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瞳を見るとBURST HEAT! VS世紀末格闘少女リズと不思議の格ゲー魔法世界  作者: 綾町うずら
星誕祭:リズとアスラの学園武闘編
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第56話 小休養

 「ああ・・だいぶ良くなったなあ」

 「すげえ美人の先生だったなあ」

アスラを回復させるために立ち寄った、大会の選手専用に用意された部屋

前に部屋を利用していた学生が 

そんな感想をもらしながら部屋から出てきたところだった


通称「リペアルーム」 救護室とはまた別の部屋で

選手が試合で使った体力を戻すためによく利用される部屋だ

(ここを使うのは初めてね・・)


そのリペアルームの部屋に学生たちと入れ替わりでリズが入って

そのすぐ後にアスラがテチテチとついて入る



「あれ」

「あっ」

そこには・・


「なんでキスラがいるの?」

「それは・・」

そこにはおとなしくなったキスラがおずおずとたたずんでいて

来るときには着ていなかった小さいナース服を着ていた


「キスラ はやく患者さんを案内なさい」

部屋の奥のほうから声がかかる この声は・・


・・・

「クロージュさん なにやってるんですか」

「なにって仕事よ」

(うわ・・!)

部屋の奥をみると そこには確かにクロージュさんなんだけど

いつものように全身黒ずくめの魔女スタイルではなくて

白衣のお医者さんのような恰好をして 

高級な椅子に座っていて一見は別人かと思った

他にも何人か大会治療スタッフの人がいて忙しそうにしていた


「あらリズにアスラじゃない どうしたの、負けたの?」

「いえ勝ちました でもアスラがちょっと体を痛めちゃって」


「まあ知ってたわ おめでとう あそこ」

クロージュさんが白い指揮棒のような杖を指した先には魔導式モニターがあって

今の大会の試合の中継がされていた

(ここでも試合の様子は見れるんだなあ)


「それでなんでクロージュさんがここに・・」

「だから仕事よ」

「・・・あの・・」


「うーん? わたしが医者の真似事してたらいけないわけ?

臨時だけど ここで患者を診るだけの国家資格はもってるのよ私

治療師でもあるの


あなたじゃなくてアスラだったわね ちょっと貸しなさい」


「あ・・お願いします」

(なんてことだ クロージュさん割となんでもできるって自分で言ってたけど

こんなことまで)


クロージュさんは診察台の横のベッドにアスラを座らせると

アスラの小さい肩に手をおいてなにやら

「ビビビビ・・」と特殊な治癒魔力を送っていた


アスラは

「ああ~~・・」って言いながら目を瞑って気持ちよさそうにしている


(なんかよくわからないけどいいなあ・・すごく気持ちよさげ・・

私も一応選手だし 終わったらやってもらえないかなあ・・)


「あのそういえば なんでキスラはここにいるんですか」

私たちがきたので案内の入り口付近ではなくて 

ナース服で一緒に近くにやってきて小じんまりとしているキスラ


「この子に聞いてないの?」

「いえ聞く途中だったんですが

観客席でキスラはおやつを貰いにいったって聞いてて」


「そういえば手に持ってたわね おやつ」

(・・・)

あくまで他人事のようなクロージュさん


「・・迷子になってたのを見かけたから私が保護したのよ」

「えっ・・それはちが・・(むぎゅ」


キスラが私になにか訴えかけていたところに

魔法でお口にチャックがかかったように黙ってしまった


(・・クロージュさん・・おやつを貰ったキスラを誘拐したのかい?)


キスラは私の知る限りでは自分で会場の案内図面も熱心に覚えていたし

それで自分でお菓子を集めてこれるくらいには賢い子ではあるんだけど

目的のおやつを手に入れた途端に注意力とIQを失って

ポケーとテチテチ歩いていたところを

通りがかりの不審な魔女に投網などで捕獲されてしまったというところだろうか


まあキスラもキスラで今日はちょっと変な子だったから

何やらやらかす前に早めに大人の魔女に捕まっておとなしくなっていたのは

けして悪くはなかったような気がする

・・


「それでキスラは私の助手だから、手伝ってくれているのよ

  ね、 そのナース服かわいいでしょ」


「まあ・・ 確かにかわいいですけど」


(キスラはいつのまにクロージュさんの助手になったんだい?)

