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瞳を見るとBURST HEAT! VS世紀末格闘少女リズと不思議の格ゲー魔法世界  作者: 綾町うずら
星誕祭:リズとアスラの学園武闘編
57/147

第57話 VS大剣士

 「準々決勝 リズ・クリスフォード 対 ジャスパー・ロウ の試合を行う!」


審判は少し人員が変わっていて

この試合では半竜人で魔法剣士の上位格の魔法師、

ボルティックス・アルハマー先生が主審になっていて

鱗の見える屈強な腕を組んで試合を取り仕切っている


掛け声もやたら通りのいい竜人の先生ボイスになると

引き締まってさらにちょっと違う大会みたいだ

他にも明らかに人員が増えたり補助員の人が変わっている


この先生の講義はリズもよく受講していて講義では

言っては失礼なんだけど

頭脳しか使わない真面目な座学ばかりで違和感があった


でもここで出てくることを考えると やっぱり先生は武闘派だったのだろうか



・・・・

試合前のこと


今度は余裕をもって選手待機室に向かう


「・・!」

そこにいたのは勇者パーティ側近の大剣士ジャスパー

まあなんというか同じ試合にでるのだから 鉢合わせしても不思議ではない


(カチャカチャ・・)

ベンチに座って普段自慢している家宝の愛剣の手入れをしているようだった

思っていたより手入れにこだわりが見える小道具が散乱していた


特に私から関わることもないので すぐ試合のステージに出て

近くで試合の観戦でもしようと思っていた時



「 お前 そこそこやるんだな・・」


その声はジャスパーの方から かかってきた


視線は愛剣の手入れをしているままだ


「・・・・」

私からは特に話すことはない

でもジャスパーはマイペースで淡々と話しだす


「リードのやつが予選でお前に負けたって聞いたときは

なんの冗談かと思ったが 今日の動きをみるとどうやら違うみてえだ


あいつの様子は確かに おかしかったが・・術自体はキレてた

あいつまだ出さないっていってた祝福の魔法まで出したからな」


「・・・・」

特にいうことはなかったけど リズは立ち止まってその言葉を聞いている

(・・・)

近くにいたアスラはリズの手を握って 

黙ってちょっとだけ頬をピトリと寄せてくる


「その使い魔・・もしかしてあのときのスライムか?

いや・・そんなわけねえな 色が似てただけだ

だが悪かったな お前らは別に弱くはなかった」


「・・・・」

「・・・」



「俺にもすんのか?あれ

あの下からドカンってやつ」


そこでジャスパーが初めてリズに顔を向ける

その顔は挑戦的で別に怯えている様子はなかった



「さあ・・・・?」

はじめてリズが答える


大剣士ジャスパーからなにか闘志めいたものをゲーマー心で感じたからだ

まあ確かにこの男はリズに対して さきっぱやくて うざったかったけど

バカ正直ではあった 

そこはリズが感じていたこの男の数少ない美点だった


その返事を聞いてか

「まあいいぜえ 続きは試合だ」


大剣士ジャスパーは

手入れの終わった剣を持って立ち上がり 肩に担いだ


「(ガッシャン!)」

そのよく手入れのされた頑丈な剣は重厚な音を立てて 

大剣士ジャスパーに応える


その動きによどみはなかった



・・・・


その時と同じ姿勢で闘技場でジャスパーは立っていて

試合で戦うリズとアスラに対して向かい合っている


「・・・」

(剣士って普通に戦いにくいわよね

普通に考えて 

あんなでっかい剣持ってる人間なんかと戦いたいとは思わないわ


でも魔法の力が強いからそういう相手でもなんとかなってるし 

この世界は魔法が主体なのよね


イヴの力はもう会場に祝福の守りが使われてるから

開放されて使えないこともないけど

基本的には頑張って使えるようになった魔法の力でなんとかする・・


アスラには剣士とも打ち合えるように

体の一部や拳に分厚い魔力を圧縮して

攻撃を弾けるようによく特訓はしてあるけど


ジャスパー・ロウ・・

ロウ家だっけ、こいつもあれでいて有力貴族なのよね・・

普通の剣士とは格が違う技能を持ってる大剣士相手・・

どこまでできるかしら )


・・・

試合開始のゴングが鳴る

「「ゴオォン!」」


「いくぜえ!!バーニング!!&バーニングファイト!」


開幕いきなり大剣士ジャスパーはバランスの取れた構えから 

体と剣に炎を纏わせて突撃してくる

(・・!)

