【第一章】第六十四部分
次に裕璃音は屋台を廊下に設置した。デジタル魔法で、簡易構造の組立はわけなく可能である。
「ソフトクリームサービスを始めるよ~。」
「「「「「「「「「「「「「「わ~、アイスだ、愛すだ~!」」」」」」」」」」」」」」」」」
「甘いもの好きな女子たちが次々と集まってきた。お代はあたいとの握手だよ~。」
ソフトクリームをペロペロしている女子たちは一様に、眉間にシワを寄せて、裕璃音の屋台に近づいて、クリームを自分たちのクチビルに付けた。
「ソフトクリームのお礼だよ。あ~ん。」
「ありがとう。じゃあ、遠慮なく~。」
裕璃音はあっさりと女子たちのクチビルを吸った。吸われた方は目付きがとろ~んとしている。
「裕璃音さんはかなりの知能犯だわ。マメなところが女子に受け入れされているわ。これはかなりやっかいな相手だわ。」
ゆめたちが陰謀を巡らせようとしている中、裕璃音は対抗策をすでに考えていた。
「あのふたりは戦闘マニア。いや、アナログ魔法使いは大半がバトルを選ぶはず~。デジタル魔法は頭を使う~。だから、バトルには乗らないんだよ~。」
裕璃音は、クラスにひき籠り、女子たちに囲まれる選択肢を取った。
「これなら、女子とも桃源郷し放題だし、あのふたりが、一般女子に危害を加えることはないだろうから極めて安全なんだよね~。」
教室で温泉にでも浸かっているような表情の裕璃音。
「こうなったら、本気にバトルするしかないわね!と言っても生徒会なんだから、こちらからケンカをしかけるワケにはいかないし、一般生徒に迷惑をかけるのは論外だわ。」
ゆめの思考経路は、裕璃音の考えの通りだった。