(ナース服っていったら回復が得意なミスラの方がいけそうかなって思ってたけど

キスラもなかなか似合っているわね)


「それにその子も結構いい腕してるのよ

リズ今暇でしょう その子に少し魔法をかけてもらいなさい」

(キスラに・・?)


どうやら腕の見せ所?のようだ


「リズ・・じゃあちょっと寝転がって」

キスラはもうしゃべれるようになったようで私にそういってくる


「ここでいいの?」

「いいよ」

「アスラ隣つかうわよ」

「うん」

アスラが座っているベッドの横の余りを借りて そこに寝転がる


「じゃあ足だして」

「足?」

「靴とか靴下とか脱いで」


「ああそういうことね」

(ふふふ・・腕じゃなかったや)


「ベッドでうつ伏せになって」

「はいはい」

キスラに言われるがままの私


「いくよー」

(え、なにがくるんだろう・・?)

うつ伏せであまりやってることが見えないため ちょっと不安になる私


「ピリ・・」

「(あっ・・・!)」


キスラの小さくてスベスベした手が

私のふくらはぎや太ももにペタペタ当たってきて

微弱で心地いい電流がそこから流れているのを感じる

(ピリピリ・・)

(ああ・・・これ結構いいわあ・・)


「リズ・・わたしの手、どお?」

「うん・・気持ちがいいわキスラ」

「ふんふん・・」


そうよね キスラには元々こういう電気体質があった

でも多分普段は触れ合っても気遣って電流は流さないようにしていたんだと思う


「どう 結構いいでしょ?」

クロージュさんがなぜか得意げ

「はい・・」

まあ実際すごい気持ちいいので そう答えるしかないんだけど


(しかし・・あっあっ・・今も電流が

試合で動き回ったり立ちっぱなしだったから効くわねえ・・)


しばらくすると

電流の刺激も慣れてきて・・

(うーん・・気持ちいい・・眠くなってきたかも・・)


「キスラも頑張ってくれたから アスラと一緒に少し休憩しておきなさい」

「はあい」

(ああっ!いいところだったのに・・!)

クロージュさんの声にさっと私の足から離れるキスラの手


(まあいつまでもいるわけにはいかないしね)

「ありがとうキスラ 気持ちよかったわ」

「リズ頑張って」

「ええ がんばるわ」


「次はあなたね」

私に声がかけられる

(あっ クロージュさん私も見てくれる気だったんだね)


・・・

「がつがつがつ・・!」

ベッドにはアスラと休憩中のナース服キスラが並んで座って

このリペアルームの棚の高いところに置いてあったお菓子を

クロージュさんからもらってがっついている


なんでも栄養食らしくて乾燥した果物とかが入っている焼き菓子で

高価で大変美味しいらしい


「ビビビビビ・・・」

(ああっ・・めっちゃ効く)

クロージュさんからリズへ これは癒しの魔力ともちょっと違うような

活性・・?特殊な魔力が手が触れた肩から送られてくる

(これはキスラの電流とは別のベクトルで気持ちいいなあ・・)


「あなたこれは?」

クロージュさんは今は力が抜けて 

肩からだらりとした私の右腕を持って

取り付けてあるテイマー用のかっこいい装甲デザインの腕輪に少し触れる


(あっ そういえばさっきイヴの腕を使ったときに

サイズに余裕があるからはち切れたりはしなかったけど

少しやっぱり変形してしまっていた)


「さっきの試合でちょっと腕輪が変形しちゃったみたいです」


「ふーん・・さすがの私でもそこまではすぐには直せないわね」

(やっぱそうかあ・・)

