1回だめだっただけじゃない まだ試してみましょ

一緒に飛ぶのよ」


今度は私たちの位置を前後を逆にして 再度試してみるけど結果は同じ感じだった

(困ったわあ・・)


魔力を調整したりしながら途方に暮れていた時

・・



ザ・・!

「遅れて申し訳ありません・・!」


(おや・・あれは)


「お!あれは首都からきた勇者だぞ」 「出る気だったんだな」

「きゃー 本当にかっこいいわ~」


癖のある黒髪をたなびかせてやってきたのは

監督生として首都から派遣されてきたという勇者の男子学生で

前にリズが姿を一目見た時と同じ高級なローブ姿をしていて

さらにその後ろに

ローブ姿の杖を持った、これも監督生の女子学生が2人遅れてやってきていた


合同講義前に監査の本部の人と話し合いをしていて遅れたらしく

そのあたりは伝達もしていたらしい


・・・

その場だけどD組の生徒とは初めての交流なので軽く紹介が行われる

一旦すべてのバイクの浮遊が止まる


ボルティックス先生が声を上げた後 紹介が続く


「D組の生徒は初めてになるな

聞いている者もいるだろうが 彼らが今回監督生として

この聖セントラル中央魔法学園にやってきた留学生だ


D組にはこの学園の勇者である勇者ミトラもいるから

後で交流に話してみるといいだろう」


そこで少しその留学生内でいざこざがあったようで

ごにょごにょ話している


「ほら 勇者でしょ あんたから自己紹介しなさいよ」

「いや 僕は後でいいよ 君たちから紹介して」

「何言ってるの しょうがないわね」


結局女の子の方から先に紹介することになったようで



「私はステラ・ティタニアです 


聖メリカドハート魔法首都学園から監督生として来ました

聖属性魔法と回復魔法が得意です

私たちは普段は一緒のパーティーで組んで活動しています

D組のみなさんよろしくお願いします」


「あたしはローラ・ノイルド

あたしも聖属性魔法とあとは支援補助魔法が得意かな

よろしくおねがいしま~す」


先に紹介した、白に紫まじりのローブを着たステラという女の子は

エルフの様な見た目をしていて容姿が端麗であった


その後の 白にオレンジまじりのローブを着ている

ローラという女の子は少し小さめでちょっとだけ気だるそうな普通の女の子

この子もとてもかわいい 


(そういえばローラってクリスフォード家の屋敷のメイドさんと

同じ名前ね しばらく会ってないけど元気かしら)


(ていうかどっちも聖属性魔法使いなのね・・なんだろう聖属性って

優秀なのかしらね勇者パーティで監督生になれるくらいだし・・)


そして首都からきた勇者の紹介になる


「僕はこの2人と勇者として首都から派遣されてここに来ました


名前はアギト・クロスハルトです よろしく


僕は剣はあまり得意ではないので魔法に力を入れています

魔法の属性は特殊なもの以外は全部使えます」


「おお~」「きゃー」「うひょ~」


(出たわね 全属性ってやつね

ていうか この勇者も前見たときから魔法使いぽいって思ってたけど

ほんとに魔法優先で剣使いじゃない・・?のかしらね)


「おいおい アギト君は首都での成果に剣での項目も入っていたぞ

剣の方も機会があったら楽しみにしているぞ」


剣術の方が関心があるのか

武闘派っぽいボルティックス先生から突っ込まれる勇者アギト君


「いえ・・ほんとうに剣はたしなむ程度ですから」


(こういうのってたしなむ程度っていっておきながら

ダメダメじゃなくて普通に優等生だからできてるパターンじゃないの・・?

剣の成果もあげてるみたいだし・・)


「ふーん・・」

その様子をまだ全然動く気配のない地べたのパンダトカゲバイクに

乗ったまま見ている勇者ミトラ


(確か勇者ミトラも剣は得意じゃないから

魔法で成り上がるとかいってたわね 

なにか似たようなシンパシーでも感じたのかしらね・・)


それで新しくやってきた勇者アギトら一行も加えて

合同講義が再開されたのだが・・


・・・・

「ここに来るときに遠くからちょっと見えていたんだけど

こんな感じかな」


「よっと・・!」


「バルルルルン!!」


(なんですって~!)

