表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/73

【第一章】第十一部分

「もしかして、いやもしかしなくてもあたし。まさか、生徒会長はあたしを始めからターゲットにしていた?すべて意図的な行為なの?あたしはまんまとエサに引っ掛かったってわけ?つまり、ナンパされたんだ。今日は初ナンパ記念日だわ。ナンパ・・・。あたしは古本屋で売ってる安物なんかじゃないんだけど。でもなんて熱いパッションなの。」

思考からメタモルフォーゼして勢いよく走り出した妄想は止まらない。但し、映像は鳴志司の生産物である。鳴志司が影の女子を強く意識していることが、ゆめには、ハッキリとわかった。それは、好きという強い想い。なぜ好意を持たれたのかはわからない。でもそれが本当の愛だということは疑いようがなかった。愛は本能が認知するものなのだから。

キャンプファイアーの炎がメラメラ燃えている。困難を乗り越えて、結びつこうという確固たる意志。細く切れそうな糸。しかし釣糸のように粘り強い。背中への視線からはそんな想いが伝わってきた。

ふたりの影が寄り添った。そして鳴志司らしき影がゆめの背中に腕を回した。

「こ、これは。次もベタなら、アレにシフト!?」

ふたつの影は順調にキスに移行した。

「きゃああ、あたしの初めてが~!」

ゆめは妄想を自分の経験として受け入れてしまった。妄想癖をこじらせてしまった結果である。

「きみ、名前は。」

「赤空ゆめです。1年生です。今、初めてを生徒会長に捧げました。」

「はい?なんのこと?」

突然、青かった空が灰色に変化した。

『ドドド~!』

猛々しい土煙と一緒に何かがやってきた。

箱型の装甲車のようなクルマがやってきた。よく見ると、クルマではない。大きな車輪、引っ張っているのは牛の着ぐるみを着た人間。クルマは黒光る鋼鉄製の牛車である。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