【第一章】第三十三部分
「緋景さん。別に無理することはありませんよ。あたしの配下に収まるのがイヤならここを立ち去るだけでよいのですから。なんなら、あたしが手を引いて、番外地に送ってあげますよ、ごきげんよう。これがホントの、ごきげんよう。ワハハハ。」
「ぐぬぬぬ。仕方ありませんわ。赤空ゆめさんの言うことを渋々受諾します。でもワタクシにとって、下剋上など造作もないこと。首を洗ってお待ちくださいですわ?・・・うまくいくかしら。下手すると、卒業するまでこのポジションをキープするかも。」
緋景はどこまでいっても悲観主義に抱擁されていた。
翌日の放課後の生徒会室には異変が生じていた。
「これはいったいどういうことよ。なんなの、このケバいピンクだらけの部屋は、ごきげんよう。」
緋景は1日にして、生徒会室をヨンリオショップのように、飾りまくってしまった。
ゆめがヨンリオグッズを嫌いなのは従来通り。しかし、ヨンリオから連想されるもの、それは他ならぬつかさのことであり、ゆめの苛立ちに大いなる拍車をかけていた。
「赤空ゆめさんは、ヨンリオブランドを否定なさるおつもりですの?」
「そうよ。それのどこがいけないの、ごきげんよう?」
ごきげんようの語尾にクエスチョンマークが付されるというルールが発動された。
「どうやら、赤空ゆめさんは、ワタクシとヤル気満々のようですわね。ならば勝負するしかありませんわ!」
「勝負と言えば、魔法でということになるわね、ごきげんよう!」
紫水晶学園の女子は魔法使いがマジョリティであるので、お互いに相手に魔法力があることはすでにわかっていた。
「校内で魔法を使ってはいけないことは、赤空ゆめさんもご存知ですわね。」
「言うまでもないわ。じゃあ、どうするつもりなのよ、ごきげんよう?」
「ワタクシの魔法力を軽んじないでくださいまし。空間操作魔法、大展開ですわ。この場に異空間、ワタクシたちだけのオトメバトルフィールドを作って差し上げますわ。」
緋景は引きこもる空間を作ることができた。