勇者アギトはほんの少し説明に入っただけで

竜人族のトカゲのおもちゃ「ドラポンライド」を

いきなりオートバイのような大型バイクの姿にさせたのだ


その後スムーズに魔力を加えてそのオートバイを浮かせて旋回も始める


(うそ~・・)

しかもそれをここまで一人で器用におこなっていた


「へえ これすごいわね・・!」

いきなりバイクを起動をしてみせた勇者アギトが目立っていたが

監督生の女の子2人もすでにペアになっていて

バイクで空を旋回していた

(ぬう・・さすが 監督生だなあ・・)



「(これは負けてられないわね・・)」


その後リズたちも めげずにいろいろ試してみる

ミトラの方に聖属性じゃない魔力を送ってもらったり試行錯誤もするけど

それでも反発してしまう


「ダメかしら・・」

「うーん これもはじいてるわね」


「(バジジジジ・・!)」

(おかしいわね・・聖属性が、とかじゃなくて もう勇者ってこと自体が

受け入れられないのかしらね) 


(うーん やっぱ最高に相性が悪いわ 私たち)


・・・

「ブロロロロ・・」

そんな私たちに一台 2人乗りのトカゲバイクが近づいてくる


(さっきの留学生の女の子・・?)

パンダが動かなくて 少し離れで休んでいた私の方にやって来た


先の方にいたステラって紹介していた奇麗な女の子が話しかけてくる


「あなたがこの学園の勇者さん?

ミトラ・ネスライトさんっていうんですってね」


「いいえ ミトラはあっちよ 私はミトラのペアのリズっていうの」


「あら ごめんなさい 

髪の色が変わってるし

首都でも見かけないような高性能そうな腕輪をつけてたから

あなたかと思っちゃった


アギトがあそこだけ明らかに魔力が違うから

この学園の勇者がいるだろうって」


(ああ・・腕輪ね 杖よりこの腕輪の方が魔力の伝導がいいから

もう普段からつけてるのよね)


ミトラもやり取りに気が付いて

パンダから降りてこっちの方にやってくる


「私がミトラ・ネスライトよ はじめましてね」


「私たちが留学に来たのはあなたと交流するためでもあるの

よろしくね  さっき紹介したけど 私はステラ」


「はーん 勇者って聞くけど制服着てると案外普通なんだな 

あたしはローラ よろしくう」


バイクの後ろの席からヘルメットをとって顔をのぞかせる

ローラという少し小柄な子


「ピシュウウウウ!!」

(うわ)

そこに外から光の波動がやってきたかと思うと

颯爽と追加で一台オートバイが空から降りてくる

(この感じは・・)


「さっきの魔力・・君がこの学園の勇者ミトラ・ネスライトだね」


勇者アギトは

どうやら私ではなく ちゃんとミトラの方を勇者として認識できているようだ


「そうよ あなたが勇者アギトね 

しかし珍しい顔ね 

私も首都にいた勇者は少しは知っていたつもりだったけど・・」


「僕は最近たたき上げたからね 一気に勇者のランクが上がったんだ

組んでるステラたちのおかげさ」


「まあ ・・それはうらやましいわね」


(・・・)

課題の学園南のダンジョンに苦戦し続けて

未だに真の踏破の証を手に入れることができていなくて

低ランクで足踏みをしている勇者ミトラなのだった


「交流では君たちの胸を借りるつもりでいるよ

勇者としてお互い いい刺激になるようにしよう

よろしくね勇者ミトラさん」


「ええ よろしくね 勇者アギト君

私も魔法専攻なの アギト君と一緒ね」


「・・! それはいいね!」


勇者同士の挨拶の様子に取り残されるリズ

(ほーん やっぱ勇者ってかんじねえ この場に居にくいわ)


「ペアって言ってたわね その子があなたの勇者パーティメンバーなの?」

さっきのステラという子がミトラに聞いている

(あ、私のことだ)


そこに勇者アギトが

「そういえば 君の魔力も遠くから分かるくらい異質だったなあ

リズっていってたっけ いいパーティメンバーだね」


「あ・・いえ リズは・・そうじゃないの 今日は分かれてるの

私のパーティメンバーは今はあそこね・・」


ミトラが指をさした先には

(なにあれ)


「ブオオオ・・」

そこにはトカゲの顔のマークがついた軽トラックのような

バイク(?)の中に乗り込んで

空を旋回している大剣士ジャスパーと賢者リードがいたのだった


(それ・・控えめにバイクじゃないわよね )

運転席にはシートベルト?に安全ヘルメットを付けた賢者リードがいて


「バーニング!」

軽トラの荷台にはノーヘルの大剣士ジャスパーが立っていて

調子乗ってなぜかヘルメットを装着して炎のついた剣を振り回している


(あれ・・なんか・・、)


「ワッハハハ・・」キラキラ

賢者リードがものすごいさわやかな顔をして

楽しげに軽トラックを運転をしているのが一瞬ちらっと見える

(うーん・・ 気のせいかな?)


