【第一章】第六十三部分
翌日、生徒会室に楼里がひとりでいた。
「お兄ちゃん、まだかな、まだかな、なのだ。」
楼里は元に戻りお兄ちゃんに向かう意欲を示していた。
『コンコン。』
「お兄ちゃんが来たのだ!」
楼里はすぐに苦々しく眉間にシワを寄せた。
ドアノックの音とともに、手を繋いだふたりの女子が入ってきた。しかし、ふたりは楼里にわかるように、やや大仰に手を引き離した。
ふたりとはゆめと緋景で、真っ直ぐに楼里を見つめている。
「うりちゃんに話があるの、滝登さんも一緒に話をするけどね。」
「おまえたちは、ゆりに洗脳されたんじゃなかったのか?完全に自分を見失って、ゆりこそすべて、という状態だったはずなのだ。」
「あれは初めから自分たちに魔法をかけていたのですわ。」
緋景が菩薩様のような薄過ぎる笑顔で回答した。緋景は仕掛けたネタを明かした。
「ワタクシたちは自分で魔法をかけた精神魔法の成果です。精神魔法は難しい。お互いに相手にかけようとしてもなかなかかかりません。そこで自分たちに精神魔法をかけることにしましたの。かける対象はひとつに絞られるので、これは有効でしたわ。」
こうして楼里は元に戻った。
しかし、裕璃音は違っていた。ガチゆりの裕璃音は本気で女子食いを楽しんでいた。それはゆり女子の増加を意味し、廃校を受け入れることににつながることでもあった。
「よし、このやり方で、本丸を攻略するわよ!」
「ちょっとお待ちになって。アレをご覧なさい。」
ゆめたちが労をとることもなく、すでに裕璃音が女子を食いまくっていた。それも以前よりも著しく加速していた。
「これ、元に戻すとかの前に、女子食いストップすべきじゃないの?」
裕璃音は校舎内で女子たちにオラついていた。電子ムチでビシビシと床を叩いている。ムチはやがて女子の背中を襲っていた。
「これはひどいわ。力任せに女の子を餌食にするなんて、パワハラじゃないの。」
「いえ、あれはパワハラではありませんわ。」
「緋景、どうしてよ?」
「よく見てください。打たれる女子の顔を。」
「ああん。もっと打って~。」
「まさかのドM女子!?それならまさにアメとムチだわ!」
恍惚女子は裕璃音のなすがままに体を預けていた。