「そうですよね」



(・・・)ジ・・

リズの腕をじっと見るクロージュ


(この子のこの右腕・・さっきの試合の最後の決め技の時

瞬間的に()()()()()()が加わっていた・・

モニターからの映像だと明晰じゃないから全然わからなかったけど

今ここで見るとその力のなごりも見えにくいけど

腕輪には若干形跡が残っているわ


私にはあの人と違ってそれを見ることはできない・・

だけどこの世界の強いエネルギーは周りの空間をわずかに歪める

それを私は感知することができる


この大会を準備する少し前 あの人は私にひそかに伝えていた

この子はその身に特別な力を持っているかもしれない


だけど魔法至上主義的な今の法典の監視下では

その力は認められない・・ )



(それに増えすぎている・・試合が進むにつれて会場内に

妙に外部からの魔法使いたちの気配が増えてきているわ


ここで何かが起こることに備えている・・? 

でも一見は何事もなくて捉えきることもできないから何かが不自然だわ


・・おまじないでもかけてあげたいところだけど

試合ではチェックが厳しいから・・


やっぱり今はこの治療が精いっぱいね)


・・・・

(ポン)

「終わったわ 行ってよろしい 頑張りなさい」


「はい がんばります」

クロージュさんに送り出される私たち


・・・

なおナース服のキスラが私たちについて部屋を出ようとすると

「あああ~」

謎の念動力によってリペアルームに戻っていった


(がんばってね・・キスラ)



・・・・

観覧席に戻った私たち


リサ先輩がやってきてアスラに抱き着いてきて

おめでとうと声をかけてもらえた

ネロが私の所にやってくる


「リズ~ 試合はおめでとう 

なんだけど、キスラがお菓子を貰いに行ってからずっと戻ってこないんだ 

近くだから大丈夫と思ってたんだけどやっぱり甘かったんだ

どうしよう アーノルド先輩が探しにいってくれたんだけど」

「ああ ネロ実はね・・」


そこでキスラの無事は説明する 

まあ誘拐されたのが無事なのかどうかは分からないけど・・悪いことをしたね先輩


(あれ・・マギハちゃんの横に・・)


「シュバルツ先生?」

先生も観戦をしに来た・・?のか 

アーノルド先輩が前にいたその席に座っていたのだった 

派手な格好でもないのに俳優みたいな見た目のせいですごく目立つ


「やあ 勝っていたね おめでとうリズ君」

「ありがとうございます」


マギハちゃんは前回みたいな気絶騒ぎにはなってなかったみたいだけど

小さな鼻の両方の穴にティッシュが軽く突っ込んであって赤くなっており

そういうことがあった形跡は見られた


よく見たらシュバルツ先生の長い足の膝の上に

小さなティッシュが出して置いてあった


・・

「ここからはベスト8までの選手が出そろい

星誕祭に捧げられる戦いはピークになる

その時は祝福の魔法による特別な装飾と上位結界防壁に切り替わるんだ


私は上位魔法師ではあるが 祝福による魔法は使えないからね 

ここまででお役は御免ということだ

だからここでマギハと一緒に君たちを観戦だよ」


「そうだったんですね」

(ベスト8って・・そうか もう私たちそんなところまで来たんだなあ

なんか照れる・・)


(ええしかし意外だなあ シュバルツ先生この見た目で

祝福付きの魔法が使えないなんて 

この学校の先生ってみんなエリートぽいから使えるのかと思ってた 

いや失礼なこととかは思ってないけど


だって今知ったけど あの上位魔法師っていうだけで相当なはずだもんね)



「もうすぐ切り替わるころだろう」


すると会場にアナウンスが流れ始める

「長らくお待たせいたしました 昼休みを挟みまして

これより準々決勝の開催を行います」


アナウンスが終わった直後に

「!」


「サアアア・・・・!」

魔法の膜が会場全体を包み込んでいって

新たにそびえるような石柱たちが辺りを囲むように湧き上がり

試合を見守る英雄の戦士の像たちのオーラには 

より特別な磨きがかかっていっていた


今まで小分けに分かれていた試合のステージは

全部のエリアがひとつになっていて保護防壁自体の輝きがさらに増しており

これは祝福が施された仕様のステージと魔法防護となって

守りのグレードが上がったということだろうか


そして審判員も一部交代で上位の格を持つ先生が参加したりするようになる


「「ワアアアア・・・!」」

「「ウオオオ・・!」」

お祭りはいよいよ最高潮といったところで会場は大盛り上がりだ


そして・・

(これは・・もしかして 常時使えるっていうことかしらね)

