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【第一章】第三十六部分

「そんな大それたことはありませんわ。とにかく、生徒会にお入りくださいな、ワタクシと一緒に過ごす時間を大事になさりたいのなら。」

「うっ。そ、それは。」

ど真ん中ストレートを投球されて、つかさは言葉とのどを詰まらせた。

「まさかの拒否権行使ですの?やはりワタクシは悲運のヨンリオメイドなのでしょうか?」

緋景の顔は悲観主義の雲に覆われてきた。

「こうなったら、心の強化魔法しかありませんわ。えぃっ!」

緋景のからだが電撃でも走ったように光った。

「ワタクシはつかさ様を離しませわ!」

緋景は2倍に太くなった腕でつかさを鷲掴みにした。

強化魔法では、からだをある程度操作することは可能である。加えて魔法を使っている間は、これまで通り、強気になれる。


こうして、つかさは生徒会室に、緋景の腕力で連れて行かれた。

「魔法は禁止だろう。ちょっと強引過ぎやしないか。」

「来てみればわかりますわ。」

生徒会室には緋景が集めたヨンリオグッズが壁面棚に密集状態で詰め込まれている。

つかさは生徒会室に入った途端、無数のヨンリオグッズに心を奪われた。オレが到底手にすることのできない、高価なレアモノがこんなにもズラリ。ここはヨンリオ天国なのかあ~!

つかさは絶叫して、以後の言葉を失った。

「どうです?入会したくなられたのではありませんか。」

緋景はしてやったりとニヤケて、悲観的な考えはどこかに置き捨てたようである。

一方、生徒会室のお手伝いさんのゆめは、眉間にシワしながら、生徒会室隣の分室でせっせと掃除に励んでいた。

「メイド見習いは、担当の部屋掃除もしなくて、どこをほっつき歩いてるのかしら。それにこのヨンリオグッズは気持ち悪いったらありゃしないわ。わずかに魔力を使ってガードしてるけど、ヘドを吐きそうだわ。」

分室もヨンリオグッズで溢れかえっていた。

つかさがヨンリオグッズに呆然としていたところに、ちょうど、ゆめが生徒会室の奥から出てきた。

ゆめはイラつきのあまり、ふたりに気づかなかった。


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