(ていうか やつらも見た目はともかく ちゃんと空飛べてるんだなあ

変なバイク?だけど安定もしてるし・・やっぱ優秀ではあるようね)


「へえ・・変わってるね じゃあ彼らにも挨拶をしてこようかな


ところで・・君たちは空を飛ばないの?」


「!・・・」

(うっ 気付かれてしまった

監査の人もいるのに うちの代表のミトラが飛ばなかったら

私の相性のせいで心証がたぶん悪くなるから

早いうちに代わってもらえたらいいんだけどなあ・・)


「なにそれ パンダァ? それって乗り物なの? プフ かわいいね」

小柄なローラって子は遠慮のない性格らしい


(いやあ わたしもできれば普通のバイクがよかったけどね)



「・・もしかして勇者ミトラさんって飛べないのかしら?」


少し疑いをもったステラが

エルフの奇麗に整った目でミトラのことを凝視してくる


「・・も、もう少しで飛べる、わ・・」


「そう・・」


少しステラが向けていた眼差しが冷たくなったような気がする


「じゃあ僕らはこれで 頑張ってね」


ミトラの取り巻きにも挨拶をするのか、

勇者アギト一行は私たちからは離れていった


・・・

・・


「・・・」


相変わらず すんとも動かない私たちのパンダトカゲ


「・・ミトラ、 代わってもらいましょうよ 

私のせいでミトラが飛べないと

みんなにいろいろ言われちゃうわ 大丈夫よ、私は先生とかと組むから」


「絶対いや・・」


うつむいてパンダにくっついて寄りかかかっている勇者ミトラ

(・・・強情ねこの子 

まあ私もここまできたら一緒に飛んであげたいけどね)


「(まてよ・・元々先生とか

さっききた勇者アギトは全部一人でやってたじゃない

なら一人でやるか 難しいなら完全に分業しちゃえばいいんじゃないかしら)」


思いついたそれをミトラに提案してみる


・・・・

「それ・・試してみましょ」

パアっと うつむきから復活したミトラ


ということで

まずさっきのように私が後ろ ミトラが前で 


「ズズズ・・」

完全に前後で領域を分けて混じり合わせないで

相性の悪い私たちの魔力を一切干渉させないようにする


すると


「ズギギギ・・!」

(ブワアア!!)


「浮いたわ!!」

(わあ・・! やっぱ私たちって最高に相性が悪いわね!)


でもミトラはあんまり納得していない様子

「でもリズの魔力と一緒じゃなくて完全に分けたら動くなんて

ちょっと複雑・・」


「なにいってるの 飛べればいいのよ飛べれば」

(私の魔力で なんか変な音はするけど・・)


「それも・・そうね!」

ミトラはちょっと嬉しそうに笑う


(そういえば結構一緒にいたけど 

この子が無邪気に笑ったところはあんまり見たことなかったわね

奇麗だけど かわいい顔ね)


「やったわ! リズ」

その後取っ手ハンドルを操作して

バイクの旋回にも成功する


(ちょっと前の方の取っ手の操作も楽しそうねえ・・)


私の機関への魔力供給は安定して器用なのが売りなのだけど

勇者ミトラの操作は荒っぽいので結構上下に揺れて危なかったけども


「ズズズ・・!」

(相変わらず変な音はするけどね)


私の出力はそこまででもなかったので スピードはあまり出なくて

ミトラの運転が荒っぽくても振り落とされるようなことはなくて


「ボズズズズ・・」

(チャラリ~♪)

飛行するとどこからか陽気な音楽が鳴って

申し訳程度に太くて短い足がピコンピコンと動くようになっている仕様の

私たちを背に乗せたパンダトカゲ号


(・・それ意味あるのかしらね)


(まあ おもしろいからいいか)


しばらくミトラと一緒にスタジアム内の空の旅を楽しんでいた



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