体にかかったのは身体強化魔法だろうか


「ダッシュ!」

アスラもまた中央に一気に走り出しており 

ジャスパーに対して真っすぐに向かう


(基本的に自由にさせてるけど 始めに走るのが好きだねアスラは

でも剣士相手には危ないよなあ)


リズの思いとは裏腹に

危ないなど微塵も思っていないように 

足を全力でいっぱい動かして そこに突っ込んでいくアスラ


「バーニング・ロケットアタック!」


ぐんぐんスピードを出して直接相手に頭から突っ込み 

炎をだしてアタックする荒々しい技だが

さらに頭の前方に魔力を圧縮して集中しており

まともに当たれば手痛い近接型物理攻撃魔法に改造してある


「バボウウウウウ!!!」

「ガギュイイイイン!」


炎属性同士の力がぶつかってとんでもない爆発と音が出る

(うわあ 大丈夫?これ アスラ)


「ファイヤー!!」

「熱、あっつ!あつい! くっそやっぱ炎は効きにくいかあ

好きなんだけどなあ! だがもう一押しだ」


アスラの元気な声が聞こえるので一旦は大丈夫そうだった

あのジャスパーの剣とも打ち合えている

(ただジャスパーにも余裕がありそうね・・)


「バーニング! バアアニング!」

「ファイヤーパンチ! ファイヤーパンチ!」

最初の頭からのロケットアタックは止められてしまったので

アスラは徒手戦闘での打ち合いに切り替えている様子


振りかぶるジャスパーの剣をファイヤーパンチの魔力で弾き飛ばしているようだ

(あれ なんか意外と相性がいいのかしら)


「いいぜえ!ならこれだ! バーン!ファイト!スイング!!」

「!!」


「バオオオオン!」

弾いた勢いで少し下がってから一回転勢いをつけて

広範囲に横なぎ大振りの一撃を放つジャスパー


「ぐうう!」

ファイヤーパンチで迎え撃つけど

剣の勢いのついた重い一撃は抑えきれるものではなくて

均衡が崩れてアスラがリズのほうに吹き飛ばされた


「(ガッシャン!)」

「ふう・・熱かったぜ!」

一度剣をくるりと回して背中に剣を担ぐジャスパー


はじき出されてリズの近くまで戻ったアスラ

「アスラ大丈夫?」

「うん大丈夫」

「そう なら私もいくわ」

「うん!」

後方に控えていたリズも戦闘に参戦する


「そうこないとなあ! あったまってきたぜ!」


「グレイト・バーニング・ファイト!!」

そう魔法を唱えると大剣士ジャスパーの体の周りから上に向かって

大きな火柱が吹き上がる


(・・!あれは やっかいな身体強化っぽいわね)


突如

その火柱から抜け出してジャスパーは姿勢を低くして一気に突撃してきた

「先手必勝ォ!!」


(げ! もうこっちにきた!ならば・・!)


「ウォーターボール!」「ウォーターボール!ウォーターボール!」(ズズ・・)

「ファイヤーボール!」「ファイヤーボール!」「ファイヤーボール!」


そのジャスパーに向かって雨あられと

アスラと私で並んで圧縮した術をどんどんぶつけていく


(ボシュ、ボシュ!バゴン!)


「痛て、いって!いいって!ちきしょー

それウォーターボールじゃねえよ!!」


痛いところを突かれる私

(しかし頑丈だ これだけアスラと浴びせて さすが職業大剣士といったところね)


術を浴びせられながら それでも距離を詰めてきたジャスパー


「ついたぜえ!だけど お前、炎あんま効かねえんだよなああ!

こいつでいくぜ!!」


(なにい まだ間合いではないと思ったけど)

警戒するリズ


「雷鳥ォ!」

(雷魔法・・?!)

「バシュ!」

ジャスパーの加速スピードがグンと上がって 

アスラのファイヤーボールが足元に外される


そのまま 炎をかわしたトップスピードで近づいてくると

ジャスパーは大きく飛び上がる

「バッ!」

(上空!)

リズは対抗して対空攻撃魔法で迎え撃つのもありかと思ったけど


「雷鳥!地獄走り!!」

ジャスパーは剣を真下に構えると 剣にものすごい雷を集中しだした

「(グオオオ・・!)」

強化状態はグレイトバーニング・ファイト中なので

炎もぐるぐる回って かなり危ない雰囲気をだしている


「らああ!!」

炎の強化の出力を使って 

真下に向かって一気に剣を突き刺すように勢いよく地面に落下してくる


(人間や使い魔を直接狙っていない!これは・・!)