「ズズ・・!」

そう リズの右腕も活性していた 

もう慣れてしまって腕の疼きは少ないけど 血流はいつになく活発だ


・・

そこに


「キスラちゃん見つかったよ よかった

キスラちゃんはどうもリペアルームにいて

先生のお仕事を手伝ってるみたいなんだよ」


そういってアーノルド先輩が席に帰ってきた

肩には使い魔のフウロがのっている 一緒に捜索をしてくれてたんだろうか

私たちとはどうも入れ違いになったみたい

どうやらクロージュさんはそこでもキスラを助手だと言い張ったのだろう


私たちが先に知っていた事情を話すと

「なんだそうだったのか」

って先輩は照れくさそうにしていた

そして席の方に戻ろうとすると・・


「!シュ、シュバルツ先生ですか」

「やあ 君は・・中等部のアーノルド・インボルブ君だったね

 お邪魔しているよ」


自分の席に戻ろうとしたら俳優顔負けの吸血鬼みたいな先生がいたら

それはびっくりする

というか2人とも知り合いみたいですね


話を聞くとアーノルド先輩って

前にもちょっと聞いたけど魔法に関してかなり優等生らしくて

先輩は中等部だけど たまに高等部の講義も受けていて

そこでシュバルツ先生とも知り合ってたみたい


どんな授業をするんだろうね先生は、

って小言でいってるのが先生の耳に入ったのか


(・・・)

「私は飛び入りの上に祝福の魔法の指導ができないから

講義の受講生が少なくてね 

物覚えの悪い私でも 生徒の名前をなんとか覚えていられるんだ


教室も空きが目立つから 気になればリズ君も来てみるといい」

といわれた


(でも高等部かあ・・なかなか敷居が高いんですが・・)


・・

マギハちゃんの席の隣が空いていたから先生が遠慮なく座っていたけど

前はその場所にアーノルド先輩が座っていたことを知ると


「すまなかったね」

「いえ、とんでもないです」

席をどちらも譲る奇妙な合戦が少しまき起こり


マギハちゃんがその戦いを見て視線をキョロキョロさせており

結局アーノルド先輩は自分から押しまかるように

反対側のシュバルツ先生の隣に座っていた


シュバルツ先生は少し申し訳なさそうにしていたが

なにかに気が付いたように

「おや・・」

と言っていた


なんだろうって思ったけど

会場を見てみると

・・・

準々決勝の試合がどうやら始まったようで


「ピシュウウ・・!」

いきなり壁のように大きな聖魔法の白い光が見えて盛大な歓声が上がっていた

(あの光の魔法・・勇者ミトラはやっぱり残ってるみたいね)


(戻ってきたけど 私もそろそろ行かないとね)

リズは立ち上がって

ネロたちの方を見ると


「あれ ミスラ、ここにあったおやつ知らない?」

「わたしじゃないよ」


どうやらネロの手元にあったお菓子が消えていたらしい 

なんでもない様子でミスラが答えている

「ほんとかなあ」

ネロはちょっと犯人を疑っているぽい


「ネロぉ・・」

「ああ ごめんごめん気のせいだった」

少し揉めていた


(あれ・・なんかこの辺ちょっと変な匂いがするなあ・・やあね 

連れ込みのペットの匂いとかかな)

広い会場でも

観客で人がたくさんいるからそういうこともあるのだろう


・・

人で賑わう会場を移動しながら

リズは残りの数が少なくなってきたトーナメント表の一覧をみる


「(次か・・)」

次の私の対戦相手は・・


あの勇者の側近 大剣士ジャスパーだってね


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