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養子の条件

「ロマルク公爵の血筋の者を当たって頂戴。何代前のつながりでも構わないわ。男の子がいいわね。できれば賢い子がいいわ。ああそれから、領民のことを考えて生きられる、自分より周りの人を大切にできる心優しい子。それから、容姿は……なんでも構わないわ。でも、できれば私と並んだ時に「親子ね」と知らない人が見れば親子に見えないこともない何かつながりがあると嬉しいかも。目の色でも髪の色でもなんでもいいんだけれど。ああ、もちろん、本人が嫌がった場合は無しね。あと家族に問題がある場合も無し。んー、条件はこれくらいかしら?ヘレンは何か希望はある?」

 こういう時は子育て経験のある人間に聞いた方が間違いない。

「そうですね……リーリアお嬢様を嫌いな子はだめでしょう」

「そうね、流石ヘレン。私はどんな子でも子供として迎えるからには、大事にいつくしむつもりだけれど、向こうもそうとは限らないわよね?親と引き離しちゃうことになるんだもの……どうしましょう……」

 私のことは嫌いでも、その憎しみが領地に向けられても困るし。

 私に反発するためだけに、問題行動されても困るから、私のことをそれなりに認めてくれる子じゃないといけないわよね。そりゃ、おかぁたまと、笑顔で抱っこをせがんでくれると嬉しいんだけれど。

 まだみぬ我が子の姿を想像して、笑みがこぼれる。

「お試し期間を設けてはいかがですか?親子として、半年一緒に生活してみて、大丈夫そうなら養子として迎える。無理であれば、家に戻すか、親戚の子として面倒をみていくか」

 ヘレンの言葉に頷く。

「そうね!そうするわ!というわけで、セバス、私の子供を探してきて!」

 白髭を蓄えた姿勢の言い執事が胸に手を当てた。

「お任せください。お嬢様」


 それから、1か月。

「お嬢様、ついに養子の条件に合う子が見つかりました」

 セバスからの報告を聞いて、すぐに連れてきてほしいと頼んだのが、2日前。

 どんな子なのかは、会ってからご説明しますとセバスが言ったので、詳細は聞いていない。

 ほら、話を聞いてからだと先入観から、子供の本質が見えないといけないからというセバスの配慮なんだけれど。

 ……どんな子かなぁ。女の子みたいに可愛い顔をした男の子かな。それとも、鼻の頭に擦り傷のあるような男の子らしい活発さを持った子かな。

 領地をめぐって、いろいろな子供達とも触れ合って来た。悪ぶっている子も本質的にはいい子だというのも学んだ。

 どんな子供だろうときっと可愛いよ。

ご覧いただきありがとうございます。


出した条件に、一つ忘れてるものありますよー……。


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