【第一章】第二十二部分
ゆめは鳴志司生徒会長に奇妙な魅力を感じていた。手堅いつかさとは違う感覚、それが何かを確かめたいと思った。ゆめは生徒会長にアプローチしたいと思うが、新入生にとって、生徒会は距離があった。当然ながら、いきなり生徒会に入会などできるはずもない。
「いったい、どうしたら、新入生が合法的に生徒会に入れるんだろう。全然わからないわ。」
ゆめは鳴志司に近づきたいといろいろなアプローチをかけていた。その結果、両手両足に、深くはないが、多数のキズを刻むことになっていた。
鳴志司を見つけるたびに、急接近して、わざと転倒するというのをリフレインしていたからである。
「またキミか。赤空さん。足元には十分注意をするんだよ♪」
鳴志司は、同じシチュエーションに何度も遭遇しながらもいつもにこやかに、ゆめを助けていた。ゆめは鳴志司と交際には至らないものの、その魅力にますますぞっこんになっていった。
「さすがにケガは痛いわ。それにもし傷跡が残ったらマズイわよね。近未来に初夜を迎えた時、『会長がこれは何だい?まさか、キミはすでにキズモノだったか?ハツモノだと信じてたのに~!』なんてことになったら困るわ。だから、作戦変更よ!」
今度はラブレターを考えたが、それを出すということは告白と同じになるから、さすがに恥ずかしい。
「他のやり方を考えないと。外側から攻めるという路上作戦はダメだったので、今度は本丸を狙うわ。本丸とはもちろん生徒会室のことよ。」
ゆめは生徒会室に入るために、わざと生徒手帳を落とした。




