【第一章】第二十九部分
放課後になり、メイド服に着替えたゆめは、生徒会室に向かった。
生徒会には、和服女子がいた。すごく親しげだった。ふたりが兄妹だとすぐにわかった。和服女子が鳴志司をお兄様と呼んでいたこと。何より、顔がソックリだったこと。さらに、和服女子がつかさと交際している彼女であることもすぐに気づいた。
ゆめの行ったこと。お茶を2杯ほど、鳴志司に出しただけだった。
何の変鉄もない1日だった。それだけに、ゆめは強い苛立ちを覚えた。そんな日が数日続いた。
「このままでは、会長の心を鷲掴みするどころか、手に触れることすら難しいわ。こうなったら、あれしかないわ!なりふり構わずやってやるんだから!」
会長とまともに会話できないこと、つかさが会長の妹と交際していることがゆめの行動を大胆にさせた。
「ゆめ~、へんしん!」
ゆめはどこかで見たことのある人物に変身した。大胆な行動とは、高度な変身魔法を使用することである。変身魔法と言ってもからだの構造、骨格、筋肉などが変わるわけではない。似るのはなんとなくというだけであり、基本的に自助努力が必要である。つまり、回りの空気を変えるという風魔法の一種である。
「全身スペシャルメイクが必要なのよ。声色も勉強しないといけないし。でもあたしには、怪しげサイトという強い味方があるんだから。」
ゆめは『変身したいあなたを心からサポートするのだの窓口』というサイトを通じて、見事に変身を遂げたのである。ちなみに、その窓口では、肌ソックリさんというデジタルスキンを販売していた。
とある女子のソックリさんになったゆめを少し離れたところから覗き見している被り物女子がいた。
「育ってる、育ってるのだ。ククク。」




