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【第一章】第二部分

ふたりは中学生になっても一緒に登校していて、いつも一緒にいるので、回りからはふたりは付き合ってるというレッテルを貼られていた。

ゆめは、つかさくんと付き合ってるんでしょ?リア充いいなあ。

「つかさは、ゆめチョメチョメやってるんだろう。羨ましくて涙が止まらないぞ。」

思春期前半戦の中学生は、彼氏彼女がいない人間がマジョリティを形成しているのは、いつの時代にも共通する普遍的な出来事である。マジョリティの意見は場の空気を支配する。ふたりには付き合ってるという感覚がなかったが、周囲の雑音をシャットアウトできるほど、強固な心臓シールドを持ち合わせていなかったのである。

「なあ、ゆめ、今日もクラスメイトから、冷やかされたよ。」

「あたしもよ。」

このわずかふたつのフレーズを1ヶ月リフレインされ、つかさとゆめの大脳に刷り込まれた。その結果、周囲の期待に応えて、ふたりは交際することとなってしまった。


とある晴れた日曜日の午後、ゆめとつかさは、商店街をふたりで歩いていた。手を繋ぐこともなく、カップルが醸し出す虹色のシャボン玉が浮かぶような空気感には乏しい。

「いつも休日って、こんな感じなんだけど、今日はどこに行くの?」

「行く場所なんて、決まってるだろ。こんな下町じゃ、ここの商店街をぶらつくしかないんだから。う~む。」

つかさは、ゆめに話しかけながらも視線はゆめ以外の左右に振れている。

「あそこに、ヨン様キーホルダー、むこうにはヨン様ペンダント、あそこには、まさかのヨン様人形。こっちにはヨン様たい焼きが!」

 つかさはヨンリオグッズをヨン様と呼んでいるである。


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