初対面
「通してよろしいですか?」
初めての顔合わせ。これからセバスに連れられて私の子供になる子が入ってくる。
ドキドキ。
「はい。通してください」
セバスに通された子供は……。
あれ?
どこ?
護衛らしきキラキラした青年の姿しかないけれど?
部屋の中を興味深げに見まわしす5歳くらいの子供の姿もなければ、緊張して微動だにできずにまっすぐこちらを見る10歳くらいの子供の姿もないけれど……。
あれ?
セバスが、資料を片手に説明を始めた。
「お嬢様のご希望である、ロマルク公爵家の血筋ですが、4代前、つまり、お嬢様の高祖父の御父上の妹気味が嫁いでおられ、その直系にあたります」
ん、なんかややこしいけれど、血はちゃんと流れてるってことね。
「見ての通り男子であり、高等学園を優秀な成績で卒業しておりますので、お嬢様の男の子で賢い子という条件にも合致しております」
確かに……そうね。
「それから、常に、ご家族や親しいご友人に、自分は四男だから、家族や領民のためになる婚姻を望むとおっしゃっていたようで。ご友人の誘いにも、女性からのアプローチもお断りしていたと」
なんていい子なのかしら。随分モテそうな容姿なのに浮ついた気持ちで女性に手を出さなかったなんて。
なかなかできるものではないわ。
「さらに、見ての通りリーリア様と同じ見事な金の髪をしております」
……そうね。お父様と同じ色の髪だわ……。
「お話をしたときにはご家族も戸惑っておられましたが、3日前には快い返事をいただき、ご本人も問題ないと……いうことで。すべての条件を満たしております」
ん。確かに。
そうよね。確かにそうだわ。
私が出した条件は見事にそろっている。
……っていうか、年齢については何一つ言わなかったもの。
そうよね。何歳の子が養子になるかなんて、私が勝手に小さな子供を想像していただけで。
……今更、ちょっと年齢が……とか言えないわよねぇ。うん。大丈夫。ちょっとびっくりしたけれど……。
って、待って、ずいぶんアルバートの方もビックリした顔をしているようだけれど……。
私みたいな若い……いや、若くはないんだけれど18歳の子供を持つ親としては若い人間が義母になるとは思ってなくてびっくりしているのかな。
せっかくセバスが条件にある子を見つけてくれたんだもの!
何としても、お試し期間の半年で好きになってもらって養子になってもらわなくちゃ!
まずは第一印象。できるだけ優しそうな声で話しかけるのよ。頑張れ、私。
「申し出を受けてくださり感謝いたします」
アルバートがふっと小さく口元を緩めた。
よし、第一印象オッケー。
ご覧いただきありがとうございます!!
ドストライク★をありがとうございます!励みになります。
こういうおバカ前回話は書いていて楽しい(*'ω'*)うきゅ。
感想もありがとうございます。えへ。
ブクマも嬉しゅうございます。
えーっと、初対麺……面シーンは、プロローグにアルバートサイドがあります。