【第一章】第三十部分
翌週、ゆめはコッソリ生徒会室を覗いていた。ゆめはこの1週間、生徒会のお手伝いをしながら、緋景の行動をリサーチしていた。
「妹がいない日は月曜、水曜、金曜。お嬢様だから、きっと習い事でもしてるのよね。あたしなんか、昔ピアノ教室に通っただけなのに。ムカつくわ。」
「お兄様、ごきげんいかがですか、ごきげんよう。ゆめの声帯模写は完璧だったが、お嬢様言葉の使い方はぎこちなかった。緋景、いつもの紅茶をいれてくれ。」
ティーバッグの安物を使うゆめ。
「香りがないぞ。これはうわさに聞くティーバッグじゃないのかい?」
「お兄様はティーバッグをご所望なんですの、ごきげんよう。ワタクシは、そんなはしたないパンツははいてません。でもお兄様がどうしても見たいとおっしゃるなら、ごきげんよう。ガバッ!」
和服をおもいっきり引き上げて、白地に赤い日の丸パンツを陽の目に晒したゆめ。ゆめが力強いと感じている大勝負パンツである。
「うおおお~!なんてことだ。我が妹がこんなパンツを穿いていようとは!」
鳴志司は頭を抱えて膝まづいた。
「なんてな。お前は滝登緋景ではないな。」
鳴志司は余裕の表情でゆめを睨んだ。
「どうしてわかったんですの、ごきげんよう。」
ゆめはいまだに奇妙な話し方を継続。
「しゃべり方はカンペキに緋景をトレースしていたぞ。」
「そうでしょ、そうでしょ、ごきげんよう。」
「しかし、決定的なのは、そのパンツだ。緋景のパンツはオールヨンリオだ!」
「なんですか、そのオール電化みたいな言い方は、ごきげんよう。そうじゃなくて、妹のパンツを全部見てるんですか、ごきげんよう。」
「そ、それは。」
「妹のパンツをクンクンとか、かぶってるとか、穿いてるとか、会長のどヘンタイ~!!」
「そんなことまでやってないぞ!」
結局、ゆめの変身魔法はバレてしまった。
ゆめは生徒会室からダッシュで脱出した。