「(アスラ!)」

「(うん!)」

交信の合図を読み取ったアスラは

瞬時にジャンプして私の胸にしがみついて妖精形態になる

「ポン!」


「はっし!」(アスラがリズの胸にしがみつく音)


「(うっわあ! めちゃくちゃ熱い!!)」

「(ごめーんリズ!)」

下手すると炎の呪文を食らったくらい熱くなっている、

リズの胸にしっかりくっついたアスラの体


「(いいわ! コマンドジャンプ!)」


「バイーン」

(おお けっこう飛べる!)

間延びするような でも普通のジャンプでは明らかになくて

距離のあるジャンプ 

これがオリジンのジャンプコマンドによる「ジャンプ」だ


その瞬間

「バチバチバチバチバリイイイイ!!!」


ジャスパーが地面に突き刺した剣の四方八方の広範囲に

炎と雷の強烈な魔法が伝って走っていく


「ザッ・・!」

剣が突き刺さった瞬間 不発を予期したジャスパーは剣を突き立てながら

不満げにこちらのほうを見る


「おいおい飛べるのかよ? どっかで一度飛んどいてくれよな

頭になかったぜ」

そういうと早々に剣を地面から抜いて 

今度は2回剣を回転させてまた肩に担ぐ


「(ガッシャン!)」


(危ないわ・・!やっぱり地面からの範囲攻撃だった

普通に守ってたら全部防護剥がされてたわね)


コマンドジャンプが終わりスチャっと離れた場所に着地して

私の胸にしがみついたアスラを離す

アスラは「ポフ・・」と元の大きさに戻る


(ふう・・、熱かった・・味方の熱で支援魔法防護が剥げるかと思った)


・・・・

・・


「どうすっかなあ・・俺は頭動かすのは あんま得意じゃねんだよなあ」


「・・・」

(こっちも困ったわ・・またふりだしね・・

あの技を見たら迂闊に先に手を出せないわ)


膠着してにらみ合う両者・・


「ダッシュ!!」

ジャスパーに走って向かっていくアスラ

(ア、アスラ~!)


戦いがまた動き出す


「おお!!助かるぜ!ちっちゃいの! いくぜえ!!バーニン!!」

「ちっちゃいのじゃないもん! グレイト・ファイヤー!!」


「バボオオオオオ!!」

「ぬお! 近接かと思ったら・・!」


ジャスパーは一度炎を振り払うが

そのあとビームのように連続して照射してくるアスラの炎を防ぐことができない

「ぐうおお!」

剣を盾にして じりじりとアスラの炎に押される


(お!いける・・?)

「もっとよ!アスラ!」

「ファイヤー!」


「ズゴオオオオオ!!!」

さらに出力があがり 色が高温に変わった炎でジャスパーが覆われる


「このまま・・!」


その時


「やっぱなあ・・俺はこういうのは苦手なんだよなあ・・

炎であったまってきたし 使っちまうかあ・・」


防御して守り続けているものの

ジャスパーは魔力のこもったグレイト・ファイヤーを受けて

支援防護魔法はもう剥がれてしまっている 

しかしその体の頑丈さと強化魔法によって その大半のダメージを受け流していた


「・・正面から一点突破!!」

「受けてみろお!!」



「 竜 炎(りゅうえん) 牙 突 斬 破(がとつざんぱ)  装填!!! 」

ギイイイイ・・・ン・・!


気合の入った声から

ジャスパーの戦う姿勢がそこで大きく変化した


「!!」

(魔力の集中が大きい!!でもまだ発動はしていない・・!力をためてる・・?

アスラの技を常時食らい続けるこの状況で・・?)


「ガッシャ!」

ジャスパーはグレイト・ファイヤーを直接受けるのにも構わずに

横に守っていた剣を一転させ 

一点に集中してアスラの術の正面に対して構える


「ズゴオオオ!!」

もろに食らう炎に少なくないダメージを受けるジャスパー


「ぐううううあ・・これやべえなあ 熱いねえ!!

だがこの俺が倒れるには まだまだだあ!!」


・・

「アスラ!私も手伝う!」

「うん!」

リズはアスラに後ろから抱き着くようにして

アスラの手に一緒に合わせる


「「  」」

(あつい・・・!!!)

これだけで支援防護が剥げてしまいそうだ


「(もっと力を・・!)」

なにせ私は基礎魔法しかまともに習得できていないから

アスラに協力するなら

練り上げて圧縮した私の魔力を

アスラに手のひらから加工しやすいようにそのまま渡して

一緒にグレイト・ファイヤーにしてアスラに使ってもらうしかない


(急ぐのよ・・!)

「ズズズ・・」

リズの魔力の圧縮を開始する


・・

やがて

「(ガッシャン・・!!!)」

炎の渦の中で一際強く光るジャスパーの家宝の剣

その音は術を解き放つ準備ができたことを剣の主に伝えていた


「まってたぜええ!!やっぱお前は最高だ!剣の準備はできたってよおおお!!!」

「本気だ!白黒きめようぜえ!!!」



「 竜 炎(りゅうえん) 牙 突 斬 破(がとつざんぱ) !!!! 」


(きた・・・!)

(ただの剣技じゃない!)



「アスラ!出力を上げて!」

「うん!!」

アスラは術を使用する手を突き出したまま 

大きく息を吸い込んでから

さらに口からの出力も加えて本気モードになる


アスラのグレイト・ファイヤーの炎はオレンジ色から

一気に熱のこもった、やや黄色気味に変わる

「ボアアアアアアア!!」


その時


「ズギャアアアアアアアア!!!!」

「(これは・・!!)」


ジャスパーの剣から爆発するように放たれた炎は

暴れる竜の形に形成しており

一点に集中してジャスパー本人ごと

ものすごい勢いで立ち向かって正面から突進してくる


(アスラのグレイトファイヤーが一気に押し負けてる!)

「アスラ!本気の出力で耐えて!」


「ファイヤー!!」

炎の色がアスラの本気の白色の光に変わっていく

「ボシュアアアアアアアア!」


「俺だってえ!本気だああ!!!もう少しだああ!!グレイトオオ!!!!」


「その炎、食い破れええ!!!」

「ズギャアアアアアアン!!!」


(な、なんて めちゃくちゃな技なの・・!

アスラも頑張っているけど これは押し負けるわ・・!

でも・・集中するのよ もう少しだけアスラは耐えてくれる)


「ズギギギギギギギギ・・・・!!」

凶悪な音をたてながら 限界まで圧縮されるリズの手の中の邪悪な魔力の塊


「パリ・・ピキ・・!」

(近づいてきたジャスパーの術の圧力で

もう支援防御魔法はあと少ししか持たない  だけど・・・!! )


「カッ・・!」

(今だ・・!)


「できたわ!!」

「アスラ!おねがい!」


アスラの手にリズの邪悪な塊が渡った途端に

(ズモ・・・・)

「え・・?」

アスラの突き出した手のひらが リズの邪悪な魔力一色になる

「ズ・・」

「パリパリ パリーン!」

同時に全てのリズとアスラの支援防御が弾けて壊れる

(えええ~~ これ私のせいじゃないわよね)


でもその直後に



「ファイヤーー!!!!」


「「ズゴオオオオオオオアアアア!!!」」

白色だった光は 一気に真っ黒に染まり暗黒の炎になる


ジャスパーの強力な暴れる竜の形の炎を一気に侵食していく


「!! う、うおおおおおお!なんじゃこりゃああああ

まじかああ 俺の本気が押されてやがる・・・!!

術が・・もう、消える・・!」


「でも・・・グレイトだったぜ・・!!」



「ズボオオオオオン・・・!!」


ジャスパーの術がかき消えてジャスパーは

アスラの真っ黒なグレイト・ファイヤーの炎に巻き込まれて吹き飛ばされて

場外まで飛んでいった


・・・

「ズシュウウ・・」

大剣士ジャスパーは気を失ってボロボロになって仰向けで倒れていたが

その剣は手に握ったままだった

「(ガ、ガッシャン・・)」(プスプス・・)



「勝者! リズ・クリスフォード!」


こうしてリズとアスラは準決勝進出が決まったのだった


・・・・


少し焦げた姿で

試合後の会場に立ち尽くす私とアスラ


「・・・・」

(しかしなんで あんなわざわざ炎技でクソみたいな一本集中攻撃なんて

私まともに受けたのかしら 

ちょっと横にいって避ければいいじゃないのよね)


「ワアアアア・・!」「ワーワー!」

しかし会場の歓声は今まで聞いた中でもかなり大きい

準々決勝の試合だからだろうか


(そういえば大剣士の試合は人気とか噂を聞いたわね

たしかに派手だけど あんなのに付き合わされたら

たまったものじゃないわね)



(まあ・・少しならいいけどね)


・・

汗で少しだけ透き通る肌に張り付いたリズの淡い色の細い髪


まだ盛り上がっている熱い会場の空気の余韻と

戦いの熱気からは涼しくなった空気を

リズは立ったまま少しだけその身に感じていた


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